鴇色とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~
【鴇色(ときいろ)】とは、薄く淡く明るい赤色、紫みを帯びた明るい桃色のこと。日本の伝統色である【鴇色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。
【鴇色】とは?
色の名前 | 鴇 色 |
読み方 | ときいろ toki-iro |
英語 | pale pink, pale rose |
WEBカラーコード | #f4b3c2 |
CMYK | C=0/M=40/Y=10/K=0 |
RGB | R=244/G=179/B=194 |
【鴇色】の意味と由来は?
国の特別天然記念物に指定され、絶滅のおそれもある鳥、鴇(とき・朱鷺)。気高さを感じる白い羽毛が印象的な鳥ですが、空を飛ぶ時に使う風切羽は薄い赤色をしています。それに近い色を【鴇色】と呼ぶようになったというのが、色名の由来。朱鷺色(ときいろ)、桃花鳥色(ときいろ)、鴇羽色(ときはいろ)も同じ色です。
江戸時代から使われはじめた【鴇色】は、同時代の染色の指南書である『手鑑模様節用』という書物にも記録されています。当時から、女性が着る着物の色として、とても人気があったようですよ。
着物だけでなく、【鴇色】は、身近なのりもの「新幹線」の車両カラーにも使われています。上越新幹線のE7系車両には、鴇色(朱鷺色)のラインとシンボルマークがデザインされています。
【鴇色】に合う色は?
鴇 色 とき いろ |
胡粉色 ごふんいろ |
同系色の【桜色】と合わせると、ふんわりと可愛らしい雰囲気に、【藤色】との組み合わせは、上品で女性らしい印象です。緑系の【若葉色】と合わせると、「春」を表現する襲(かさね・着物の色の組み合わせのこと)の色目【桃】に似て、春らしくみずみしさが感じられる組み合わせになります。
A traditional Japanese color "鴇 toki" is...
A traditional Japanese color "鴇 Toki -means Japanese crested ibis.-" is one of a pink color.
Japanese crested ibis designated as a special natural treasure by the Japanese government and is threatened with extinction. It is a bird with impressive white feathers that give a sense of nobility, but its wind feathers, which it uses when flying, are a pink. A "鴇 Toki" color also sometimes called as "朱鷺 Toki", "桃花鳥 Toki ", or "鴇羽 Tokiha".
A "鴇 Toki" color was first used in the Edo period (1603-1868), and is also recorded in a book called "Tekagami Shoukou Setsuyo," which is a guide to dyeing. It seems to have been a very popular color for women's kimonos since that time.
In addition to kimonos, a "鴇 Toki" color is also used as the color of the Shinkansen, a familiar train in Japan. The E7 series trains of the Joetsu Shinkansen have "鴇 Toki" color lines and symbol marks designed on them.
まとめ
日本で古くから愛されてきた【鴇色】。残念ながら空を飛ぶ鴇を見かけることは、めったにないことになってしまいましたが、鴇の映像が流れたときは、ぜひ、その羽の内側の色に注目してみてくださいね。また、電車好きなお子さんであれば、上越新幹線の話題から、鴇色(朱鷺色)についてお話できるかもしれませんね。
(マイナビ子育て編集部)
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)