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2022年05月23日 10:05 更新

いちごを食べ過ぎるとどうなる? 1日何個まで?適量といちごのメリットも解説【管理栄養士監修】

赤くてかわいい見た目と甘酸っぱさが美味しい、いちご。子どもにも大人にも人気がありますね。いちご狩りができる季節には一度にたくさんのいちごを食べることもあると思いますが、食べ過ぎの心配はないのでしょうか。適量の目安とともにお伝えします。

いちごにはどんな栄養がある?

おいしそうないちご

いちごは果物だと思っている方が多いのではないでしょうか。実は学問上の分類では樹木の実を果物、植物の実を野菜とするため、いちごは野菜となります。しかし実際には果物のように食べられていますよね。そのため、スイカなどと並んで「果実的野菜」と呼ばれることも。手軽に食べられるいちごには身体にうれしい栄養素が含まれています。まずはその特徴について見ていきましょう。

ビタミンCが豊富

ビタミンCは皮膚や粘膜の健康に関わる栄養素です。心臓や血管の病気を予防する効果も期待されており、12歳以上の男女は1日に100mgを摂取することが推奨されています[*1]。

いちごには100gあたり62mgのビタミンCが含まれています。これは、みかんの約2倍の量です[*2]。いちご100gというと、大きさにもよりますが6~7粒ほど。これだけで1日に必要なビタミンCの半分以上が摂れるのはうれしいですね。

カリウムが豊富

いちご

カリウムは体内のナトリウム(塩分)を排泄する働きがあり、塩分の摂り過ぎによる高血圧やむくみの予防に役立つため、色々な食品から摂取したい栄養素です。

いちごには100gあたり170mgのカリウムが含まれていて、その他のポピュラーな果物と比べると多いと言えます[*2]。

<主な果物のカリウムの量>
バナナ…360mg
いちご…170mg
みかん…150mg
梨…140mg
スイカ……120mg
りんご(皮なし)…120mg

(100gあたり)

葉酸が効率よく摂れる

いちごには葉酸も豊富に含まれます。そのため、特に妊婦さんや妊娠を希望する女性にもおすすめの果物です。

葉酸は胎児の健康のために、特に妊娠前から妊娠初期にかけて必要な栄養素だと言われています。不足すると胎児が神経管閉鎖障害という先天異常になるリスクが高まるためです。妊娠前や妊娠初期は葉酸をサプリメントなどで摂取することが推奨されますが、食事からもしっかり摂ることが大切です。

いちごには100gあたり90μgの葉酸が含まれています[*2]。ほうれん草などいちごより葉酸を多く含む野菜などもありますが、茹でるとその量は約7割も減ってしまいます[*2]。調理せずにそのまま食べることのできるいちごは、手軽に葉酸摂取ができる食品のひとつです。

なお、より詳しく知りたい方は下記の記事をチェックして見てください。

カロリーはどのくらい?

果物を食べ過ぎると太ると思っている方も多いと思いますが、果実的野菜であるいちごのカロリーはどれくらいなのでしょうか。いちご100gあたり31kcal、1粒(15g)だと4.7kcalになります[*2]。100gは6~7粒ほどなのでそこそこの満足感を得られる量だと思います。

チョコレートやビスケットは100gで500kcal以上ありますが、仮にいちごで同じカロリーを摂取しようとすると1.6~1.7kg(110粒前後)という量になります。これだけのいちごを1日に食べるというのはなかなか考えにくいものです。いちごはそれほど太りやすい食べ物ではないでしょう。

いちごを食べ過ぎたときのリスクとは?

箱一杯のいちご

いちごをたくさん食べてしまうとどうなるのでしょうか。含まれる栄養素の摂り過ぎで何か影響が生じるのか、お伝えします。

腹痛や下痢のリスク

いちごに限ったことではありませんが、一度にたくさんの量を食べ過ぎると消化不良を招くおそれがあります。特にいちごは約9割が水分でできている食べ物なので、大量に摂取すると水分の摂り過ぎにつながり、胃酸が薄まって消化不良を起こし、腹痛や下痢になるかもしれません。

ビタミンCや葉酸の摂り過ぎになる?

