二十四節気とは? 日本に流れる24の季節の意味と2022年の日付を紹介♪
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、1年に24ある、季節の移り変わりのめやすとなる日のこと。太陽の動きをもとに、季節を正確に理解するための指標として、古来から大切にされてきました。その意味と由来、どう決まるのか、実際の季節とズレる理由の解説とともに、2022年の二十四節気の日付も紹介します。
二十四節気とは?
二十四節気(にじゅしせっき)とは、暦のうえでの季節の移り替わりを表す節目(ふしめ)の日のこと。1年のなかに、24の節目の日があります。
春分の日や秋分の日は国民の祝日にもなっていますが、実はそれ以前から、二十四節気のひとつとして、季節の移り替わりを知らせる節目の日のひとつでもあるんですよ。[*1]
二十四節気(Twenty-Four Solar Terms)は中国生まれ
二十四節気は、もともとは中国から日本に入ってきました。古代、殷(いん)の時代から暦(こよみ)として用いられていたといいます。日本には、6世紀ころに入ってきたようです。
古代中国では、月の満ち欠けをもとにした太陰暦(たいいんれき)を暦として使っていました。しかし、太陰暦の暦は実際の季節とのズレが大きくなりやすいという問題点があります。そこで、季節の移り変わりを正確に知るために、太陽の動きをもとにした二十四節気が生み出されたといわれています。
なお、中国の二十四節気は2016年にユネスコの無形文化遺産に登録[*2]されました。英語では二十四節気のことを、Twenty-Four Solar Termsといいます。
二十四節気は太陽の動きによって決まる
二十四節気は、太陽の動きによって決まってきます。それは、地球上に季節がある理由に関係しています。
地球上に季節があるのは、地球の自転軸が約23.4°傾いていて、傾いたまま太陽の周りを公転しているからです。太陽が近くなる季節は夏になり、太陽が遠くなる季節は冬になります。
したがって、太陽の動きをくわしく分析することで、季節の移り替わりを知ることができるのです。
二至(夏至・冬至)と二分(春分・秋分)
まず、一年で日の出から日の入りまでが一番長い日は夏至(げし)、一番短い日は冬至(とうじ)と決まります。
それぞれの中間、昼夜の時間が同じ日が一年に2回あります。それぞれ、春分(しゅんぶん)、秋分(しゅうぶん)と決まります。
夏至、冬至、春分、秋分の4つの日を二至二分といいます。一年は、二至二分で4等分されます。
四立(立春・立夏・立秋・立冬)
次に、それぞれの季節の始まりが決まります。
春の始まりである立春(りっしゅん)は冬至と春分の中間、立夏(りっか)は春分と夏至の中間、立秋(りっしゅう)は夏至と秋分の中間、立冬(りっとう)は秋分と冬至の中間です。
立春、立夏、立秋、立冬の4つの日を四立といいます。一年は、二至二分と四立で8等分されます。
二十四節気
二至二分と四立で八等分された期間をそれぞれ3等分して、一年を24等分したものが、二十四節気です。
ひとつの節気はおよそ15日ずつになります。
七十二候
二十四節気をさらに3等分した、七十二候というものもあります。
農業では、いつ種をまき、苗を植え、収穫するかといった農作業の日取りを決めるために、季節の移り変わりを正確に知る必要がありました。二十四節気や七十二候は、こうしたニーズから発達し、伝えられてきたと考えられまs。
二十四節気と実際の季節はズレてしまう?
季節を正確に知るためにある二十四節気。
しかし、たとえば、春の始めとされる立春は2月4日ころ。実際にはむしろ一番寒い季節ですよね。二十四節気でいう「春」と、実際の春の到来する時期は、ズレていることが多いのです。
こうした実際の季節感と二十四節気のズレは、どうして起こるのでしょうか。
中国と日本の季節のちがい
二十四節気が示す季節と、実際の季節の移り変わりのズレは、二十四節気が中国生まれであることから起こります。
二十四節気は、それが考えられた中国北方地方の気候と一致しているのです。古代中国の歴代王朝の都となった長春(今の西安)では、気温のピークや転換点が東京より約1ヶ月ほど早くきます。おおむね二十四節気が示す季節と一致しています。
「暦のうえでは」と表現する
日本から見ると少し季節を先取りしているように感じられる二十四節気。そこで、二十四節気の季節を日本では「暦のうえの季節」と表現することがあります。
たとえば、天気予報で
「明日は立春、暦のうえでは春が始まる日です」
などと言ったりしますね。少し早いものの、いち早く次の季節を感じ取ることのできるツールとして、いまも二十四節気が日本の暮らしに生きている例です。
春の二十四節気の意味と時期
それでは、具体的に二十四の季節を表す言葉を、ひとつひとつ見ていきましょう。
二十四節気が実際にどの日であるかは、年によって多少変わりますが、大体の日付も紹介します。
まずは春の節気から。
立春(りっしゅん):2月4日ころ
立春(りっしゅん)とは、二十四節気では春の始まりであり、1年の始まりとされる日。雑節にある「八十八夜」、「二百十日」などは、立春から数えた日にちを指します。寒さも峠を越え、春の気配が感じられるころ。
