
皮膚科医に聞いた、子どものアトピー性皮膚炎にパパ・ママができること
PR:日本イーライリリー株式会社
「かゆい~」と、ボリボリ掻きむしる我が子。「掻いちゃダメ!」と言っても、我慢できないよね……。子どものアトピー性皮膚炎は、子ども本人だけでなくパパ・ママにとっても心身ともに大変なもの。今回は皮膚科の先生に子どものアトピー性皮膚炎について、原因や症状から新しい治療法までお話を伺いました。パパ・ママとしてできること、子どもへの接し方などについても教えてもらいます。
お話を伺ったのはこの方!
気づけばポリポリ搔いている我が子。 子どものアトピー性皮膚炎はパパ・ママの理解とケアが大切

保育園から帰ってきたら、首元が赤い。遊びに夢中になりながらもポリポリ。「また、掻いてるなぁ~」と思いつつ、代わってあげることもできない。できる限り、症状が軽くなるように対応はしているけど、大変なことも……。
- Q.
簡単に、子どものアトピー性皮膚炎とは、どんな病気なのか、症状についても教えてください。
- A.
アトピー性皮膚炎とは、かゆみと皮膚の炎症(湿疹)を伴う皮膚疾患です。主な特徴としては、「皮膚がカサカサ、ザラザラ、ジュクジュクする」「赤みがある」「炎症が体の左右対称にあらわれる」「症状がよくなったり悪くなったりを慢性的に繰り返す」ことです。成長とともに症状は改善し、中学生くらいには自然寛解することが多いですが、大人になっても症状が続く場合もあります。
- Q.
子どもならではの特徴はあるのでしょうか?
- A.
子どもならではの症状としては赤みが強く、ジュクジュクしていることが多いです。大人の場合はアトピー性皮膚炎による炎症が長い期間繰り返されているため、皮膚がゴワゴワしたり、色素沈着を起こしたりしている場合がありますが、赤ちゃんから小学校低学年くらいであれば、そのような状態になることは少ないです。
- Q.
パパ・ママとして、子どもがアトピー性皮膚炎かもと気づけるきっかけがあったら、教えてください。
- A.
アトピー性皮膚炎の場合は、症状が左右対称にあらわれます。また、年齢により症状があらわれる部位が変化し、乳児期は頬や口の周りなどのこすれやすい部分に、幼児期・学童期には左右のひじの内側やひざの裏側などに症状が出てきます。
毎日保湿剤を塗ってあげていても、皮膚が乾燥したり、ジュクジュクしたり、かゆみや赤みが出てきた場合は、「アトピーかもしれない」という目で気にしてあげましょう。左右対称に症状があらわれる、部位に変化がある場合は、早めに医師に相談してください。
- Q.
アトピー性皮膚炎になってしまう原因を教えてください。
- A.
原因は多岐にわたるのですが、大きくとらえると「体質」と「環境的要因」の2つが挙げられます。「体質」というのは、もともと乾燥肌になりやすい体質であるということ。「環境的要因」とは、お風呂上りにしっかり保湿をする習慣があるかないか、ダニなどのアレルゲンの存在などが関係しています。
「掻かないで」は正直ムリ。 日中、夜中も搔きむしる……子どもへどう伝えればいい?

まだ小さな子どもに「掻かないようにね」と言っても難しい話。「かゆい!」とぐずる子どもとのコミュニケーションをどうとればいいのか、パパ・ママができることはあるのでしょうか?
実際にアトピー性皮膚炎の子どもを持つパパ・ママに聞いたお悩みに応えてもらいました。
- Q.
とにかく気づけば、掻きむしっています。子どもに「掻かないで」と言っても掻いてしまい、症状が改善しにくいです。どうすればいいでしょうか?
- A.
治療しないと、かゆみは続いてしまいます。治療の基本は、保湿剤と塗り薬です。子どもが動き回って薬が塗れない場合や嫌がる場合は、寝ている間に塗ってあげるのがおすすめです。どうしても掻きむしってしまう場合は、長袖、長ズボンのパジャマにしたり、皮膚を保護するアトピー用の包帯を活用したりして、物理的に皮膚を覆って予防しましょう。
また、どうしても塗り薬が難しい、本人やご両親がストレスになったり負担に感じたりする場合や、効果が出ない場合は、飲み薬や注射など他の治療法の選択肢もあるので、医師に相談してみてもいいと思います。
- Q.
保育園や幼稚園での庭遊びや水遊び、動物とのふれあいなど、なにか制限した方がいいことはあるのでしょうか?
- A.
遊びや行動に制限するものは一切ありません。子どもの気持ちを大事にして、なんでもトライさせてあげてください。ただアトピー性皮膚炎が疑われる子どもは、他のアレルギーを持っている場合が多いので、その点は注意しましょう。
広がっている治療の選択肢、お子さんに合うケア、 治療法を見つけて

子どものアトピー性皮膚炎の治療法には、どのようなものがあるのでしょうか? 最新の医療事情について伺いました。
- Q.
「実際の治療としてはどのようなものがあるのでしょうか?
- A.
一般的な治療法は、保湿剤と塗り薬の併用が基本です。塗り薬にはステロイド系と非ステロイド系があります。症状の程度により、処方される薬が変わってくるので、医師の指示に従ってください。処方された薬は継続的に塗ることが大事です。アトピー性皮膚炎はよくなったり悪くなったりを繰り返す特性があるので、自己判断で塗るのを中断することのないように。赤ちゃんでも使える刺激が少なく、副作用が比較的少ない塗り薬も開発されています。
最近では、塗り薬で症状が改善しない場合の+αの治療として、経口薬、注射もあります。
- Q.
子どものときに積極的に治療することが、大人になったときにも影響するのでしょうか?
- A.
中学生くらいまでに自然寛解することが多いですが、いかに継続的に治療してきたか、炎症をコントロールできたかが関わってくるので、積極的に治療に取り組むことが大事です。もしかゆくて眠れなかったり、見た目が気になって人に会いたくなかったりした場合は、精神的なケアも忘れずに。
現在のアトピー性皮膚炎の治療は進歩し、選択肢が増えてきています。症状があらわれても快適な状態をコントロールできるようになり、治るレベルに近づくこともあるので、心配しすぎないように。前向きに治療に取り組んでください。

近年、子どものアトピー性皮膚炎に対して飲み薬や注射などの新しい治療選択肢が出てきました。お子さんの年齢や症状、日常生活に合わせて、最適な治療・ケアを医師とともに選択していくことが大切です。どんなささいなことでも、気になることがあれば医師に相談しましょう。
提供:日本イーライリリー株式会社