いちごを食べ過ぎてビタミンCの摂り過ぎになるという心配は不要です。健康な人がビタミンCを過剰に摂取しても消化管からの吸収率が低下して、尿に排泄されていき、体に蓄積されないためです[*1]。

葉酸に関しても、食品に含まれる葉酸で健康障害が起きたという報告はありません。いちごをたくさん食べたからといって摂り過ぎにつながる可能性は低いでしょう。ただし、葉酸が強化された食品やサプリメントを摂取している場合は耐容上限量(※)が成人で900μg(30〜64歳は1000μg)[*1]となっているので、サプリメントの摂り過ぎには注意しましょう。なお、妊娠初期に推奨されるサプリメントでの葉酸の摂取量は400μgです。

(※)耐容上限量とは、この量を超えて習慣的に摂取した場合には、健康に悪影響をもたらすリスクがゼロではなくなることを表します。耐容上限量を超えたらすぐに健康を害するということではありませんが、習慣的に摂取する食品では、耐容上限量を超えないように注意が必要です。

トイレが近くなる可能性

いちごをたくさん食べたときにトイレが近くなったという経験があるかもしれません。いちごは余分な塩分を排出する働きのあるカリウムが含まれるため、塩分の摂り過ぎが原因でむくんでいた場合、カリウムの作用で塩分と水分の排出が促されるので、尿意を感じやすくなるかもしれませんね。

あるいは、いちごは90%以上が水分であるため、たくさん食べることで水分も摂ることになり、体外に水分を出そうとする機能が働いて尿が出やすくなる、という場合も考えられるでしょう。

いちごの農薬は大丈夫?

イチゴ狩り

皮ごと食べるいちごは、農薬が気になる人もいるかもしれません。あるいは、「いちご狩りでいちごを洗わずにたくさん食べてしまったけど、大丈夫?」と心配になることもありますよね。

いちごは虫がつきやすく育てるのが難しいので、農薬を使って栽培されることが多いですが、日本においては農薬取締法[*3]というものがあり、安全基準の中で農産物は生産されています。

とはいえ、それでも心配になることもあるでしょう。いちごは基本的には洗わなくても大丈夫ですが、農薬や土汚れなどが心配であれば水で洗ってから食べる、毎日何キロというような単位でいちごだけを食べないようにする、などを考えてみてはいかがでしょうか。

なお、妊娠中の場合は農薬だけでなく食中毒のリスクをできるだけ抑えたいので、いちごに限らず生で食べる果物や野菜はしっかりと流水で洗ってください。

Lazy dummy

食品は安全の範囲内で作られていること、他にも人はいろいろなリスクがあって暮らしていることも忘れないようにしたいですね。

いちごはどれくらいの量が目安?

特にいちごの摂取量の目安は決まっていませんが、どれくらい食べても良いのか気になりますね。農林水産省の「食事バランスガイド」からいちごの摂取目安を考えてみましょう。

適量の目安| 1日12粒程度

「食事バランスガイド」によると、果物は1日200gくらいがいいとされているので[*4]、いちごだけで果物をとる場合は1日12粒程度がいいでしょう。食後のデザートや間食として1日に何度か食べるとしても、合計で12粒くらいと考えてください。

また、よりよいバランスとしては果物を2種類にし、半分ずつ摂るといいですね。たとえばバナナ1本といちご6粒なども良いバランスでしょう。

なお、子どもも大好きないちごですが、赤ちゃんに食べさせる場合について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてくださいね。

果物の食べ過ぎについてはこちらもチェック!

まとめ

いちご狩りでは、ついつい多く食べてしまういちご。特定の栄養素の摂り過ぎにつながるリスクは低く、何個以上場食べてはいけないという明確な基準はないのですが、いちごの食べ過ぎで食事バランスが悪くなったりすることがないようにしたいです。食事は何か1つの食品に偏ることのないよう様々な食品を組み合わせていきましょう。

(文:式地亜矢 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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