多忙なワーママが早起きの習慣を身につけるコツは? 池田千恵さんインタビュー<前編>
働きながら子育てをしていると、仕事・家庭の両立が精一杯で「自分の時間なんてない!」というママが多いのでは? 今回はその時間を作り出すヒントとして、早起きトレーナーの池田千恵さんにお話を聞きました。池田さんはその肩書きの示す通り、朝活のスペシャリスト! 小学2年生の息子さんを育てるワーママでもあります。
早起きすれば、余裕ができて、子どもにももっと優しくできる!
――池田さん。単刀直入に聞きますが、自分の時間が欲しいと思ったら、やっぱり早起きですか? 何かしたいときって、つい夜ふかしするほうを選んでしまうんですが……。
池田千恵さん(以下、池田) そうですね。やっぱり夜より朝です! 朝がなぜおすすめか、ポイントが3つあります。
――教えてください!
池田 まず1つ目に「余裕が生まれること」。2つ目が「段取り力が身につくこと」。そして、 3つ目に「前向きになれること」ですね。
最初の「余裕が生まれる」というポイントですが、そもそも夜って家族とのやりとりだったり、外部からの連絡だったりでしたいことが中断されがちで、自分の時間を作り出すハードルが高いんです。
例えば、子どもの寝かしつけが終わったらあれもしたいしこれもしたい。だけど結局、子どもがなかなか寝てくれないからイライラすること、ありませんか?
――あります! あります!
池田 ですよね。それが朝だとどうでしょう。自分さえ早く起きれば、自由な時間が簡単に手に入りますし、家族が寝ている間は誰からの中断も入りません。時間があるからゆとりを持って行動することができ、普段ならのんびりした子供についつい「早くして!」と急かしちゃうことが減り、周囲にも優しくできますよ。
――「段取り力が身につく」というのは、どのような理由からですか?
池田 夜に比べて朝のほうが小さな締め切りが多いからです。起きてから出発するまでとか、仕事や家事を開始するまでとか、朝には細かな期限があるので、 それに間に合わせるために、逆算して何かをするという力が身につきます。
――最後は「前向きになれる」ですね。
池田 これは私自身が一番大事にしていることです。常日頃「夜のくよくよ」よりも「朝のくよくよ」がおすすめとお伝えしているんですが、夜ってその日の失敗とか、反省とかを考えちゃって、とことん深みにはまっていきませんか? そんなときは、もう寝てしまったほうがいい。すると不思議と朝はくよくよできないんですよ。過去のどうしようもないことを振り返ってもしょうがないから、次はどうしたらいいかなと、物事を建設的に考えられるようになるんです。
――確かに。夜って永遠と悩みを考え続けられる気がしますが、朝だとそんなこと考えている時間がもったいないですもんね……!
朝活のパターンを松・竹・梅の3つ用意しよう
――朝活に憧れがある! だけど、やっぱり早起きが苦手なんだって人も多いと思うんです。早起きを始めるときに気をつけたいポイントはありますか?
池田 最初から頑張りすぎないほうがいいですね。なぜかというと、早起きってできたらすごく嬉しいんですけど、できなかった時に自分ってなんて自己管理能力ができていないダメ人間なんだ……! と落ち込んでしまうケースがとても多いんですよ。朝一番の気持ちを最高のものにするのが朝活の目的なのに、嫌な気持ちで一日が始まってしまう。
――身に覚えがありすぎます!(涙)
池田 始業前に自分の時間を作ることが大事なので、起床時間にはとらわれないでください。絶対朝5時に起きる! とかすると、挫けてしまいますよ。私がおすすめしているのが、朝活を『松・竹・梅』の三通りのパターンに分けて用意しておくこと。
スケジュールにするでもタスクを並べるでも方法はなんでもいいのですが、とにかくいちばん理想通りの過ごし方が松で、ちょっと頑張ったらできるのが竹で、最低限できるのが梅。例えば「朝10分早く起きて窓を開けて空気を入れ替える」を梅にして、それができたらマルにしちゃいます。それくらいゆるくてOKです。
自分が心から楽しいと思えることに朝の時間を費やそう
――ほかに早起きのモチベーションを継続していく方法はありますか?
池田 慣れないうちはとくになんですが、せっかくいつもより早起きしてできた朝の時間に家事や残業を詰め込まないでください。松・竹・梅にも入れるのはNGです。
もちろん、家事が本当に大好きでときめいたりわくわくしたりするなら、朝から掃除をしてもいいんですが、そうではなくて、義務感だけでやっているなら、やめておいたほうがいいでしょう。どうして私だけが早起きしてまでこんなことやらないといけないの! って、ちょっとした怒りの気持ちで朝が始まるようになってしまう。それってとても悲しいですよね。
せっかく早起きして手に入れた時間なのですから、自分の本当にやりたいことをやってください。例えば映画を見たり、体を動かしたり……それは何でもいいんですけど、心から楽しいと思えることをしましょう。
――確かに。楽しいことなら、自然とモチベーションが上がるし、続きますもんね!
池田 はい。さらにもう一つ言うと、もしも寝坊しちゃったとしても、落ち込まなくてOKです。そんなときはこう言い換えましょう。「私は1日のパフォーマンスを最大化するために戦略的に二度寝したんだ!」って。「寝坊しちゃった」って言葉にすると、嫌な気持ちで1日が始まってしまうけど、「戦略的二度寝」と言えば、なんだか格好いいし、気持ちが切り替えられます。こうしてとにかく「できた」を積み上げ、「できなかった」は積み上げない。これが朝を心地よく過ごし、早起きを続けていくための大切なコツなんです。
(解説:池田千恵、取材・文/江原めぐみ、構成:マイナビ子育て編集部)
朝活手帳 2024
今回お話を伺った池田千恵さんが提唱する「朝専用の手帳」。「朝時間」を充実させ、自分らしく活用するための工夫が満載です。
朝時間を自由にスケジューリングできる「ウィークリーページ」はもちろんのこと、起床・睡眠時刻、就業デッドライン、朝の3行日記など、初めてでも続けられるように書くべきことに困らないつくりになっています。
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■ ”誰か”ではなく、”自分”のために時間を使おう !
今、あなたが頑張っていることは、本当にあなたがやりたいことですか ?
誰かのために頑張ることはとっても素敵なこと。でも、そのために、自分のやりたいことを我慢していませんか ?
「ME TIME=自分のためだけの時間」をつくって自分らしく、主体的に毎日を楽しみ、味わうためのオリジナル時間術「SEEメソッド」を、池田千恵さんが提唱します。