おしゃれで個性的! 半かぶせランドセルのおすすめと失敗しやすいデメリット
ランドセルのデザインやカラーは多様化が進み、おしゃれで個性的なものも増えてきました。半かぶせランドセルはその代表的な存在。「気にはなっているけど、周りに使っている子がいないから買うのは不安」という方も多いのでは? この記事では、半かぶせランドセルの特徴やメリット・デメリットを解説。おすすめラインナップも紹介します。
半かぶせランドセルとは? どれくらい人気なの?
「半かぶせって何?」という方もいるでしょう。まずは、半かぶせランドセルがどういうものか解説します。
半かぶせランドセルとは?
「かぶせ」とは、ランドセルを開閉するふたになっている部分のこと。いわばランドセルの「顔」です。
一般的なランドセルは、前面(背負ったときにうしろから見える正面)全体を覆い、底面(地面を向いてる面)にある錠前で固定します。これが、「全かぶせ」というタイプです。
「半かぶせ」は、かぶせが全かぶせより短く、前面の半分〜3分の2程度を覆うタイプ。底面ではなく、前面に錠前がついているのが特徴です。
ここ数年で人気が復活!?
これまで、ランドセルの主流といえば全かぶせランドセルでした。平成時代には、一時的に半かぶせランドセルが流行り、「このままこちらが主流になるのでは?」といわれていたこともあったそうです。しかし、現在でも小学生の大半が全かぶせランドセルを使っています。
ただ、ここ数年で半かぶせランドセルの人気復活の兆しが見えてきているのです。長年、全かぶせランドセルのみを取り扱っていた大手ランドセルメーカーのセイバンが、2022年8月、ついに半かぶせランドセルを発売。今後、ユーザーが増えていくことも予想されます。
半かぶせランドセルを使う子は何%くらい?
実際、半かぶせランドセルを使っている小学生はどのくらいいるのでしょうか?
一般社団法人 日本鞄協会ランドセル工業会の調査[*1]によれば、半かぶせランドセル(縦型)を購入した人の割合は2022年入学生で2.3%。横型の半かぶせランドセルを使っている人数はさらに少なく、この調査では数字が出ていません。仮に1学年100人としたら、2人くらいが縦型の半かぶせランドセルを使っているということになります。
なお、過去2年を見てみると、2020年入学生は1.8%、2021年入学生は2.2%でした。2020年から2022年にかけて、半かぶせランドセルを使う小学生の割合は微増傾向であると見受けられます。
フロントロック(前ロック)タイプのランドセルも人気!
全かぶせランドセルと半かぶせランドセルの「いいとこ取り」のようなランドセルも出てきています。「フロントロック(前ロック)タイプ」のランドセルです。
フロントロック(前ロック)タイプのランドセルのかぶせは、全体を覆う全かぶせスタイル。ですが、錠前(ロック)はランドセルの底辺ではなく、半かぶせランドセルと同じように前面についています。つまり、主流である全かぶせランドセルと半かぶせランドセルの特徴をあわせもったハイブリッド。
フロントロックタイプは、全かぶせか半かぶせ、どちらにしようか迷っている方におすすめのランドセルです。
半かぶせランドセルが人気な理由&メリット
では、半かぶせランドセルには、どんな魅力があるのでしょうか。人気の理由、使うメリットをご紹介します。
1.デザインがおしゃれでかわいい
まず、見た目が個性的でおしゃれであることが最大の魅力といえるでしょう。
実際に使っている小学生の親御さんの口コミにも、「なんといっても、一番の決め手はこのデザインです。シンプルで、でもどこかかわいらしくて、服装を選ばずずっと使えそう」などの声が上がっています。
周りとかぶりたくない、見た目にこだわりたい! というご家庭にぴったりです。
2.荷物を出し入れしやすい
荷物の出し入れのしやすさも大きな魅力のひとつです。
荷物を出し入れするとき、全かぶせランドセルの場合は錠前が底面についているので、いったんランドセルを机の上などに置いて横にしてからでないと開け閉めが難しいのです。いっぽう、半かぶせランドセルの場合は錠前が前面についているため、立てたままでも開け閉めできます。
また、背負った状態でも開けやすいので、背負ったあとで、ママやパパが中をチェックしたり、忘れ物を入れたりしてあげやすいのも助かる点です。
3.軽い
半かぶせランドセルは、同じ素材・サイズの全かぶせランドセルと比較すると、通常はかぶせ部分が小さい分だけ軽くなります。
たとえば、アクタスのスクールバッグは、全かぶせだと約1,170g、半かぶせだと約1,060gと100g以上の差。
小学生の荷物の重さが問題になっている今、少しでもランドセルを軽くしたい……と考えているご家庭は選択肢に入れてみるといいかもしれません。
参考記事>ランドセルの「重さ」が気になる! 小学生に適した重さは何グラム?
