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2023年03月22日 18:19 更新

金茶(きんちゃ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【金茶(きんちゃ)】とは、金色がかった赤みのある黄褐色のことです。日本の伝統色である【金茶】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【金茶】とは?

秋の夕焼け

金茶とは、金色がかった明るく赤みのある黄褐色です。

色の名前       金  茶      
読み方 きんちゃ kincha
英語 golden brown
WEBカラーコード #c97d00
CMYK C=0/M=50/Y=100/K=25
RGB R=201/G=125/B=0
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【金茶】の意味と由来は?

【金茶】は、黄金を思わせるような明るく赤みを感じさせる黄褐色の色名です。江戸時代の定番の色として知られています。近い色に【黄金色】がありますが、【金茶】のほうが赤みの強い色です。

【金茶】の染色は江戸前期から行われていたようです。元禄9年に書かれた『当世染物鑑(とうせいそめものかがみ)』にも登場していて、元禄期に多く染められていたことがわかります。主に和服や和装小物のほか、風呂敷や作務衣(さむえ)などに用いられていました。また、明治30~40年代には、当時のファッション誌に、若い女性の帯揚げとして、【金茶】が流行っているとの紹介記事が掲載されました。

【金茶】に合う色は?


金  茶
  きん ちゃ  


鳥の子色
 とりのこいろ 

【金茶】に合う色のひとつに【鳥の子色(とりのこいろ)】があります。鳥の子色は赤みがかったごく淡い黄色のことで、鳥の卵の色から付けられた色名です。【金茶】は上品さを感じさせる色で、【鳥の子色】のように淡く穏やかな色と組み合わせることで、落ち着いた上品な配色になります。

また、【胡桃色(くるみ色)】や【芝翫茶(しかんちゃ)】など、少し深みがあり赤みがかった茶色と組み合わせると、ぐっと大人っぽい色合いになります。シックな中にもあたたかみを感じさせる配色です。

A traditional Japanese color "金茶 kincha" is...

A traditional Japanese color "金茶 Kin-cha -means golden brown-" is the color name for a bright, reddish-yellowish-brown color reminiscent of gold. It is known as the standard color of the Edo period (1603-1868 CE) . The color ""金茶 Kin-cha" is similar to "黄金 O-gon," but "金茶 Kin-cha" color has a more reddish hue.

"金茶 Kin-cha” dyeing has been practiced since the early Edo period and appears in "Tosei Somemono Kagami", which is the book about dyeing written in Genroku preiod (1688-1704). It was mainly used for kimonos, kimono accessories, furoshiki (wrapping cloth), samue (work clothes), and so on.

In the Meiji era, a fashion magazine of the time carried an article introducing "金茶 Kin-cha” as a fashionable obiage (japanese accessories for dressing kimono) for young women.

まとめ

【金茶】は、江戸時代に誕生し、江戸時代から明治期にかけてその上品な色合いから人々に愛されてきた色です。また、金茶の別の呼び方として「宝茶(たからちゃ)」というものがありました。これは、「金はすべてに勝る宝物である」ということからつけられた江戸流の言葉遊びから生まれた色名です。現在でも「金色」がおめでたいときに使われるのは、こうした言い伝えがあるからなのかもしれませんね。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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