「ゲームなら夢中になるのに、どうして?」教育心理学のプロに聞く、子どもの学習意欲を引き出すヒント
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「そろそろ宿題やったら?」「いつまでゲームしているの?」。何度声を掛けても、なかなか勉強を始めないわが子についイライラ。ゲームや動画なら時間を忘れて集中するのに、どうして勉強になると途端にやる気がなくなってしまうの? と、人知れずため息をついてしまうことはありませんか。思わず声を荒げてしまい「また怒りすぎてしまった」と落ち込むパパやママも少なくないはずです。
でも、「うちの子はやる気がない」と決めつけるのは、まだ早いかもしれません。勉強に取りかからないのは、単に「やりたくない」からではなく、成長過程ならではの心理的な理由が隠れている可能性があります。
そこで今回は、教育・認知心理学を研究し、東京未来大学 通信教育課程で子どもの心理について教える小林寛子先生に、子どもの学習意欲についてインタビュー。「勉強しなさい!」と叱る前に知っておきたい、子どもの心理とパパママの関わり方のヒントを教えていただきました。
「どうして勉強しないの?」小学生パパママのリアルなお悩み
「なかなか勉強を始めない」「何度も促してようやく始めたはずなのに、グズグズして進まない……」そんなわが子にパパママはどのように関わればよいのでしょうか。よくあるお悩みをもとに、小林先生に伺いました。
お悩み① ゲームや動画は言われなくても夢中でやるのに、いざ宿題となるとまるで別人のようなやる気のない状態に……。何度言っても取りかからず、グズグズしている子どもに、親はどう働きかければいいのでしょうか?
小林先生のアドバイス
何度言っても動かない姿を見ると、「うちの子は本当にやる気がない」と思ってしまいますよね。しかし、勉強になかなか取りかからないからといって、必ずしも「やる気がない」とは限りません。「何をすればよいのかわからない」「できないから、やりたくない」といった理由が隠れている場合もあります。
心理学では、やる気は大きく二つに分けて考えられてきました。「楽しい」「興味がある」というような自分の内側から生まれる「内発的動機づけ」と、「褒められる」「ご褒美がもらえる」といった外からの働きかけによって生まれる「外発的動機づけ」です。ゲームや動画は興味を引く工夫が多いため、子どもが夢中になるのはごく自然なことだといえます。
また、人には、自分に関わることは自分で決めたいという「自己決定」の気持ちがあります。無理にやらせようとするのではなく、本人が始めやすい環境を整えてみましょう。子どもが学習するときは、パパママもテレビやスマートフォンから離れ、本を読んだり仕事をしたりする。一緒に机に向かい、大人が集中する姿を見せることも、よい見本になります。
それでもお子さんがなかなか取りかかれないとき、まずはそばで様子を見てみましょう。声を掛けるとスムーズに進められるなら、きっかけが必要だっただけかもしれません。一方、始めても手が止まる場合は、学習内容や方法につまずいている可能性があります。「やる気がない」と決めつけず、なぜ勉強に取りかかれないのかを知ることが大切です。
お悩み② 「どうせ自分にはできない」「やっても意味がない」と諦めてしまい、勉強してもなかなか理解できないようです。どのような声掛けをすれば前向きに取り組めるようになるでしょうか?
小林先生のアドバイス
お子さんが「どうせ自分にはできない」と感じる背景には、これまでの「できなかった」という経験の積み重ねがあると考えられます。うまくいかない経験が続くと、「頑張っても仕方がない」「もう失敗したくない」と意欲を失ったり、失敗への不安から予防線としてやらないという選択をしたりすることがあります。
このような場合は、「やったらできた」という成功体験を積ませることが大切です。極端に自信を失っているようでしたら、勉強以外のことでもかまいません。まずは「できなかった経験を覆す経験」を積ませることで、自信を取り戻してあげましょう。ただし、簡単すぎる課題では、十分な自信につながらないこともあります。その子にとって「少し頑張ればできそう」と思える目標を設定することがポイントです。小さなハードルを一つずつクリアしていくことで、「自分にもできる」という感覚を育てることができます。
日頃から「どこが難しいと思った?」「どこまではわかった?」と会話をしながら、理解できていないポイントや、心理的なハードルを一緒に見つけていくとよいでしょう。
そして、目標に向けて取り組んだ後には、結果だけでなく、そこまでの努力や取り組もうとした気持ちに目を向けた声掛けをすることが大切です。たとえば、算数ですと、次のような声掛けの例が考えられると思います。
- △ 100点とれてすごいね!(結果に注目)
- 〇 図をかいて、問題を整理しようとしたのが良かったよ(問題を解く過程に注目)
- 〇 問題集で間違った問題について、もう一度自分で解き直していたのがいいね(勉強する過程に注目)
- 〇 自分から勉強に取り組めたね(取り組もうとした気持ちに注目)
お悩み③ 親から見て、勉強の仕方がわかっていないのでは?と感じる場合、家庭ではどのようにサポートすればよいでしょうか?
