【ママ医師が教える】夜泣きで眠れない地獄、「助けて!」と声を上げていいんです『子育てで眠れないあなたに』Vol.1
昼夜問わず泣きじゃくる赤ちゃんの対応に追われるママ。まとまった睡眠が取れず心身ともに疲弊しつつも「ママなんだから眠れなくて当たり前」と諦めていませんか? ママの睡眠不足はを放っておくと危険なんです! 森田 麻里子、伊田 瞳・著『子育てで眠れないあなたに』(KADOKAWA)より、ママドクターからの睡眠処方箋をお届け。
新生児育児スタートと同時にママを襲う細切れ睡眠。まとまった睡眠がとれずに慢性的な睡眠不足に陥ってしまい、肉体的にも精神的にもつらい思いをしているママがたくさんいます。睡眠専門ドクターのひとみ先生(伊田 瞳先生)は、そんなママの状態は医学的にも危険な状態だと警鐘を鳴らします。
今回は、ママが細切れ睡眠から脱却する方法についてひとみ先生が解説します。
細切れ睡眠が続く地獄【ひとみ先生】
生まれたばかりの赤ちゃんは、大人とかけ離れた睡眠リズムを持って生まれてきます。
大人が6、7時間の夜間睡眠を必要とするところを、赤ちゃんはなんと40、50分の睡眠! これを3、4時間ごとにくり返す! (大人からすれば)むちゃくちゃな睡眠リズムなのです……。
しかし赤ちゃんには誰かがそばについて世話をしてあげなければなりません。
特に新生児の場合、その役割を担うのはママであることがほとんど。ここから、ママたちの地獄の細切れ睡眠が始まります。
今これを読まれている方ではなく、その周り(家族や職場)の人が誤解をしないためにはっきり申し上げますが、この細切れ睡眠のまま何とかなる方法は、存在しません!
細切れ睡眠を解決する方法は、「夜間にまとまった(6時間以上の)睡眠を取れるようにすること」、ただ、それだけです。
今この本を読んでいる方の周囲の方々に声を大にして伝えたい。
夜、ママが一人になる時間を作ってあげてください。夜に6時間、寝させてあげてください。それだけでママの地獄の苦しみは、解消されるんです。
細切れ睡眠の対処法は、周りが一人で夜寝られる時間を作ってあげること。ただそれだけです。
それでも、どうしても、どうしても一人で対処するしかない。細切れ睡眠のまま、赤ちゃんを育てていくしかない。そういった、事情のある方がたくさんいることもよくわかっています。
ここから先は、どうしても周囲の手を借りられない方が、少しでも「ましな」睡眠を得られる方法をお伝えしていきます。
「助けて!」と 叫んでいいんです【ひとみ先生】
これから、ママの睡眠を少しでもマシなものにする方法、一刻も早く細切れ睡眠から卒業する方法についてお話しさせていただきます。
しかし……非常に残酷なことを申し上げますが、ここに書かれたすべての方法を実行しても、眠るのがあまり上手でなく、夜泣きが続いてしまう赤ちゃんも、残念ながら存在します。
また、例え徐々に赤ちゃんが夜眠るようになってくれたとしても、数日でたちどころに細切れ睡眠から卒業できるわけではありません。
何度も言いますが、細切れ睡眠の根本的な解決法は、夜間にまとまった睡眠を取ること。そのために、他の人が赤ちゃんのお世話を代わってあげること。ただ、それだけです。
体に大変な負担を伴う妊娠、出産を乗り越えた後、1日も休まず細切れ睡眠を続けているママのツラさは、決してスルーされていいものではありません。そして、ママが一人でなんとかするべき問題でもありません。
他の人があなたを助けるべきです。
あなたはツラい、無理、大変だと感じていいし、そう思って当然の深刻な、追い詰められた状況にいます。
「ママはそういうもの、眠れないもの」
「みんな通ってきた道」
そのようなエビデンス(根拠)のない思い込みが、ママを取り巻くあちこちに流布しています。
私は、睡眠専門ドクターとして様々な論文を調べ、ママの細切れ睡眠は決して放置して良い状態ではないことを知りました。他の人も頑張っているからと我慢する必要はまったくないのです。
ぜひ周りの人、家族に「助けて」と声をかけてください。
助けて。
2時間もまともに眠れない状態が出産してからずっと続いている。医学的にも危険なレベルに達している。
お願いだから、赤ちゃんの面倒を夜見て、私を一人にする時間を作って。
ちなみに旦那さんでここまで言われて一切行動を変える気がない人は、やっぱり親になる意味をもう一度考えたほうがいいと思います。
(森田 麻里子、伊田 瞳『子育てで眠れないあなたに 夜泣きドクターと睡眠専門ドクターが教える細切れ睡眠対策』(KADOKAWA)より一部抜粋/加筆修正:マイナビ子育て編集部)
書籍『子育てで眠れないあなたに 夜泣きドクターと睡眠専門ドクターが教える細切れ睡眠対策』について
「ママは眠れなくて当たり前」……それって本当に「当たり前」ですか?
ママも無理をせず、周囲に「助けて!」と叫んでいいんです。
自身も子どもの夜泣きに悩まされたという2人のママドクターが、ママのこま切れ睡眠への対処法をご紹介。
海外の研究結果など、医学的根拠に基づいて赤ちゃん夜泣きや、ママがある程度まとまった睡眠を取るための方法をやさしく解説します。その日から実践したい、ママと赤ちゃんを救う睡眠サバイバル術をまとめた一冊です。