うちの子、かゆみで集中できていない……? アトピーにまつわる疑問を医師に聞いてみた! 近年になって登場した新しい治療法も
PR:マルホ株式会社

過ごしやすい季節を経て、少しずつ夏の気配を感じる今日この頃。「アトピー性皮膚炎」(以下、アトピー)の方は、かいた汗を放置してしまうことが原因で症状が悪化するケースが少なくないため、対策を求められます。特に受験を控えた子どもの親としては、子どもがかゆそうにしている様子を、何とかしてあげたいと思うものでしょう。
皮膚科学に特化した製薬企業マルホが行った調査によると、6~12歳の子どもが「アトピーについて困っていること・改善したいこと」には「かきすぎて出血する」「かくことが癖になる」「かゆみで眠れない」「かゆみで勉強に集中できない」といった回答が数多く集まりました。受験を控える子どもにとっても、アトピーが引き起こす症状は大敵といえます。

調査手法:WEB定量調査
調査時期:2025/01/31~2025/02/02
調査数:n=569
そこで今回は、「受験期の子どものアトピー対策」をテーマに、皮膚科の先生にインタビューを実施! かゆみ対策の必要性から最新の治療法、どのようにお医者さんに相談したら良いのかまで、親が抱える疑問をぶつけてみました。
かゆみで勉強に集中できず、ストレスから悪循環に。受験期の子どものアトピー事情

――受験期の子どものアトピー患者さんが多いとのことですが、どのような点で悩まれていますか?
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「かゆみで勉強に集中できない」という悩みをよくお聞きしますね。アトピーはストレスで負荷がかかることでかゆみが悪化するため、受験を控えた時期は要注意です。また、かゆみで勉強に集中できなくなると、さらにストレスを感じ、悪循環に陥ってしまう傾向にあります。
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そして、学校や塾での勉強に追われ、小まめに通院する時間を確保しづらいことも受験期特有の悩みとしてあるそうです。
――なかなか医療機関に行けず、適切な治療を怠ってしまうとどのようなデメリットが考えられますか?
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やはり悪化してしまいますよね。軽いかゆみや赤みといった初期の段階で治療すれば早期に治りますが、放置してしまうと症状がひどくなり、その分だけ回復にも時間がかかります。
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――かゆいと自然とかいてしまうものだと思います。かくのは、あまり良くないのでしょうか?
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かゆいからと患部を激しくかくと、皮膚のバリア機能が破綻し、ちょっとした外的刺激で乾燥したり、発疹が出やすくなったりします。最悪の場合は「とびひ」などの二次感染を引き起こす恐れもあります。
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かゆいときには患部を冷やすと良いのだとか。保冷剤などで3分から5分ほど冷やすと、一時的に症状は和らぐそうです。また、かいている子どもを厳しく叱ってしまうと逆効果になりかねないため、やんわりと注意するくらいにしておいたほうが良いとのことでした。
症状がないことが続く状態を目指せる注射剤や内服薬が登場。進化するアトピー治療の最前線

――アトピーは親の世代からずっとある疾患ですが、治療法は進化しているのでしょうか?
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皮膚科学会でも「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」が数年に一度のペースで更新されていますが、「薬での治療」「スキンケア」「悪化させる原因の対策」という3本柱は揺るがない根幹です。
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小澤先生曰く、「スキンケア」については、乾燥しやすい冬のみならず、1年を通して保湿を徹底するのが理想とのこと。「悪化させる原因の対策」については、規則正しい生活を送ることが基本となるため、受験期はどうしても乱れがちな生活リズムや栄養バランスをなるべく整えてほしいと呼びかけました。
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その中でも特に「薬での治療」の進化は目覚ましいものがあります。従来の薬は症状を軽減するものでしたが、最近の注射剤や内服薬ではアトピー性皮膚炎の症状がないことが続く状態を目指せますし、もちろん保険も適用されます。アトピーの炎症を引き起こす原因と考えられているIL(インターロイキン)-4とIL-13の過剰なはたらきを抑える注射剤や、かゆみを誘発するIL-31の過剰な働きを抑える注射剤は、小学生にも投与可能です。
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内服薬についても、以前はかゆみを抑える抗アレルギー剤が一般的でしたが、今では炎症を引き起こす原因物質をブロックするはたらきを持つものも登場したといいます。最新の注射剤や内服薬を使用すれば、かゆみや赤みなどの症状の軽減に留まらず、健常な皮膚と変わらない肌を手に入れるのも夢ではないと、小澤先生は力を込めました。
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ただ、注射剤や内服薬を適用できるかどうかは症状や皮膚の状態によります。軽症の場合、治療は外用薬から始めていきますが、これまでのようにステロイド一択ではないので、あまり抵抗なく取り入れていただけるのではないでしょうか。
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とはいえ、外用薬においてステロイドの出番は多く、完全に除外してしまうと治療の選択肢が狭まってもったいないと、小澤先生は指摘しました。

