【医師監修】乳幼児の日焼け対策・4選 特に気をつけたいことは?
小さい子供(乳幼児)の日焼け対策は「新常識」となりつつあります。今回は、子供の日焼け対策法を4つご紹介します。
なぜ必要? 乳幼児の日焼け対策
※画像はイメージです
体へのダメージが大きいから
日光の紫外線をたくさん浴びすぎると、体にさまざまな悪影響があります。赤ちゃんのうちから、強い日焼けをしすぎないよう注意することは、一生を健康に過ごすために重要です。日本小児皮膚科学会では紫外線の浴びすぎによって「将来的に皮膚がんのリスクが高まる」「皮膚の老化が早まりシミ・シワができやすくなる」「網膜メラノーマ、白内障など目の病気のリスクが高まる」などの危険があることを指摘しています[*1]。
現在は「子供の日焼け(紫外線)対策」が大切に!
かつて、日焼けして真っ黒であることは「健康的」とされてきました。実際に紫外線を浴びることは、強い骨作りにも欠かせません。紫外線を浴びるとビタミンDがつくられ、骨をつくるカルシウムの吸収・沈着が促進されるからです。しかし、最近では「1日に15分、手の甲に紫外線に浴びるだけでも、骨の形成には充分である」といわれています。
近年、オゾン層破壊により地表に降り注ぐ紫外線量の増加が懸念されています。そのため、紫外線を積極的に浴びさせるよりも、むしろ「小さい頃から紫外線対策すべき」という方向に変わってきたのです。実際に、平成10年より「日光浴のすすめ」という記載が母子手帳からなくなりました。21世紀のパパ・ママには「子供の日焼け(紫外線)対策は当たり前」という意識が必要なのかもしれません。
実践! 乳幼児の4つの日焼け対策
①日焼け止めを塗る
「日焼け止めって小さい子供でも使えるの?」そんな疑問を持つママも多いことでしょう。確かに、乳幼児の繊細な肌には大人用のサンスクリーンは合いません。しかし「子供用」「ベビー用」と書かれた製品ならば、問題なく利用できます。ただし、日焼け止めの使用は6ヶ月以降が望ましいとされています。また、大人用の日焼け止めとの違いは「SPFやPAが弱く、低刺激である」という点です。SPFはUV-B(紫外線B波)に、PAはUV-A(紫外線A波)に対する防止効果を示す値です[*2]。普段使いなら「SPF15~20、PA++」で充分でしょう。海や山などでは「SPF20~40、PA++~+++」を目安にしてください。汗っかきの子供は日焼け止めが落ちてしまいやすいのでウォータープルーフ仕様であれば、なおいいでしょう。
日焼け止めの塗りっぱなしは子供の肌に悪影響です。太陽が沈んでからその日のうちに、お風呂でしっかり洗い流しましょう。
②日光が直接当たらない格好をさせる
日焼け対策では、子供に「日光が直接当たらない格好させること」も効果的です。普段から長袖・長ズボンを基本として、暑い日には麦わら帽子のようなつば広の帽子をかぶせるとよいでしょう。また、赤ちゃんの場合は通気性の良い“おくるみ”を使うことで、直射日光を避けることができます。UVカット仕様のおくるみも発売されていますので、ぜひチェックしてみましょう。
③日陰など、遊ぶ場所を選ぶ
直射日光の当たらない服装をしたり、日焼け止めをきちんと塗っても、太陽を遮るものが何もない場所では充分に紫外線を防ぐことが難しいと言えるでしょう。そこで、遊ぶ場所を選ぶことも紫外線対策には大切となります。建物の日陰部分はもちろん、公園なら直射日光の降り注ぐ原っぱよりも、木漏れ日が注ぐ雑木林や小路などが良いでしょう。紫外線は地面で反射しますので、反射率の高い白っぽいタイルのような場所も避けましょう。
④遊ぶ時間帯を工夫する
正午の前後2時間(午前10時~午後2時)くらいは紫外線量が最も強いと考えられています。できる限り、この時間帯を避けて外で遊ばせるようにすると良いでしょう。ちなみに、曇っていても紫外線の強い日がありますので、雲のある日でも晴れの日と同様に注意をしましょう。
子供の日焼け止め〜選び方&塗り方
子供の日焼け止めの選び方
「PA++、SPF15~20」で、なおかつ低刺激の日焼け止めを選びましょう。子供用(ベビー用)の製品は、おおよそこれぐらいの仕様になっていると考えられます。PAの「+」が増えたり、SPFの数字が大きくなると紫外線防止効果も高くなるのですが、同時に肌への負担も大きくなります。そのため、ただ単に強力な日焼け止めを選べばいいというわけではありません。
子供の日焼け止めを選ぶときはテクスチャー(つけ心地)にも注目しましょう。ベタつく日焼け止めを嫌う子供は多いので、そのような子にはできるだけベタつかない日焼け止めを選んであげると良いでしょう。洗い流す際には、専用のクレンジングを使わずに石けんやお湯で落とせるものがよいでしょう。
子供の日焼け止めの塗り方
デリケートな子供の肌には、強力な紫外線防止効果のある日焼け止めは不向き。最低限の紫外線防止効果の日焼け止めをこまめに塗り直すという方法がおすすめです。外遊びやスポーツしている子はもちろん、特に赤ちゃんは新陳代謝が活発で汗かきですから、2~3時間程度ごとに塗り直すと良いです。
日焼け止めを塗る際は、均等に広げて、まんべんなく塗るのが基本。まずは、頬、あご、おでこ、鼻など、パーツごとに日焼け止めをのせ、それから、全体に広げていきます。特に首と耳は塗り忘れやすいので気をつけましょう。
次に手足です。直射日光が当たる箇所は、すべてきちんと日焼け止めを塗っていきます。長袖を着せて安心をしてしまうママもいるのですが、手の甲にもきちんと塗ってあげましょう。
まとめ
子供たちは、外遊びで多くのことを学びます。楽しい外遊びでの時間を過ごしている子供には、紫外線が常に降り注いでいます。子供の頃に浴びた過剰な紫外線は、将来的に様々な影響を及ぼし、健康を害する要因となる可能性があります。しっかりと日焼け対策をしてあげてくださいね。
※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.08.20)