肥満は決して自己責任だけではない! 医師と伴走した肥満症治療の秘訣
PR:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
昨今、「肥満=自己管理不足、努力が足りていない、不摂生」などといったネガティブなイメージを持ってしまう人や、肥満であることに自覚しながらも減量に対しての行動になかなか移ることができず悩んでいる人が多くいます。本記事では、肥満や減量に対する考え方や肥満と肥満症の違いについて詳しく解説するとともに、おおしまクリニックの野原ともい先生に、患者の悩みや具体的な治療法について詳しく伺いました。
《今回お話を伺った先生》
おおしまクリニック院長
野原ともい先生
・経歴
2011 年 3 月 東京女子医科大学卒業
2011 年 4 月 東京女子医科大学病院 卒後臨床研修センター
2013 年 4 月 医療法人社団 日高会 日高病院(高崎市)
2019 年 4 月 医療法人 くぼじまクリニック
・所属学会
日本内科学会 認定内科医
日本腎臓学会 腎臓専門医
日本透析医学会 透析専門医
《登場人物紹介》
A子さん:27歳 一般職(デスクワーク)
現在未婚のキャリアウーマン。仕事によるストレスを食べることで発散しているので、なかなか減量できず、少し減量に成功した際もすぐにリバウンドしてしまうことに悩んでいる。見た目も他の人からの見られ方も気になるだけではなく、健康診断で脂質異常症を指摘されたので、日々痩せたいと思っている。
B子さん:36 歳 専業主婦(パートタイマー)
既婚・出産を経験して現在は子育て中。目に見える形で産後太りをしてしまったが、今さら見た目を気にしているわけではないので、無理してまで痩せる必要はないと思っている。しかし、体重が増えたことで出てきてしまった膝や腰の痛みが気になっている。
肥満に関する考え方に対する実態調査
今回、20~40代の未婚の女性と子供がいる女性を対象に「肥満/体形管理」についてアンケートを実施。実際に「減量できない原因」について自己責任を感じている方はともに8割を超える結果に!
状況に関わらず実際に多くの女性が、自己責任で減量ができない、肥満が続いてしまっていると感じています。
本結果は一部の方々を対象としたアンケート結果であり、全ての方々で同様な結果を示すわけではありません。
“痩せればいい”じゃなかった! 知っておきたい「肥満症」という病気。
ところで、減量が必要な人が、同じ体重過多にも「肥満」と「肥満症」という言葉があることはご存知でしょうか?肥満とは、BMI 25kg/m2以上(日本肥満学会による肥満の定義)の状態を意味します。この状態に生活習慣病などの健康障害が見られると肥満症という病気になります。
※BMI(Body Mass Index)=[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]例:身長 170cmの場合は、体重 73kgでBMI 25に該当します。
肥満症はBMI が25 kg/m2以上で、下記の11種類の健康障害のうち1つでも当てはまる場合、あるいは、健康障害を起こしやすい内臓脂肪蓄積がある場合(腹囲が男性 85cm以上、女性 90cm以上)です。
(1) 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
(2) 脂質異常症
(3) 高血圧
(4) 高尿酸血症・痛風
(5) 冠動脈疾患
(6) 脳梗塞・一過性脳虚血発作
(7) 非アルコール性脂肪性肝疾患
(8) 月経異常・女性不妊
(9) 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
(10) 運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)
(11) 肥満関連腎臓病
肥満症は、身体的リスク(2型糖尿病、高血圧、心血管疾患、変形性関節症、肥満関連腎臓病などのリスク)と精神的リスク(うつ病などのリスク)に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、肥満症と診断されたら治療を行う必要があります。
現在は複数の治療法がありますが、食事療法、運動療法、行動療法、薬物療法、外科療法の5つの治療方法が一般的です。
肥満症は自分のせい? 自分を責めすぎず一つの病気として治療していく。
自分の体形変化や、肥満症であることに悩みを抱える女性は少なくありません。そうした世の悩める女性を代表して、A子さん(27歳 デスクワーク勤務)とB子さん(36歳 専業主婦)が、おおしまクリニック院長の野原ともい先生に肥満症や、健康のための減量についての悩みを相談しました。
A子さん:
社会人になってから、仕事のストレスで食べる量も増え、なかなか運動する習慣もなく、学生時代と比べかなり太ってしまいました。上司にも「最近太った?」と言われたり、「意識が足りないんじゃない?笑」「もっと仕事頑張ったほうがいいんじゃない?」と言われたこともあるのですが、これって私の努力不足なのでしょうか?