――治療法はかなり進化していますが、継続することが欠かせないのではないかと思います。親はどんなことをサポートしてあげるのが望ましいでしょうか?
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受験期の子どもはひとりで薬を塗ったり飲んだりできる年齢ですが、サッと済ませてしまって塗り方が不十分だったり、勉強に夢中で飲み忘れていたりすることが珍しくありません。親御さんたちには、お子さんたちがきちんと薬を使えているかどうか、見守っていただきたいですね。外用薬やスキンケアの保湿剤は塗り続けなければならず、時間も根気も必要です。やさしく声をかけたり、手が届きにくい背中などは一緒に塗ってあげたりしましょう。
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お医者さんには、どのように相談したら良い?

――あと、親としては「どのレベルで医療機関に行ったら良いかわからない」という悩みがあるようでして……。かゆいと感じたら、すぐに受診しても良いものなのでしょうか?
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もちろんです。治療を早く始めるに越したことはありませんので、少しでもかゆみを感じたら、その時点で受診してください。皮膚科では、正しいスキンケアの方法もお伝えしていますので。
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――ちなみに、受診する際、どのような情報を提供すれば適切な治療を施しやすいでしょうか?
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アトピーには環境要因が大きく関わってくるため、症状や皮膚の状態に限らず、普段の生活スタイルも話していただけると、治療がスムーズに進みます。もし言葉で説明しにくいようでしたら、アトピーの症状をスコアリングする「アンケート」や「問診票」が医療機関によっては用意されているので、ぜひご活用ください。
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小澤先生の場合は、部活や習い事の種類、好きな食べ物、ペットを飼っているかどうか、薬は誰がどのように塗っているのかなどを質問しているといいます。
――最後に、アトピーに悩む受験期の子どもを持つ親に対して、メッセージをお願いいたします。
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アトピーは、症状が軽い早期のうちに適切な治療を行うことで、その後の重症化を防ぐことができます。けれど、いつ治療を始めても遅すぎるということはありません。受験期は小まめに通院するのが難しい状況だと思いますが、医療機関に行けるタイミングを作って、気軽に受診してほしいです。
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受験期の子どものアトピーは、早めに医療機関に相談を!

受験期は思春期とも重なるため、アトピーの症状がひどくなると、人間関係にまで影響を及ぼす可能性があります。明るい性格だったのに、アトピーの悪化のせいで塞ぎ込んでしまった。そんな子どもたちを何人も見てきたと小澤先生は明かしてくれました。「薬での治療」が飛躍的な進化を遂げた今、適切な治療を受ければ、皮膚の改善だけでなく、QOL(生活の質)の向上も期待できます。
子どものアトピーに関して少しでも気になるようなら、お近くの皮膚科を受診してみてはいかがでしょうか。
なお、皮膚科学に特化した製薬企業マルホでは、「アトピーのみかた」というサイトを運営中。「子どものかゆみをなくしてあげたい」という親の思いに応えるために、最新の治療法の紹介や、いくつかの質問に答えるだけであなたにあったかゆみ治療が分かる「アトピーのかゆみセルフチェックリスト」、近隣の病院を探せる病院検索もあります。

また、お医者さんにどのように相談したらよいかのメモを作成できる「かゆみ相談メモ」のコンテンツもあり、病院に行くか迷っている方もぜひ参考にしてみてくださいね。