子育て世代の8割以上が「地域格差」があると回答、自治体に望むのは「教育・保育の無償化」
本年4月に「こども家庭庁」が発足し、公的な支援に対しての期待も寄せられています。本記事では、地域経済関連の事業を展開するトラストバンクが実施した「子育て世代への政策と税金に関する意識調査」をもとに、現在、子育て真っ最中の人々が居住地域での子育て環境や支援などについてどのように感じているのかを見て行きたいと思います。
全国の子育て世代に日本の子育て環境について調査
国内最大級のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を企画・運営するトラストバンク株式会社の「トラストバンク地域創生ラボ」では、地域の新たな可能性や持続可能な社会づくりを目的に、定期的に調査を行っています。この記事では、全国の小学生以下の子どもを持つ40代以下の1,077人を対象に行われた「子育て世代への政策と税金に関する意識調査」の内容をご紹介します。その結果を見ると、多くの人が行政の子育て政策には地域間格差があると感じていることがわかりました。
半数以上が「日本は子育てに優しくない」と回答
まず、「日本社会は子どもに優しいと思いますか?」という設問の回答を見てみましょう。
「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答した人は39.4%と約4割にとどまり、残念ながら「あまりそう思わない」「ほとんどそう思わない」と回答した人の方が多く、55.5%と半数を超える人がこちらを選んでいます。子育て世代には、現在の日本が厳しいと感じている人が多数いるということでしょう。
子育てに必要なのは、まず「お金」
次に、子育てするうえで必要なものは何か、優先順位の高いものを聞いた結果は、「収入」(68.6%)が7割を占めました。その後、「適切な労働時間や就労環境」(45.5%)、「行政・教育のサポート」(43.1%)と続いています。
子育てには経済的な負担が大きいと感じている人が多いことがわかります。また、仕事をしながら子育てをするためには、職場の整備が強く求められていることもうかがえる結果でした。
子育てに地域格差があると思う人は8割以上
子育てを考えるうえでは、どのような地域・環境で暮らすかも重要な観点でしょう。
「あなたが住む地域の子育て環境は十分整備されていると思いますか?」という問いには、「とてもそう思う」「まあそう思う」と「整備されている」と回答した人は、56.4%で、「あまりそう思わない」「ほとんど思わない」と回答した人よりは多数となっています。この回答を見ると、6割近い人は現在住んでいる地域での子育て支援や環境にある程度は満足しているのでは、と想像できます。
しかし、その一方で「子育て環境に関して地域間の格差があると思いますか?」と問いに対しては、「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答した人が84%に上っています。多くの人が子育て環境やその支援について地域格差があると感じていることもわかりました。
自治体に望むことは「教育・保育の無償化」
子育て環境に「地域格差」を感じている人が大半であるなか、子育て世代が地域の自治体に求める支援は何かも見てみましょう。
「居住地域の自治体で、どういう子育て支援がさらに充実すると嬉しいですか?」という設問で最も多かった回答は「教育・保育の無償化」の59.7%でした。やはり教育や保育にはお金がかかり、家庭内の収入の多くをここに費やしている人が多いということでしょう。また、「独自の給付金」(46.6%)、「医療・病児に関する支援」(26.7%)とやはり経済的支援に関する項目が上位になっています。
まとめ
今回の調査結果から見えてくることは、子育て世代にとってやはり経済的負担がかなり大きくなっているということでしょう。子育てに必要なお金に余裕を感じられない親が多いことが想像されます。今回の調査対象は小学生以下の子どもをもつ親でしたが、子どもが大きくなるにつれて、教育費や生活費など、必要なお金は増していくものです。収入への不安があるなか、自治体に経済的支援の充実が望まれています。
(マイナビ子育て編集部)
※画像はイメージです
調査概要
■子育て世代への政策と税金に関する意識調査((ラストバンク地域創生ラボ調査)
調査地域:全国
調査対象:国の20歳~49歳のうち、小学生以下の子どもを持つ親1,077名
※ 2023年2月7日~2月9日、全国に住む20~40代の10,471名にスクリーニング調査を実施
調査期間:2023年2月9日~2月10日