4.安い
軽さと同様に、半かぶせランドセルは全かぶせランドセルより値段が安くなっている場合があります。
先ほどご紹介したアクタスのスクールバッグの場合、全かぶせだと71,999円、半かぶせだと68,999円です。3,000円の差があります。
少しでも予算を抑えたい……というご家庭におすすめですが、ブランドや商品によっては値段に差のないものもあるので、ご注意ください。
参考記事>ランドセルの相場はどれくらい? 価格帯別おすすめ23選
5.個性的でランドセルを探しやすい
半かぶせランドセルの個性的なデザインは、たくさんランドセルが並ぶなかでも目立ちます。そのため、学校や児童館など、小学生が多く集まる場で無造作にランドセルを置いておいても、すぐに見つけられ、取り違えにくいのもメリットのひとつ。
ただし、これは全かぶせランドセルが主流である今の話。今後、半かぶせランドセルの所持率が上がってくると、状況が変わるかもしれません。
半かぶせランドセルで失敗!? デメリット
逆に、半かぶせランドセルを購入し、失敗だったと後悔することも、なくはないようです。よく言われるデメリットを挙げていきます。
1.防犯上の心配がある
半かぶせランドセルは開け閉めしやすく、荷物を出し入れしやすいのがメリットのひとつですが、それは同時にデメリットにもなりえます。盗みやいたずらを目的に近づいてきた他人からも、かんたんに開けられてしまう可能性があるからです。
とはいえ、実際に使用しているご家庭の口コミには、「娘の場合は、徒歩5分ほどの通学時間で、ランドセルの中に貴重品もないので特に気にしていません」「いたずらも聞いたことありませんよ」という声も上がっているので、心配しすぎないでもよいかもしれません。
2.交通安全用カバー・ランドセルカバーが合わない
地域や学校によっては、入学後、交通安全用に目立つ色をしたカバーを支給し、装着するよう指導するところもあります。そのカバーは、今のところ全かぶせを前提として作られているため、半かぶせには合いません。半かぶせランドセルユーザーは、カバーをカットしたり折ったりして工夫して装着しているようです。
また、ランドセルを傷や汚れから守るプロテクションカバーについても、一般的に市販されているものは全かぶせ用が多いです。ただし、半かぶせランドセルの多くには、商品ごとに専用のプロテクションカバーが付属品もしくは別売りで用意されているため、そちらを使えば大きな問題にはならないでしょう。(下の「Q.ランドセルカバーはどうやってつけるの?」も参照してください)
3.かぶせ部分で収納力を調整できない
小学生は荷物が多いので、なかにはランドセルの本体に入りきらなかった荷物を本体とかぶせ部分の間に挟んで使っている子どももいるようです。半かぶせランドセルの場合、本体とかぶせ部分の間のスペースが小さいため、荷物を挟むことはほぼできません。
ただし、そもそも、かぶせ部分は荷物を挟むためのものではありません。口コミなどを見る限り、全かぶせランドセル使用者でもやっている子とやっていない子に分かれているようです。本体に入りきらない荷物は、手提げに入れるなどして工夫すれば、大きな問題にはなりにくいでしょう。
4.横型は学校のロッカーに入れにくいことがある
半かぶせランドセルには、従来のランドセルと同じ縦型だけでなく、横型のタイプもあります。そちらの購入を検討している場合に注意すべきは、学校のロッカーへの出し入れがしにくいかもしれないこと。
学校のロッカーの多くは、縦型のランドセルを前提としたかたち・サイズのものが用意されています。そのため、横幅が大きい横型のランドセルは、横向きにしないと入らないかもしれません。また、ロッカーへの出し入れしにくい可能性も。事前に学校で確認しておくと安心です。
5.かぶせ部分の跳ね返りに注意が必要
