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2022年05月20日 11:00 更新

デーツの食べ過ぎのデメリット|1日の適量と上手な取り入れ方【管理栄養士監修】

近年、美容や健康に良いとして人気の出ているデーツ。ダイエット中の食べ物としても良いと言われたりしますが、体に良いというイメージだけで量を考えずに食べてしまうと、かえって体にデメリットとなる場合も。今回は、デーツの食べ過ぎのリスクと栄養の特徴についてお伝えします。

デーツはどんな食べ物?

最近、人気の高まっているデーツですが、昔から日本で馴染みがあるというわけではありませんよね。そもそもどんな食べ物なのでしょうか?

デーツはナツメヤシの実

デーツはヤシの仲間であるナツメヤシの果実で、ドライフルーツで食べるのが一般的です。食感は干し柿やドライプルーンに似て、ねっとりとしています。

なお、ナツメヤシという名前は「なつめ」に似ていることから付けられたようです。名前が似ていることから混同されやすいですが、実際には種類が異なるまったくの別の食べ物です。

強い甘みを持ち砂糖の代わりにもなる

デーツは強い甘みを持ち、糖質が豊富です。

糖質にもいくつか種類がありますが、デーツに含まれるのはブドウ糖と果糖という糖質。このうち果糖は砂糖の主成分であるショ糖よりも甘みが強いという特徴があります。

デーツの糖質の半分は果糖でできており、同じくドライフルーツのプルーンと比べても、2倍以上の果糖が含まれます[*1]。そのため、特に強い甘みを持つのですね。このことから、ローフードを中心とした食生活などでは砂糖の代わりとして使われます。

デーツの栄養と効果とは

デーツ

多くの栄養素を含むデーツは、さまざまな健康効果が期待できます。どのような機能があるのでしょうか。

不溶性食物繊維|便秘改善

デーツには食物繊維が含まれます。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますが、デーツ100gあたりで水溶性食物繊維1.5g、不溶性食物繊維5.5gを摂ることができます。特に不溶性食物繊維が豊富なのがわかりますが、これはごぼうの約1.6倍です[*1]。

不溶性食物繊維は水に溶けにくく、水分を吸収して便のカサを増やすため、腸を刺激して便通を促す作用があります。一方の水溶性食物繊維は水に溶けるとゼリー状となり、便を柔らかくする作用があります。そのため、便秘の予防や改善に効果的でしょう。

また、水溶性食物繊維には急激な血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールの吸収を抑える作用も期待できます。

カリウム|むくみ解消

ドライフルーツであるデーツは果物の栄養が凝縮されています。ミネラルの一種であるカリウムはバナナの1.5倍、みかんの3.6倍の量が含まれます[*1]。

カリウムは余分な塩分を体外に排出してくれるので、塩分の摂り過ぎによるむくみや高血圧を予防する働きが期待できます。また、カリウムは水に溶け出しやすいため調理によって減りやすい栄養素ですが、デーツはドライフルーツとしてそのまま食べられるので、効率的にカリウムを摂取できますよ。

β-カロテン|美肌づくりに

肌の状態をチェックする女性

β-カロテンはカロテノイドの一種で、抗酸化作用があることで知られます。また、体内でその一部がビタミンAに変わることもその特性の1つです。そのためビタミンAと同様の作用を持ち、皮膚や粘膜を健康に保つ効果が期待できます。肌荒れや乾燥が気になるときには摂っておきたい栄養素です。なお、β-カロテンは脂溶性なので、油と一緒に摂ると吸収が良くなります。

鉄分|貧血予防・改善

デーツは果物の中では鉄(鉄分)も比較的多く含まれています。血液をつくる成分である鉄は身体に欠かせません。不足すると貧血になったり疲労しやすくなったりするため、十分に摂りたい栄養素です。

鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄は主に動物性食品に含まれ、非ヘム鉄は果物などの植物性食品に主に含まれます。ヘム鉄の方が吸収率が良いですが、非ヘム鉄もビタミンCを一緒に摂ることで吸収率を上げることができます。

