働く女性の「更年期」って？ 産婦人科医と一緒に考える、知っておきたい「更年期」との付き合い方

45歳から55歳を更年期と言います。女性のイメージが強いかもしれませんが、男性にも同じく更年期はあります。女性の場合、特に月経のトラブルが出やすく、それとともに自律神経の失調症状が起こりやすいのが特徴です。

更年期くらいの年齢は、子育てがひと段落する、また仕事がノリにのってくる頃ですよね。中には親の介護も重なるなど、忙しい方が多いので、心配な方もいるかもしれませんね。

私の場合、40代半ば頃から生理が不順になり、その後、月経量が増えて生理痛がひどくなるといった月経トラブルが強くなっていきました。

あとは、肩や腰、ひざなどの関節痛がひどくなりました。週に6日くらい運動をしていたのですが、ストレッチなど運動内容を変え、週4日にペースダウンさせました(笑)。やはり、無理をしないことは大切ですね。

そうですね、やはり何でも相談できるかかりつけの婦人科があると良いですよね。今ならオンライン診療もあるので、月経不順や気になる不調があれば、まずは相談してみてください。不調を感じて病院を受診するのに婦人科が最後になることが多くて、『この不調は更年期のせいだったんだ！』と分かるケースはよくあります。原因が分かれば、対処法としてHRT（ホルモン補充療法）や漢方薬などいろいろな対処法があります。また、更年期症状が出る年齢はいろいろな病気が増えてくる時期でもありますので、別の病気が見つかることもあるかもしれません。不調を感じたら、まずはなんでも病院を頼ってみてください。

そうですね、やはり人生100年時代になったいま、年齢問わず仕事を続ける人が多いはず。更年期を上手に過ごしていくのは、課題の一つになります。そのために職場での理解はもっと深めていく必要がありますよね。

更年期は、人生の折り返し地点。それまでの悪し生活習慣をリセットする時期でもあります。例えば、喫煙や不規則な生活、食事をおろそかにしていたら正していくべきです。一方、それまで生きてきたキャリアもあるし、経験値があるのだから『明日できるものは明日やろう』と自分にやさしくなることも大切です。更年期の症状は、ただホルモンの値が下がるだけでなく、環境的要因とその人のキャラクターも関連しています。頑張りすぎず、少しは自分を甘やかしてもいいのでは(笑)。

そうですね。あとは、生理や出血日の記録をつけるなど、自分の身体に対して意識を向けることが大切です。意識がある人は、自分の身体や生活を見直すことができるだけでなく、病気の早期発見にもつながります。転ばぬ先の杖として、女性として生きてきた証として、記録をつけておくことをおすすめします。

あとは、病院を頼ってほしいです。今は良い薬があって、症状がずいぶん楽になる方もいます。ホルモン補充療法に用いる薬には、飲み薬と塗り薬があり、上手に選んで組み合わせができます。リスクも最小限に抑えられているので、ぜひ頼ってほしいですね。

私もHRTを行ってから症状がすごく楽になりましたし、実際に治療をされている方は、若々しくて活力がある印象です。生活のスパイスとして、ちょっとした目標を立てるのも、上手に過ごすポイント。趣味を増やしたり、新しいことにチャレンジしたりなど、良い意味のストレスも日々の充実に必要です。いつまでも、ワクワクした気持ちや人生を楽しむ気持ちを持ち続けて、健康寿命を延ばしていきたいですよね。