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2023年04月03日 17:46 更新

紺色(こんいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【紺色(こんいろ)】とは、少し赤みを含んだ深い青色のことです。日本の伝統色である【紺色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【紺色】とは?

紺色の浴衣

紺色とは、藍染の一種で、濃く、少し赤みを含んだ深い青色です。

色の名前 紺  色
読み方 こんいろ kon-iro
英語 navy blue
WEBカラーコード #001a43
CMYK  C=28/M=33/Y=0/K=0 
RGB R=192/G=175/B=213
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【紺色】の意味と由来は?

【紺色】は、藍染め(あいぞめ)を何度も繰り返した、濃く、少し赤みを含んだ深い青色の色名です。古い時代には【深縹(こきはなだ)】と呼ばれ、平安時代の式目「延喜式(えんぎしき)=平安中期に編纂(へんさん)された律令の施行細則をまとめた法典)」にもその名称が見られます。【縹(はなだ)】とは、青色の一種の古い色名です。

【紺色】は、もともと中国古来の染色名でしたが、平安時代に色調とともに日本に伝来。その後、日本の古来からの色で同色だった【深縹】に【紺】という文字が充てられ、中世以降に色名として定着していきました。

【紫色】【紅色(くれないいろ・べにいろ)】などの濃い色は、高貴な色として、禁色(きんじき=庶民には使うことを禁止された色)でしたが、虫除けの効果があるとされていた藍染めの紺色は、一般の人たちの間でも広く使われていました。「紺絣(こんがすり)」や「紺足袋(こんたび)」「紺暖簾(こんのれん)」など、【紺色】を用いた暮らしの道具は多く、庶民の暮らしに最も身近な色のひとつでした。

ただ、【紺色】は藍染を繰り返し行う必要があったので、大変手間がかかる色でした。そのため、江戸期には呉汁(ごじる=大豆のしぼり汁)に墨を加えたもので布地を下染めしてから藍で染めるという手軽な染め方も開発されました。そこで、しっかり藍染を繰り返す手間をかけたものを「上等の紺」として特別視。「上紺(じょうこん)」や「正紺(しょうこん)」と呼び、手軽に染めた紺と区別するようになったのです。

【紺色】に合う色は?


紺 色
 こん いろ 


紅 碧
 べにみどり 

【紺色】に合う色のひとつに【紅碧(べにみどり)】があります。【紅碧】は、かすかに紅がかった淡い空色のことです。【紺色】とは同じ青系統の色で、より彩度の薄い色です。同系色同士でも、彩度の違いでしっかりとコントラストを出すことができます。落ち着いた中にも爽やかさを感じさせる配色でもあります。

暖色系との組み合わせなら、淡くややくすんだ【薄紅(うすくれない)】や淡い黄赤の【曙色(あけぼのいろ)】などが合います。薄く、少しくすんだ赤系統の色と合わせることで、華やかさとともに上品さも感じさせる配色になるのです。

A traditional Japanese color "紺 kon" is...

A traditional Japanese color "紺 Kon -means navy blue-" is the color name for the deep, dark blue that has been repeatedly dyed with indigo and has a slight reddish tinge. In ancient times, it was called "深縹 Koki-hanada -means deep blue-" and the name "深縹 Koki-hanada" also appears in the Heian-period (794-1185) "Engishiki," a code compiled in the mid-Heian period that outlines the detailed regulations for the enforcement of the Ritsuryo (law ordinance)..The word "縹 hanada" is an old name for the color blue.

The color "紺 Kon" was originally the name of an ancient Chinese dye, but was introduced to Japan in the Heian period (794-1185), along with its color tone. Later, the character "紺 Kon" was assigned to "深縹 Koki-hanada," which was the same color as the ancient Japanese color, and this color name became established after the Middle Ages.

Dark colors such as "紫 Murasaki -means purple- and "紅 Kurenai -means crimson-" had long been forbidden to the common people as noble colors, but indigo-dyed "紺 Kon", which was believed to be effective in repelling insects, became widely popular among the general public. The color "紺 Kon" was one of the most familiar colors to the common people, used for textiles, tabi (socks), noren (curtains), and many other daily utensils.

However, the color "紺 Kon" was a very labor-intensive color because it required repeated indigo dyeing. In the Edo period (1603-1867), therefore, an easy dyeing method was developed in which the fabric was pre-dyed with gojiru (squeezed juice of soybeans) and sumi ink, and then dyed with indigo. The fabrics that had gone through the trouble of repeated indigo dyeing were considered "superior navy blue" and were considered special. They are called "上紺 Jokon" or "正紺 Shokon" to distinguish them.

まとめ

【紺色】は、藍染を繰り返して作られる濃く深い青色のことです。古い時代から庶民に親しまれた紺色は、現在でも学校や企業などの制服の色としても広く使われています。

また、鎌倉時代には、濃い【紺】を【褐色(かちいろ)】と呼び、「褐色=勝ち色」として武士にとって縁起のいい色とされ、戦のときの道具は紺色が多く採用されていたそうですよ。

(マイナビ子育て編集部)
参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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