親の介護費用の準備をできていない人が5割以上に上る――資金に対する考えは?
親の将来の介護費用の準備をどうしていますか? 朝日生命保険相互会社が行ったアンケート調査によると、5割以上の人がまだ準備をできていないといいます。しかし、いざという時に資金が足りないなどと慌てることになるのは避けたいものです。まだ準備していないという方は、ぜひご紹介する調査結果をきっかけにしていただければと思います。
2025年には65歳以上の約5人に1人が認知症になるとの推計があります[*1]。親が認知症になったり、あるいはその他の要因で介護が必要になった場合について考え、準備できてますか? 将来の介護に備えるにはやはり費用面の確認が欠かせないでしょう。
しかし子どもが小さな子育て世代にとっては、まだ親も元気な年齢だという場合が多く、なかなか将来の介護のことまでは考えにくいかもしれません。そこで今回は25~59歳に行われた「親の介護・認知症に関する意識調査」(朝日生命保険相互会社)から、介護費用の準備にかかわる部分をご紹介します。
親の介護費用について「まだ話し合えていない」46.7%
Q.将来の介護生活や介護費用の準備状況などについて、親や親族と話し合ったことはありますか。
まず、親の介護やその費用について、親や親族と話し合いをしているかと聞いた結果を見てみると、「いずれ話し合わなくてはいけないと思っているが、まだ話し合ったことはない」が最も多く46.7%を占めました。次に多いのが「話し合ったことはあるがまだ不十分」で23.2%となっています。これらを合わせると約7割に上ることから、多くの人は思うように家族で話し合いができてないことがわかりました。
また、「話し合うつもりはない」という人も7.1%存在しました。
親が認知症になった場合の介護費用を「準備できていない」52.8%
Q.今後もし親御様が認知症になった場合、介護費用に対する備えの状況・お考えについて最も近いものをお選びください。
親が認知症になった場合の介護費用の備えについて、最も多かったのは「将来の介護費用には備える必要があると思うが、まだ準備できていない」であり、52.8%と過半数を占めました。また、「わからない」が24.9%と約4人に1人となっています。
一方、「将来の介護費用には備える必要があると思っており、実際に準備している」は13.6%でした。
親の介護費用は「親の資金で賄う」37.7%
Q.今後もし親御様が認知症になった場合、介護費用に対するお考えについて最も近いものをお選びください。
最後に、認知症になった親の介護費用の資金をどこから賄うのかという点について、回答結果を見てみましょう。
最多の37.7%を占めたのは「親の資金で賄う」でした。「自分の資金で賄う」という人は11.6%、「自分と他の親族の資金で賄う」という人は18.2%であり、親の介護費用は親の資金で賄いたいと考える人が多いようです。
なお、「考えたことはない・わからない」と答えている人も29.1%に上りました。
まとめ
親が認知症になったり、あるいはその他の病気などで介護が必要になった場合、その費用をどうするのか、十分に準備できている人はあまり多くないことがわかりました。介護費用の資金を親に出してもらうのか、自分たちや親族で賄うのかでも必要な準備は変わってきます。親が元気だと話題にしにくいですが、大切なことなのでまだ何も考えていないという人は一度、親や親族と相談してみてはいかがでしょうか。
(マイナビ子育て編集部)
<調査概要>
親の介護・認知症に関する意識調査 / 朝日生命保険相互会社
■調査期間:2022年9月30日(金)~10月5日(水)
■調査方法:インターネット調査
■調査エリア:全国
■対象者:25~59歳の男女2,319名(男性1,160名・女性1,159名)