「汚いよ!」と注意するだけだと説明不足かも?『子どもの自己肯定感が高まる天使の口ぐせ』Vol.8
「ちょっとまって」「これにしたら?」子育て中に、ついこんな言葉を使っていませんか? 実はそれって子どもの自己肯定感を下げてしまう悪魔の口ぐせなんです。白崎 あゆみ・著『子どもの自己肯定感が高まる天使の口ぐせ』(マキノ出版)より、親子の自己肯定感を高める天使の口ぐせを実際にあったエピソードとともにご紹介。
【止め方のお悩み】触ってほしくないものを「汚い」と表現していた
1歳のそうくんは、最近、ハイハイからよちよち歩きができるようになりました。そして、いつもお母さんの後を追いかけてくる、かわいい時期です。
それはうれしいと同時に、困ったことでもありました。なかなか家事が進まないのです。
特に気になるのは、おふろの排水溝の掃除や生ゴミの処理、トイレ掃除をやっているときです。
そうくんが近寄ってきて、触ろうとして前のめりで手を出してくるので、お母さんは眉間にシワを寄せて、とにかく「汚いよ!」と連発していました。
悪魔の口ぐせ
「汚いよ!」
天使の口ぐせ
「気になる?」
子どもは好奇心の塊。お母さんがやっていることに興味津々なのは、当たり前です。決して危険を伴う作業ではないので、強い態度で止めるのではなく、「気になるの? 排水溝を掃除して、きれいにしてるんだよ」などのように「汚い」ではなく「きれい」といった言葉を使って説明してください。
1歳の子どもは、自分の手を頻繁に口に入れるので、お母さんはそれも気になったのかもしれませんが、同時に、そうくんの汚れた手を洗うことを手間に感じ、半ば自分のために止めている面もあったのではないでしょうか。
このようなときは、思い切って一緒にやらせてしまうのも一つ。「一度やると、次もやりたがるかもしれない」と懸念するお母さんは多いのですが、意外と一度やれば満足するケースも多いものです。
それに何より、見るとやるとでは、経験の濃さがまったく違います。ですから、家事を体験する良い機会ととらえ、できる範囲で一緒にやってみると楽しさも見つかるかもしれません。
書籍『子どもの自己肯定感が高まる天使の口ぐせ』について
★こんな〝悪魔の口ぐせ″使っていませんか?
「何回も言ったよね? 」「こっちにしたら? 」「ちょっと待って」
★無意識に使いがちな悪魔の口ぐせをへらし、天使の口ぐせを増やせば、子どもも親も自己肯定感が高まる
ふだんの口ぐせを変えるだけで、子どもたちの心への響き方だけでなく、お母さんが見る世界も大きく変わります。
何気なく使っている言葉が、親と子の自己肯定感を低下させる「悪魔の口ぐせ」ではないか、確かめましょう。
本書では、お母さんが口にしがちな「悪魔の口ぐせ」を、実際の事例を参考に紹介します。
そして、そのような場合に口にするといい「天使の口ぐせ」を、具体的に示しています。「こんな言葉がけもあるんだな」と、参考にしてください。
(文:白崎 あゆみ『子どもの自己肯定感が高まる天使の口ぐせ 』(マキノ出版)より/加筆修正:マイナビ子育て編集部)