子どもの事故対策の落とし穴に?知らなかった人が多い対策の上位7つとは
乳幼児の育児経験がある人のうち、約4割が転落・転倒の事故を経験しているといいます。大きな事故でなくても、軽いやけどや誤飲など、誰しもが子育て中にはっとした経験を持っているのではないでしょうか? そんな乳幼児の事故を防ぐための正しい対策を知っていますか? 知らないことが思わぬ落とし穴にならないよう、確認していきましょう。
子どもの事故対策、どこまで知っている?
子ども、特に乳幼児期に起きやすい事故というものは、大人がその危険を十分に想像しにくい面があります。事故を防ぐ対策をしっかりと把握しておきたいものです。しかし、必ずしも多くの親が知っているとは限らないことも。消費者庁が実施した調査結果で確認していきます。
転落事故の対策で知られていないのは?
乳幼児の育児中経験した事故のうち、最も多かったというのが転落事故です。ベビーベッドや親の抱っこ中など身近なことから、マンションのベランダや遊具での遊びなど、乳幼児には危険なものが身の回りに多くあります。
多くの人が知らなかった対策として、「乳幼児2人を自転車の前後の席に乗せるときは、『後ろの席から乗せる』、『前の席から降ろす』の順番を守る」、「窓が大きく開かないよう補助錠を付ける」などがありました。
誤飲・窒息事故の対策で知られていないのは?
乳幼児の誤飲や窒息は、転倒や転落などに比べて少なくなっていますが、気を付けたい事故の1つです。
その対策の中で、「ブドウ等の球形の食品は4等分する」、「硬めの敷布団を使う」については、半数以上の人が「知らなかった」と回答しています。
乳幼児の誤飲や窒息の予防策として、「とにかく手の届かない所に置く」というのが簡単で有効な対策だということはよく知られています。しかし、食べ物の大きさや布団の硬さなどの対策はあまり知られていないことがうかがえます。
おぼれ対策で知られていないのは?
夏の海やプールなどだけではなく、庭やベランダでの水遊びや毎日の入浴時などでも乳幼児の溺水事故は起こり得ます。
対策として、「プールやビニールプールでは目を離さない」、「入浴中、大人が洗髪する際は乳幼児を浴槽から出す」といったことを実践する人は多い一方「乳幼児が浴室に入らないよう外鍵やベビーゲートを設置する」、「入浴中、乳幼児から目や手を離す状況では浮き輪を使用しない」などの対策は、約半数の人が「知らなかった」という結果になりました。
浮き輪の仕様は一見、良いように思えますが、乳幼児が1人で使う場合には危険を伴う場合もあることは、あまり認知されていないようです。
そのほかの対策で認知度が低いもの
そのほかの事故対策の認知度も見てみましょう。
知っている人が少なかったものとして、「キッチンにはベビーゲートを設置する」、「ドラム式洗濯機は必ずふたを閉め、チャイルドロック機能を使う」などがありました。
一方で、「ハサミ等の刃物を使用したらすぐに片付ける」や「歯ブラシやフォーク等を口に入れたまま歩き回らせない」などは比較的認知度が高く、実践している割合も高くなっています。
特に認知度が低かった事故対策7つ
事故対策には、認知度の低いものも見られることがわかりました。その中でも特に認知度が低かったものを、ランキングで確認しておきましょう。
トップは「乳幼児2人を自転車の前後の席に乗せるときは、『後ろの席から乗せる』、『前の席から降ろす』の順番を守る」、次いで、「ブドウ等の球形の食品は4等分する」となりました。いずれも55%以上の人が知らなかったという対策です。
その他についても、認知度が50%前後にとどまっています。知らなかったという人は、ぜひ覚えておきたいものです。
「知らなかった」で後悔しないために
乳幼児の育児中の事故対策の中で認知度が低かった項目は、日常生活の中でもつい見逃してしまいがちな対策が多く、こうした対策の必要性を知らなかったことで重大な事故につながってしまう可能性もあるものです。
対策によって必ず事故が防げるということではありませんが、もし事故が起こったときに、「対策を知っていれば」と後悔することがないよう、知識として持っておきたいですね。
調査概要
■令和4年度第1回消費生活意識調査(消費者庁)
調査地域:全国
調査対象:15歳以上の男女
調査時期:令和4年6月から7月まで
有効回答数:5,000サンプル
(マイナビ子育て編集部)
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