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2023年03月25日 12:13 更新

入院時の自己負担額は平均20万円、逸失収入は平均30万円、どうやって補填した人が多い?

ケガや病気などで入院が必要になった場合、体が心配なのはもちろん、もう1つ、お金のことも不安ですよね。家計の収入を支える立場であるならなおさらでしょう。健康保険制度があるとはいえ自己負担は生じます。実際に入院経験のある人は、どのくらいの入院日数で、どのくらいの費用がかかったのでしょうか? 

入院した場合、家計への影響はどのくらい?

生命保険文化センターが実施した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」の中で、入院経験のある人を対象にしたアンケートの結果を見ることができます。

入院日数の平均は17.7日

過去5年間(※)でケガや病気で入院したことがある人は、16.7%でした。直近の入院日数としては「5~7日」が最も多く27.5%、「8~14日」は24.1%、「5日未満」は19.8%、「15~30日」は17.8%となっています。1週間以内の入院という人が多い半面、長い入院生活を体験している人も多くいることがわかります。平均日数としては、17.7日となりました。

※アンケート実施は2022年

生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査調査」より

6割が高額療養費制度を利用

では、入院経験のある人の中で高額療養費制度を利用した人はどのくらいでしょうか。「利用した」が60.9%、「利用しなかった」が32.2%でした。また、「高額療養費制度を利用した」人のうち、「現物給付を利用した」が46.8%、「現金給付を利用した」が14.1%とという結果でした。

高額療養費制度」とは、同一月内で高額な医療費の自己負担が必要になった場合に、限度額を超えた分について払い戻しを受けることが可能な制度です。

また、「現物給付」とは医療機関での窓口負担額が自己負担割合ではなく、事前に「限度額適用認定証」を申請することで、高額療養費の自己負担限度額までとなる制度を指します。半数近くがこの「現物給付」を利用していることがわかりました。

生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査調査」より

自己負担額は平均で19.8万円

入院時の自己負担費用で最も多くなったのは「10~20万円未満」で、33.7%でした。「5~10万円未満」が26.5%、「20~30万円未満」が11.5%、「30~50万円未満」が10.1%と続いています。平均額は19.8万円ですが、1回の入院で20万円ほどかかってしまうのは、大きな支出にちがいありません。

生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査調査」より

入院により失った収入は平均30万円

入院すると、費用がかかるだけでなく収入が減るという問題もありますよね。実際に、逸失収入があった人は17.4%でした。また、その人たちを対象に具体的な逸失収入額を聞いたところ、平均額は30.2万円でした。最も多かったのが「5~10万円未満」で25.5%、次いで「10~20万年未満」が24.8%、「5万円未満」が14.2%となっています。

ケガや病気の重症度によっては入院日数が長くなる可能性も高く、それに伴って、失う収入が多くなってしまうこともあるでしょう。

生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査調査」より

自己負担額と逸失収入の補填法は生命保険が半数以上

では、そうした入院時の自己負担額や逸失収入額をどのように補填しているのでしょうか? 「生命保険」で充当したという人が最も多く63.6%に上りました。次いで「預貯金」44.4%、「家族の収入」13.5%という順になっています。

半数以上がやはり生命保険でまかなっているようです。また、過去の調査結果と比較すると、「生命保険」を充当手段とする人が増加する一方で、「預貯金」は減少傾向になっていることも特徴的でした。

生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査調査」より

まとめ

日本には国民皆保険制度がありますが、ケガや病気で一定期間の入院が必要になると、自己負担や逸失収入が家計に大きく影響することが考えられます。実際にどのくらいの負担になるのか、入院経験のある人に行ったアンケート結果をご紹介しました。今後の備えを考えるうえで、参考にしてみてくださいね。

(マイナビ子育て編集部)

※画像はイメージです

調査概要

■2022(令和4)年度 生活保障に関する調査調査/(公財)生命保険文化センター
調査対象:全国18歳~79歳の男女(有効回収数4,844人)
調査時期:令和4年4月6日から6月10日
調査方法:面接聴取法

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