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2022年06月08日 13:30 更新

すももを食べ過ぎると下痢になる?適量は?栄養の効果も解説【管理栄養士監修】

初夏から夏にかけて旬を迎えるすもも(プラム)やプルーン。その時期しか楽しめないからこそ、たくさん食べたくなりますよね。ビタミンなどが摂れる果物は健康によさそうですが、すももを食べ過ぎた場合に心配なことはあるのでしょうか? すももの栄養の特徴も一緒に見ていきましょう。

すももとプラム、プルーンの違いは?

すももはいろいろな種類があるのでわかりにくいですよね。すもも類は種類によってプラムとプルーンに分けられます。

プラム|にほんすもも

にほんすもも

プラムは「日本すもも」のことであり、単に「すもも」と呼ばれたり、「はたんきょう」とも呼ばれます[*1]。(本記事では以後、にほんすもも(プラム)を指して「すもも」と表記します。)

代表的な品種である「ソルダム」や「太陽」は、早ければ6月くらいから出回りはじめ、9月くらいまでが旬となります。近年、アメリカでもにほんすももが栽培されており、2021年に日本への輸入が解禁されたことはニュースにもなりました[*2]。

プルーン|西洋すもも

プルーン

プラムに似ているプルーンですが、こちらは「西洋すもも」に分類されます[*1]。外国産のイメージが強いですが日本でも栽培されており、すももと同じく夏ごろに旬を迎えます。なお、海外から輸入されるものの多くはドライフルーツやペーストなどの加工品です。

すももに含まれる栄養素の特徴

すももの栄養やエネルギー量(カロリー)について見ていきましょう。

カロリーは他の果物と変わらない

すもものカロリーは可食部(※)100gあたり46kcalです[*1]。みかんが49kcal、りんごが53kcalなので、だいたい同じくらいと言えますね。

なお、すもも1個(可食部65g程度)では30kcalほどになります[*1]。

(※)タネなどの食べられない部分を除いたもの。全体に対してタネは約7%[*1]

食物繊維量がりんごとほぼ同じ

すももには100gあたり水溶性食物繊維0.4g、不溶性食物繊維1.2gと[*1]、比較的食物繊維がバランスよく含まれています。食物繊維の摂れる果物としてりんごを思い浮かべる人も多いかと思いますが、すももの食物繊維量はりんごとほぼ同じです。

食物繊維は腸内環境を整えて便通をよくするだけでなく、生活習慣病の予防効果も期待できます。しかし、現代の日本人はまだまだ摂取量が足りないと言われるので[*3]、いろいろな野菜や果物からしっかり摂れるとよいでしょう。すももを取り入れて、食物繊維の摂取量を増やしていきたいですね。

鉄分が摂れる

プルーン

すもも、特にプルーンには鉄分(鉄)が多いイメージもあるかもしれませんね。実際のところ、すもももプルーンも、鉄は100gあたり0.2mgとそれほど多くはありません。ほうれん草の1/10ほどになります[*1]。

ただし、鉄は吸収率の低い栄養素なので1つの食材から多くを摂ることはできず、いろいろな食材を使って摂取量を増やしていく必要があります。すももの鉄の含有量は多くないものの、鉄を補う食材の1つとして考えるとよいでしょう。

カリウムが摂れる

カリウムは塩分の摂り過ぎによるむくみや高血圧を予防してくれる栄養素です。すももには100gあたり150mg、プルーンには200mgのカリウムが含まれています[*1]。他の果実と比べるとバナナは360mg、りんごには120mgほどなので、特に多いとも少ないとも言えませんが、カリウムの摂取源の1つとして役立ってくれそうですね。

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なお、腎臓病などで医師からカリウム制限の指導を受けている場合は、生野菜や果物には注意が必要です。すもももこの制限に含まれると考え、摂取量に注意してください。

すももを食べ過ぎるとどうなる?適量は?

スモモ カット

すももは食物繊維や、たくさんではありませんが、鉄も含まれていることがわかりましたね。では、食べ過ぎの注意点や1日の目安量について、考えてみましょう。

腹痛や下痢・便秘になる

どんな食べ物でも、一度にたくさん食べると消化不良による腹痛や下痢を引き起こすことがあります。また、すももは食物繊維を含むため、大量に摂取すると排便のリズムが崩れてしまったり、便秘や下痢になってしまうかもしれません。

ソルビトールの影響は低い

すももやプルーンには糖質の一種であるソルビトールが含まれると考えられます(※)。すもも以外では、もも、りんご、梨類にも含まれており、低カロリーの甘味料として使われることもある成分です。

ソルビトールにはお腹をゆるく作用がありますが、一度に大量に摂取しなければ問題はないと考えられています。どの程度で下痢を引き起こすかははっきりしておらず、体重1kgあたり1gのソルビトールを摂取しても影響はないという見解がある一方[*4]、20~30gを摂取すると下痢になるリスクがある、とする見解もあります[*5]。

20gをソルビトールの摂り過ぎの目安としてみて、それをプルーンで摂取すると考えると、プルーン2.8kgを食べなければなりません。プルーンに含まれるソルビトールで下痢になるということは考えにくいでしょう。

(※)すもものソルビトール量について具体的なデータはないが、プルーンは100gあたり0.7gを含むというオーストラリアのデータがある[*1]

すももの適量|1日2個くらい

食事バランスガイドでは果物を1日200g食べることを推奨しています。すももで200g摂ってもよいですが、できたら他の果物と組み合わせるのが望ましいでしょう。そうすると、100g~200gの間が目安になるのではないでしょうか。数で考えると、すももは1日2個くらいが適量といえそうですね。

まとめ

すももには日本すももと西洋すももがあり、味や色の違いがありますが、どちらも夏が旬です。鉄や食物繊維、カリウムなど体に必要な栄養素を摂ることができます。かといって過剰に摂取するような食べ方は避けましょう。いろいろな果物と一緒に適量のすももを取り入れれば、お腹の調子も壊さずに楽しむことができそうですね。

(文・監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

その他の果物の食べ過ぎはこちらをチェック!

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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