ランドセルのかぶせには、先端に錠前をとめる金具がついています。ランドセルを勢いよく開閉すると、その金具が顔などに当たる可能性があり危険です。とくに、半かぶせランドセルは跳ね返りにより勢いがつきやすいといわれているので、注意しましょう。
最近の半かぶせランドセルでは、このデメリットが解決されているものも多いです。購入前に実物で開閉を試してみるといいでしょう。
かぶせの跳ね返り対策としては、ランドセルを寝かせた状態で開閉することがあります。ただし、それだと、「立てたまま開閉できる」という半かぶせランドセルならではの魅力が活かせないので、ちょっと残念ですね。
フロントロック(前ロック)ランドセルの特長
フロントロック(前ロック)ランドセルにはどんな魅力があるのでしょうか。特長をおさえ、全かぶせランドセルや半かぶせランドセルと比較してみましょう。
1.荷物を出し入れしやすい
フロントロック(前ロック)ランドセルは、半かぶせランドセルと同様に錠前が前面についています。そのため、立てた状態でも開閉できるところが魅力です。
荷物の出し入れのしやすさは、「全かぶせ<半かぶせ・フロントロック」と考えられます。
2.半かぶせのようなかぶせ部分の跳ね返りは起きにくい
フロントロック(前ロック)ランドセルと半かぶせランドセルは、錠前が前面についている点は共通していますが、かぶせの長さが異なります。フロントロックランドセルの方が、かぶせが長く、開閉の際の跳ね返りは弱め。
かぶせ部分の跳ね返りの注意度は、「全かぶせ<フロントロック<半かぶせ」と考えられます。
ただ、かぶせの先端に金具がついているのは、どのランドセルも共通事項。当たると痛いことに変わりはないので、ていねいに扱いましょう。
3.半かぶせよりも収納力の調整がきく
フロントロック(前ロック)ランドセルはかぶせが長いため、本体とかぶせの間に荷物を挟んで収納することができます。
かぶせ部分の収納力は、「半かぶせ<フロントロック<全かぶせ」。
本来の使い方ではありませんが、本体に荷物が入りきらないときは活用するのも手ですね。
4.半かぶせほど個性的すぎず、オーソドックスさもある
フロントロック(前ロック)ランドセルのメリットとしては、半かぶせと同様に個性的かつおしゃれでありながら、全かぶせと並べても悪目立ちしないオーソドックスさもある点も大きいですね。まさに「いいとこ取り」のデザインが魅力です。
フロントロックタイプ(前ロックタイプ)のランドセル派、ちょっと個性的なデザインが気になるけど、半かぶせランドセルを選ぶところまで踏みきれない、という場合にイチオシです。
おすすめの半かぶせランドセルを紹介
半かぶせランドセルには、どんな商品があるのでしょうか。おすすめをご紹介します。
「セイバン」史上初の半かぶせランドセル
これまで、全かぶせにこだわりを持ち続けてきた大手ランドセルメーカーのセイバン。資源を有効活用したエシカルランドセルに、史上初めて半かぶせを採用!
重量が軽く、お手頃なお値段も魅力です。
人気工房「池田屋」リッチな牛革プレミアム
強度に優れた牛革素材にこだわりのある池田屋。半かぶせランドセルにも、従来のランドセルと同じ牛革を採用。
品質にこだわりを持ち、高級感を求めるご家庭に人気のランドセルです。
「アクタス×コクヨ」のコラボスクールバッグ
家具・インテリアに強いアクタスと、文房具に強いコクヨのコラボスクールバッグ。シンプルかつこだわりあるデザインと、品質の良さを兼ね備えています。
安心して長く使える半かぶせランドセルをお探しの方に!
かわいいが詰まった「ララちゃん」の半かぶせ
かぶせにはリボンチャーム、開けたなかにはタータンチェックの内装。そのデザインを邪魔しない反射材など、細部までとことんおしゃれ!
かわいいものが大好きな子どもにぴったりです。
グッドデザイン賞受賞の「キッズアミ」新モデル
グッドデザイン賞を受賞したシリーズの新モデル。半かぶせタイプのなかでも縦型と横型の2種あり、好みに合わせて選べます。
横型ランドセルが気になる方、チェックしてみては?