雨水(うすい):2月19日ころ
雨水(うすい)とは、陽気がよくなり、雪や氷が溶けて水になり、雪が雨に変わるころ。
啓蟄(けいちつ):3月6日ころ
啓蟄(けいちつ)とは、土の中で冬眠をしていた虫たちが、春のあたたかさによって目覚めて穴から出てくる日。
春分(しゅんぶん):3月21日ころ
春分(しゅんぶん)とは、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる日。
清明(せいめい):4月5日ころ
清明(せいめい)とは、草や木、水などが清く明らかで、東南風が心地よいころ。
穀雨(こくう):4月20日ころ
穀雨(こくう)とは、田畑の準備が整い、穀物の成長を助ける春の雨が降るころです。
夏の二十四節気の意味と時期
次に夏の二十四節気の意味と時期をみていきましょう。
立夏(りっか):5月5日ころ
立夏(りっか)とは、野山に夏の気配が立ち上がってきたころ。
小満(しょうまん):5月21日ころ
小満(しょうまん)とは、太陽の光を浴びて、草木などあらゆる生命が成長していく時期。
芒種(ぼうしゅ):6月6日ころ
芒種(ぼうしゅ)とは、稲や麦などの植物の種を蒔く時期。また、雨の日が増えていくころ。
夏至(げし):6月21日ころ
夏至(げし)とは、1年の内で、日の出から日の入りまでの時間がもっとも長い日。
小暑(しょうしょ):7月7日ころ
小暑(しょうしょ)とは、長かった梅雨が明け、暑さが本格的になってくるころ。
大暑(たいしょ):7月23日ころ
大暑(たいしょ)とは一年間で最も気温が高く、夏の暑さが盛りを迎えるころ。
秋の二十四節気の意味と時期
秋の二十四節気の意味と時期をみていきましょう。
立秋(りっしゅう):8月7日ころ
立秋(りっしゅう)とは、夏が全盛期を迎え、秋の気配が徐々に立ち始めるころのこと。
処暑(しょしょ):8月23日ころ
処暑(しょしょ)になると、朝夕は涼しい風が吹いて、秋の気配が感じられるころ。
白露(はくろ)9月8日ころ
白露(はくろ)とは、朝晩の空気が冷え込み、草花に朝露が降るころです。
秋分(しゅうぶん):9月23日ころ
秋分(しゅうぶん)とは、昼と夜の長さが同じになり、秋の訪れを迎えるころ。
寒露(かんろ):10月8日ころ
寒露(かんろ)とは、夜が長くなり、草花の露が冷たく感じられるころ。
霜降(そうこう):10月23日ころ
霜降(そうこう) とは、だんだんと冬が近づき、北国などでは霜が降りはじめるころ。
冬の二十四節気の意味と時期
冬の二十四節気の意味と時期をみていきましょう。
立冬(りっとう)11月7日ころ
立冬(りっとう)とは、木枯らしが吹いたり、葉っぱが落ちたりと、冬が始まるころ。
小雪(しょうせつ):11月22日ころ
小雪(しょうせつ) とは、雪が降り始めるころ。
大雪(たいせつ):12月7日ころ
大雪(たいせつ)とは、冬が本格的に訪れるころ。また、雪がたくさん降り始める時期。
冬至(とうじ):12月22日ころ
冬至(とうじ)とは は、1年の内で、日の出から日の入りまでの時間がもっとも短い日のこと。
小寒(しょうかん):1月6日ころ
小寒(しょうかん)とは、寒さがもっと厳しくなるころ。寒の入り(かんのいり)とも言。
大寒(だいかん):1月20日ころ
大寒(だいかん) とは、1年でもっとも寒さが厳しくなるころ。
2022年の二十四節気の日づけは?
二十四節気の日づけは、年によって数日ずれることがあります。2022年の立春から2023年の立春までの日づけは次のとおりです。
立春(りっしゅん):2022年2月4日(金)
雨水(うすい):2022年2月19日(土)
啓蟄(けいちつ):2022年3月5日(土)
春分(しゅんぶん):2022年3月21日(月)
清明(せいめい):2022年4月5日(火)
穀雨(こくう):2022年4月20日(水)
立夏(りっか):2022年5月5日(木)
小満(しょうまん):2022年5月21日(土)
芒種(ぼうしゅ):2022年6月6日(月)
夏至(げし):2022年6月21日(火)
小暑(しょうしょ):2022年7月7日(木)
大暑(たいしょ):2022年7月23日(土)
立秋(りっしゅう):2022年8月7日(日)
処暑(しょしょ):2022年8月23日(火)
白露(はくろ):2022年9月8日(木)
秋分(しゅうぶん):2022年9月23日(金)
寒露(かんろ):2022年10月8日(土)
霜降(そうこう):2022年10月23日(日)
立冬(りっとう):2022年11月7日(月)
小雪(しょうせつ):2022年11月22日(火)
大雪(たいせつ):2022年12月7日(水)
冬至(とうじ):2022年月22日(木)
小寒(しょうかん):2023年1月6日(金)
大寒(だいかん):2023年1月20日(木)
立春(りっしゅん):2023年2月4日(土)
まとめ
二十四節気の由来や意味、日づけを解説しました。古来から暮らしの指標として大切にされてきた暦のうえの季節を現代でも楽しめるのはすてきですね。
(執筆協力:エボル/構成:マイナビ子育て編集部)