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2022年03月28日 20:00 更新

パイナップルを食べ過ぎると舌がピリピリする⁉ その原因と適量の目安を解説【管理栄養士監修】

スーパーやコンビニでも手軽に手に入れることができるパイナップル。ほどよい酸味とさっぱりとした甘みがあっておいしいですよね。デザートにはもちろん、酢豚などの料理にも活躍しますが、食べ過ぎによるリスクはあるのでしょうか。パイナップルを食べていて口の中の違和感や胃痛を感じたら、それはパイナップルの持つ成分の影響かもしません。

パイナップル食べ過ぎるとどうなる?

パイナップルをたくさん食べると体に何か影響はあるのでしょうか。

舌や口の中がピリピリする

パイナップルをたくさん食べたり未熟なパイナップルを食べると、舌や口の中がピリピリする場合があります。これはパイナップルに含まれる「ブロメライン」というたんぱく質分解酵素が原因です。ブロメラインの作用により、舌の表面にある粘膜のたんぱく質が傷つくために引きおこると考えられます。

胃痛を起こす

ブロメラインの作用により口の中のピリピリ感だけでなく、胃痛や下痢を起こす場合があります。食道や胃も口の中と同様に粘膜で覆われているので、ブロメラインでその粘膜が傷ついてしまうのです。

ただし、こうしたブロメラインによる症状は缶詰のパイナップルだと起きにくくなります。ブロメラインは熱に弱いという性質があり、缶詰が加熱処理される過程で成分が壊れるためです。

アレルギーの可能性も
ラテックスアレルギーを持っている場合はパイナップルのブロメラインにもアレルギー反応を起こす場合があり、注意が必要です(※)。
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(※)ラテックスアレルギーは天然ゴムによって引きおこるアレルギーですが、ラテックスアレルギー患者さんの中には、一部の果物や野菜を食べたときにラテックスアレルギーと同様の症状を起こすことがあります。これは「ラテックス‐フルーツ症候群」と呼ばれます。

糖質の摂り過ぎになる

缶詰 パイナップル

特に缶詰のパイナップルは糖質の摂り過ぎに注意が必要です。カロリーは100gあたり76kcalとそこまで高くないものの、糖質が20.3gと多く含まれています[*1]。

また、缶詰の製造過程で加熱によりビタミンCは1/5に減少するので[*1]、ビタミンを摂るために缶詰のパイナップルを食べるというのも、糖質の摂り過ぎのリスクを考えるとメリットが感じにくいかもしれません。

ブロメラインによる症状の心配が少なく甘みが強くておいしく食べられますが、食べる量は考えるようにしましょう。汁気を切ってプレーンヨーグルトに混ぜたりするのも1つですね。

パイナップルのメリット

パイナップルはカットフルーツでも多く出回り、手軽に食べれることができ、おいしく栄養が摂れる果物です。パイナップルの栄養にあるうれしいポイントをご紹介します。

豊富なビタミンをそのまま摂取

パイナップルには、プロビタミンAとして抗酸化作用を持つβカロテン、ブドウ糖をエネルギーに変換する作用を持つビタミンB1、疲労回復や鉄分の吸収を助けるビタミンCが豊富に含まれています[*1]。

ビタミンはなるべくしっかり摂りたいものですが、ビタミンB1とビタミンCは熱に弱いので、加熱すると減ってしまいます。生のままで食べられるパイナップルなら効率よく摂取することができます。

肉の下処理に活用できる

ブロメラインはたんぱく質分解酵素なので肉を柔らかくする効果があります。そのため、肉の下処理としてパイナップルと一緒に漬け込んでおくと硬い肉を軟らかくすることができます。また、肉の消化を助けてくれるので、酢豚のようにパイナップルを肉料理の具にする使い方もあります。加熱には弱いので、パイナップルの調理時間は短くするとよりよいでしょう。

パイナップルの適量はどのくらい?

ビタミンな豊富なパイナップルですが、お伝えしたとおり食べ過ぎには注意が必要です。どのくらいが適量なのか、お伝えします。

目安量|1日200g程度

より良い食生活を形成するためのガイドとされている「食事バランスガイド」では、果物は成人で1日200gが望ましいとされています[*2]。ほかの果物を食べないのだとしたら、1日200gくらいが適量でしょう。カットフルーツで売られている1パックくらいがほどよいかもしれませんね。

妊娠中の目安|1日100g程度

パイナップルについて、妊娠中だからといって特別に注意したいということはありません。食べ過ぎによるリスクに気を付けながら食べれば大丈夫です。目安量も特にありませんが、妊娠中の果物の摂取は妊娠初期で1日200g、妊娠中期・後期で1日300gがよいとされます[*3]。色々な果物から栄養を摂りたいので、パイナップルは1日100g程度と考えましょう。

なお、妊娠中のパイナップルについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▶妊婦にうれしい栄養豊富なパイナップル!

まとめ

カットパイン

パイナップルの食べ過ぎのリスクについてお伝えしました。カットフルーツのパイナップルなら1パック当たり100g~200g程度で売られているので、1回分の量としてはちょうどよいと思います。さっぱりとした甘みでおやつや食後のデザートにもぴったりなので、適量を上手に楽しみましょう。

(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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