人気インスタグラマーkinakoさん発の話題商品
インスタグラマーkinakoさんと、キッズ家具ショップ「こどもと暮らし」のコラボ半かぶせランドセル。両者のセンスが掛け合わさって生まれた、他にないデザインが素敵です。
高学年まで違和感なく使える、大人っぽいデザインが好きな子に。
「カザマ」のシンプル&カジュアルランドセル
職人品質をうたうカザマのシンプルでカジュアルな半かぶせランドセルは、ショコラ・キャメル・ベージュというジェンダーレスな3色。
大人でも使えるくらい、ベーシックなデザインが魅力です。
大人顔負けの華やかさ! 「リリコ」のリボンフリル
華やかな文具や雑貨が揃うリリコは、リュクスな半かぶせランドセルの種類が豊富! なかでも、このリボンフリルランドセルは大胆なフリルやゴールドチャームがゴージャスで目立ちます。
プリンセス大好きな女の子にとくにおすすめです。
美と伝統を重んじる「conosaki」の和テイスト
conosakiの「つむもの」は、「日本の美と伝統の色」「職人の技と繊密なこだわり」を紡ぎ合わせたランドセル。かぶせのかたちが個性的です。
ちょっと和風な雰囲気がお好きな方に!
高級感とカジュアル感が共存! 「ユー・アンド・アイ」の牛革
老舗ランドセルメーカーアオキのオリジナルブランド「ユー・アンド・アイ」の商品。高級感ある牛革に、カジュアルな生成りステッチがおしゃれです。
高級感×カジュアル感で、親子ともに納得できそうです。
タグ付き! 老舗百貨店「高島屋」オリジナル
2021年入学生向けからスタートした高島屋オリジナルモデル。子どもの名前が入れられるオリジナルネームタグがつけられるのが嬉しい特典!
現代的な印象のある半かぶせランドセルのなかでも、老舗百貨店の安定した信頼感が魅力です。
女の子向け「メゾピアノ」のハートモチーフ
女の子向けに特化したブランド「メゾピアノ」のランドセル。めずらしいハートデザインや小さなリボン、ラインストーン、チェック柄が女心をくすぐります。
かわいいデザインの多い半かぶせランドセルのなかでも、ラブリーさトップクラスです。
おすすめのフロントロック(前ロック)ランドセルを紹介
続いて、フロントロック(前ロック)ランドセルのおすすめもご紹介!
出し入れラクラク! 「コクヨ」の大容量
文房具を知り尽くすコクヨによる、荷物がラクに出し入れできて、たくさん入るフロントロックランドセル。
見た目は従来の全かぶせランドセルと大差ないので、周囲から浮く心配なし!
技術指導は土屋鞄! 「アタラ」のランドセル
人気工房「土屋鞄」の技術指導、第三者機関の強度試験でも証明された高品質なアタラの革製ランドセル。肌なじみのよいニュアンスカラーも特長です。
土屋鞄ファンで、かつフロントロックが気になる方は要チェック!
片手でサッと開閉! 「VONDS」のフロントロック
小さな子どもでも片手でかんたんに開閉できるロックと、そのまま片手で開けられるかぶせ。付属ポケットが充実していて、収納力も抜群です。
子どもの使いやすさを重視したいご家庭にいかがでしょうか。
半かぶせランドセルについてのQ&A
最後に、半かぶせランドセルに関してよくある疑問と、その回答をご紹介します。
Q.ランドセルカバーはどうやってつけるの?
圧倒的に全かぶせ対応のものが多いランドセルカバー。半かぶせランドセルユーザーは、下記のようなさまざまなアイデアで工夫しているようです。
・不要な部分を折り込む
・カバーを切って短くする
・半かぶせ専用のカバーを購入する
・半かぶせ専用のカバーをオーダーする
・半かぶせ専用のカバーを手作りする
ぜひ、ご家庭に合ったやり方を検討してみてください。
Q.半かぶせランドセルだといじめられる?
まだまだ少数派の半かぶせランドセルユーザー。だからといって、いじめられることはあるのでしょうか? 口コミから回答をまとめました。
「いじめ? 一切なかった。いじめは大人の思い込みから発生することもあるかも!」
「誰もランドセルのことなんか気にしないし、話題にもならない(笑)」
「ランドセルでイジメということはないと思います。学校生活が始まると、他に夢中になるものが見つかり、ランドセルの話はホントに最初だけでした」
このように、少数派ランドセルユーザーがいじめられる、ということを否定する声が多数です。
まとめ
ママやパパの子ども時代にはほとんど見ることのなかった半かぶせランドセル。今では、こんなにも豊富なラインナップがあるんです。ずっと全かぶせ一筋だった大手ランドセルメーカーも販売開始したとあって、今後の展開が楽しみですね!