野原先生:
肥満症に対してはどうしてもネガティブになってしまいますよね。「肥満=自己管理できてない、努力が足りない」といったイメージを持ってしまうことが多いですが、肥満症になる原因には、ホルモンの病気や遺伝的な病気も隠れていることもあります。飲んでいる薬が原因で太りやすくなることもあります。決して自己責任だけとは言えないと思います。
また、多忙な生活で運動時間がなかったり、ストレスが溜まって暴飲暴食してしまったり、社会的、心理的要因もありますから、決して自己責任だけとは言えないと思います。そして、ただの肥満とは違う、肥満症という病気と診断された場合は、治療が必要になってきますので、個人の力だけでは解決しにくい問題と言えるでしょう。
A子さん:
そうだったんですね。少しホッとしました。私は頑張って減量しても、結局いつもリバウンドしてしまうことにずっと悩んでいて、、、
私はついつい食べ過ぎてしまいまして、、、一度病院に行って検査をしてもらって、その結果、仮に肥満症と診断された場合は実際にどうすればよいでしょうか。?
野原先生:
肥満症の治療法の基本として食事療法及び運動療法があります。食事療法については減量のためには摂取エネルギー量を制限することが推奨されており、運動療法の原則としては有酸素運動を中心に実施することが推奨されています。肥満症治療において行動療法の併用は減量と減量した体重の維持に一定の効果があることが示されています。具体的な手法として食行動質問票による食生活の把握などがあります。
また薬物療法は、食事療法、運動療法、行動療法によって得られる減量が不十分な肥満症において適用となります。具体的にはGLP-1受容体作動薬、食欲抑制剤、漢方薬などがあります。外科療法では、手術方法として胃を小さく形成することで食事摂取量を制限する調整胃ハンティング術やスリーブ状胃切除手術があります。
A子さん:
食事療法や運動療法をはじめ、たくさんの種類の治療法があるんですね! 詳しく教えていただきありがとうございます。
野原先生:
運動療法と食事療法が基本にはなりますが、普段仕事で多忙な方などライフスタイルによっては、どうしても運動の時間が作りにくかったりもします。そのため、医師に相談をした上で、必要であれば薬物療法を取り入れることも大事な視点だと思います。
また、太っていると逆に運動療法を行いにくいケースもあります。体重が重いので、運動するだけで腰や膝が痛くなってしまう方もいらっしゃいます。その場合は、まずは食事療法を中心に無理のない運動療法も実施、それでも効果がでない場合に薬物療法で減量の経過を見ながら少し負荷をかけた運動療法に取り組んでもらうという場合もありますよ。それぞれの患者さんの症状にあった治療が重要ですね。
見た目を気にしていないので痩せる必要はない? 肥満症により将来考えられるリスクとは
B子さん:
私は1年前に出産し、現在子育て中なのですが、昔ほど見た目も気にしていないんです。
確かに太ってしまったんですが、別に痩せて綺麗になる必要性を感じないのですが、このまま放っておいてもいいのでしょうか?
野原先生:
大事なポイントとしては、肥満症の治療は「見た目を美しくするための治療」ではなく、あくまで「病気を改善して健康になるための治療」であるという点です。その上で、患者さん本人が「治したい」という意識を持つことが重要だと思います。
むしろ、患者さんが痩せたい、健康になりたいという意識がなければ、治療はうまくいきません。私の外来では、患者さんが痩せる希望がない場合には、治療を無理強いはしません。一度採血などの検査を勧めて、気をつけた方がよいところがあれば、放置せずに、フォローアップするようお声がけしています。
また私自身もそうですが、若いうちは採血データで異常値がなくても、年齢を重ねると血糖値が上昇しやすくなったり、脂質異常症を来したり、また膝や腰の痛みなどが出てくるなど肥満による様々な健康障害がでてきます。とくに心血管系の病気を引き起こす危険性も高まりますので、決して、知らんぷりせず、自分の身体と向き合って、合併症を引き起こさないよう予防をしていきましょう。そして、必要があれば早めに治療したほうがよいでしょう。
B子さん:
そうだったのですね。そもそも私は自分が肥満なのか肥満症なのかがわかっていないんです。治療をすぐに開始する気がなくても、クリニックに伺ってもいいのでしょうか?
野原先生:
もちろんです。治療については患者さんの意向も踏まえた上で行われますので、ご安心ください。
肥満、肥満症の治療で何より大事なことは、ご自身に合った治療を前向きに続けることです。そのためのお手伝いを医師や看護師はできます。自己流のやり方でなかなか思い通りにいかずに悩んだり、苦しんだりせずに、ぜひ一度医師に相談してみてください。
A子さんから薬物療法の質問をいただきましたが、肥満症の治療方法は薬物療法だけではありません。選択肢を知るという意味でも来院するメリットは大きいかと思います。
先生から読者の皆さんへ伝えたいこと
A子さんとB子さんの悩みに真摯に向き合っていただいた野原先生に、本記事をご覧の肥満症の患者さんや読者の方にメッセージをいただきました。
野原先生:
肥満症治療の第一歩は、ご自身の健康状態を知ることです。
BMIが25以上で肥満に関連する健康障害があるもしくは指摘されたことがある方は、医療機関を受診してみましょう。検診を受けることで、現状を知り、リスクを知り、いつまでも健康で、明るく楽しいライフスタイルを送りましょう。
減量を頑張っている人でも、ご自身の力だけでは減量成功が難しいケースもありますので、一人で悩まずに医療の力もぜひ活用していただきたいと思います。