カルシウム|骨や歯のもとになる

果物にカルシウムのイメージはないかもしれませんが、ドライフルーツには比較的多く含まれており、その中でもデーツは豊富な部類といえます。

カルシウムは骨や歯をつくるだけでなく、血液を固める作用を促して出血を防いだり、筋肉の収縮をよくして心臓の鼓動を規則的に保ったり、神経の興奮を抑えるなどの作用があります[*2,3]。日本人はカルシウムの摂取量が不足しがちなため[*4]、しっかり摂っておきたいミネラルです。

なお、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも不足しないよう意識できるとなおよいでしょう。ビタミンDは日光に当たることで体内で生成されるほか、きのこ類や魚介類、卵などの食品から摂取しやすいですよ。

デーツの食べ過ぎでリスクはある?

デーツには多くの健康効果があることが分かりましたが、食べ過ぎてしまった場合にはどのようなリスクがあるのでしょうか。健康的なダイエットをするためには気になるところですね。

リスク① 太る

砂糖の代わりになるほど甘みの強いデーツは糖質が豊富です。そのため、カロリーの摂り過ぎにもつながりやすいでしょう。糖質を摂り過ぎるとエネルギーとして使われなかった分が中性脂肪として体内に蓄えられるため、太ってしまう可能性があります。

自然の甘みでビタミンやミネラルなどの栄養が豊富なので、お菓子やスイーツの代わりに良いですが、食べ過ぎるとやはり太る危険があることを知っておきましょう。

なお、デーツ100gあたりで281kcalですが、これはご飯に置き換えるとお茶碗1杯強(約180g)と同じです[*1]。

リスク② 便秘

デーツに豊富な不溶性食物繊維は適量であれば便通をよくしてくれますが、摂り過ぎると便が硬くなってしまい、かえって便秘につながってしまう場合があります。便秘を改善しようとたくさん食べていたら逆効果だったということは避けたいですよね。お通じの様子を見ながら食べるようにしましょう。

デーツはどのくらい食べて大丈夫?

デーツ

デーツは1日にどれくらい食べていいのでしょうか。適量を考えていきましょう。

1日の目安量|20gがおすすめ

デーツはカロリーや糖質が多いので、毎日習慣的に食べるのであれば、1日20g(大きいもので1粒程度)に留めておいた方がよいでしょう。この量で50~60kcalほどになります。

ドライフルーツは生の果物とは区別し、菓子やし好飲料などの間食の1つとして考え、デーツとその他の間食を合わせて1日200kcalに収まるようにできるとよいですね[*5,6]。

なお、妊娠中や授乳中も食べて大丈夫ですが、同様に過剰摂取には注意してください。

デーツのおすすめの食べ方|料理にもOK!

デーツはそのまま食べられるので、ちょっとつまみたいときの間食に便利ですが、料理でも砂糖の代わりとして活用できますよ。以下におすすめの取り入れ方をご紹介します。

■料理での取り入れ方
・刻んでサラダの具材に
・刻んでヨーグルトやクリームチーズに混ぜて甘みをプラス
・スムージーの材料として
・手作りドレッシング、たれ、ソースの甘みとして:油の入っているドレッシングに入れれば、脂溶性のβ-カロテンも効率よく摂取
■お菓子での取り入れ方
・アイス:デーツ+凍ったバナナ+牛乳(ヨーグルト)をミキサーなどで混ぜて
・ナッツボール:デーツ+ナッツをフードプロセッサーで砕いて食べやすい大きさに丸めると、キャラメルのようなおやつに

その他の果物の食べ過ぎはこちらをチェック!

デーツと相性のよいナッツの食べ過ぎはこちら

まとめ

食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富で甘みもしっかりとあるデーツは、ダイエット中の甘い物として良いといえます。しかし、カロリーや糖質が多いため食べ過ぎると太る危険もあります。かえってやせないということにもなりかねないので、食べ過ぎないようにしましょう。適量を取り入れれば、不足しがちな栄養素を補ってくれる食べ物なので、料理やおやつにうまく活用してみてくださいね。

(文:二橋佳子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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