小中学生の「ネッ友」事情、相手に教えている自分の情報は「性別」「年齢」「誕生日」
生まれたときからインターネットやSNSが当たり前にある現代の子どもたち。そんな彼らはネット上だけの友人、いわゆる「ネッ友」とどのような付き合い方としているのでしょうか? ニフティキッズが実施した「みんなのホンネ 調査レポート ネッ友について」を参照して、その実態を見ていきます。
ネット上だけの交流で関係を築いている「ネッ友」を持つ子どもは今や珍しくないでしょう。しかし、ネット上にも子どもを狙った犯罪の危険があり、親としては心配もつきものです。今回ご紹介するニフティキッズの調査結果から、子どもたちがどうネッ友と付き合っているのかの一端を知ることができます。ネッ友に実際の年齢や性別を伝えていないケースもあるようです。
小学生は5割以上、中学生は6割以上が「ネッ友がいる」
「ネッ友がいますか?」という設問に対して「いる」と回答した中学生は66%、小学生55%となりました。スマホ・SNSが普及する現在、子どもたちにとってインターネットを通じたコミュニケーションが非常に身近になっているのでしょう。
ネッ友の人数は「10人より多い」が4割
ネッ友がいると回答した人を対象にその人数を聞いてみると、「それ以上」、つまり10人よりもネッ友の数が多いという人が40%と最も多くなりました。1~2人が21%、3~4人が18%と続きます。5人未満が39%なので、多いか少ないかで両極化の傾向があるようです。
子どもたちのネッ友の数が多いことに驚きを感じる人もいるかもしれません。各種のSNSやオンラインゲームなどを通して知り合う機会がたくさんあることが想像されます。
ネッ友の何を知っている?最多は「性別」
ネッ友がいると回答した人を対象に、相手のことで知っている情報を聞いた結果、最も多かったのは「性別」(92%)でした。次に多かったのは「年齢」(83%)、その次が「誕生日」(63%)となっています。
一方で「顔」を知っている人は24%であることから、相手の顔を知らない場合が少なくないこともわかります。性別や年齢を「知っている」といっても、相手がそう言っているだけという場合には必ずしも正しいとは限らないことにも注意が必要でしょう。
なお、なかには「何も知らない」と回答した人もいました。
相手に伝えている情報のトップはやはり「性別」
反対にネッ友に教えている自分の情報は何かを聞いたところ、同様に「性別」が最も多く87%、次いで「年齢」77%、「誕生日」67%という結果でした。お互いに同じ情報を教え合っているのかもしれません。
また、その他の回答の中には「Instagram」や「趣味」「推し」などの回答も見られ、好きなことや推し活などによってつながっているネッ友もいることがうかがえます。
違う情報を伝えた経験は3割以上
ネッ友について知っている情報、ネッ友に教えている情報の上位は性別や年齢でしたが、それはネット上では簡単に偽ることができるものでもあります。
今回の調査でも、「ネッ友に対して、実際の自分とは違う年齢や性別などを伝えたことがありますか?」という設問に対して、ネッ友がいる小中学生の32%の人が「ある」と答えました。同様に相手も情報を偽っている可能性があると考えておいた方がよさそうです。
では、具体的にどんなことで違う情報を教えたのでしょうか?
違う情報を伝えたものは「年齢」が約7割とダントツ
「実際の自分とは違う情報を伝えたことがある」と回答した人を対象に、その具体的な内容を聞いたところ、「年齢」と回答した人が圧倒的に多く全体の71%でした。そのほかとしては、「下の名前」と「性別」が同率で32%、「住んでいる地域」が29%などとなっています。
なお、小学生と中学生で比べてみると、小学生は「年齢」76%、「性別」29%、「下の名前」24%となっており、中学生では「年齢」69%、「下の名前」37%、「住んでいる地域」と「性別」34%という順でした。小学生に比べて、中学生の方が実際とは違う情報を伝える傾向が高いようです。
違う情報を伝えた理由は?
では、実際とは異なる年齢や性別を伝えたのはなぜなのでしょうか?
「実際の自分とは違う情報を伝えたことがある」と回答した人を対象に、「どうして違う情報を伝えたのですか」と聞いたところ、次のような回答が見られました。
●「〇歳だよね?」と聞かれて、怖くて「うん」としか言えなかった
●もしかしたら相手が悪い人で、個人情報を悪用されたら困るから
●住所とかバレたら怖いから
●ネッ友の年れいに合わせたり、理想のキャラを作ったりしたかったから
個人情報の悪用から身を守るために違う情報を伝えたという人が多いようです。また、相手の趣味や推しに合わせたり理想のキャラを作ったりして、本当の自分とは別の人になりきってやり取りを楽しんでいるという人もいました。
まとめ
今回の調査結果から、子どもたちはインターネット上だけで交流をする「ネッ友」が複数いる人が多く、オンラインゲームを一緒にやったり、SNSなどを通じて同じ趣味を持つもの同士で盛り上がったりしている様子が感じられました。おそらく学校などとは違った友人関係を築いたり、顔を合わせないからこそ本音を言い合えたりできるのでしょう。その一方で、性別や年齢といった相手の個人情報が正しいとは限らず、親しい間柄だからと信用し切っていると、思わぬトラブルに見舞われることも考えられます。家庭内でルールをつくったり、親子でネットリテラシーを学んだりしたうえで、子どもがネット上での交流を楽しめるようにしたいですね。
(マイナビ子育て編集部)
※画像はイメージです
調査概要
■みんなのホンネ 調査レポート「ネッ友について」/ニフティキッズ
調査対象:ニフティキッズ利用の小学生~高校生
調査時期:2023年6月20日~7月17日
有効回答数:1,811名(うち女性:80% 男性:7% 選択なし:13%)