小林先生のアドバイス
小学生くらいのお子さんは、自分以外の人がどのように勉強しているかを知らないことがよくあります。パパママ自身の経験を伝えたり、一緒に方法を試したりしながら、その子に合った学び方を探してみましょう。
心理学的に学習方法を紐解くと、教科書の内容を、意味も考えずにひたすら読んだり書き写したりして覚える「浅い処理」、意味や構造を考えたり、既に知っていることと結び付けたりして覚える「深い処理」、人に聞いたり辞書で調べたりする「外的リソースの活用」、自分は何ができていて、何ができていないのかを把握し、できなかった理由を考える「メタ認知」などの種類があります。
さまざまな方法を試し、学び方の選択肢を増やすことが大切です。低学年のお子さんの場合、自分のつまずきを一人で把握するのが難しいこともあります。「どこで引っかかっている?」「パパやママにも解き方を教えて」と声を掛けながら、「こういう方法はどう?」と一緒に考えてみてください。
心理学を知ると、子どもの行動の「見え方」が変わる
子どもの心理を知ることは、日々の子育てにどのように役立つのでしょうか。
小林先生のアドバイス
心理学の知識を身につけると、子どもの行動をさまざまな角度から捉えられるようになります。
たとえば「勉強しない」という行動を見ても、単に「やる気がない」と決めつけるのではなく、「何をすればよいのか、わからないのかな」「やってもできないと思っているのかな」など、その背景を考えられるようになります。
また、子どもだけでなく、「なぜ自分はこんなにイライラするのだろう」とパパママ自身の気持ちを見つめ直すきっかけにもなります。心理学の知識は、子どもの気持ちや行動を理解し、その子に合った関わり方を考えるうえでも役立つと思います。
子育てにもキャリアにも活かせる! 東京未来大学で始める新たな学び
子どもの心理についてもっと深く知りたい、学んだ知識を子育てや仕事にも活かしたい。そんな方が心理学や教育学について体系的に学べるのが、東京未来大学 通信教育課程の「こども心理学部」です。
学生の約8割が社会人で、幅広い年齢の方が在籍。仕事や家事、子育てと両立しながら、それぞれの目的に合わせて学んでいます。
POINT 1子どもの「心」と「教育」を幅広く学べる
こども心理学部では、子どもの心理に精通した専門家のもと、心理学と教育を体系的に学ぶことができます。
今回、小林先生に解説していただいた学習意欲や学習方法を扱う「教育心理学」をはじめ、「発達心理学」「乳幼児心理学」「犯罪の心理学」「親子関係の心理学」など、さまざまな科目が設けられています。身につけた知識は、家庭での声かけや子どもとの関わり方にも活かせます。
POINT 2仕事や家事・子育てと両立しやすい
忙しい社会人でも学びやすいよう、学習の中心となる「テキスト科目」では短期集中型の「2セメスター・8ターム制」を採用。各ターム(約1カ月)で2科目ずつ集中的に学ぶため、「今、何を勉強すればよいのか」が明確になり、学習計画を立てやすいのが特長です。
教科書を中心に自宅で学べるほか、試験もWebで受験できます。一人ひとりに「キャンパスアドバイザー」がつき、履修や学習上必要な手続きなどを質問・相談できる環境が整っているため、不安や疑問を解消しながら安心して取り組むことができます。
POINT 3資格取得やキャリア形成にも学びを活かせる
子育てに役立てるだけでなく、資格取得や新たなキャリアを目指せるのも魅力です。大学で心理学の基礎的な知識・技能を修得したことを証明する「認定心理士」のほか、「幼稚園教諭免許状(一種・二種)」「小学校教諭免許状(一種・二種)」などの取得を目指すことも可能。
身につけた心理学や教育の専門知識は、子育てはもちろん、幼稚園や学校、学童、塾など、子どもに関わるさまざまな仕事に活かすことができます。
実際に、東京未来大学 通信教育課程で学ぶ学生からは、「自宅で机に向かう時間が増えたことで、子どもも自然と勉強するようになった」という声も聞かれるそうです。パパママが前向きに学ぶ姿は、子どもにとって最も身近な学習者の見本になるかもしれません。
また、子どもへの理解を深めたいという思いから、夫婦で学び始める方もいるのだとか。当初は子育てに活かすことが目的だった学びが、資格取得やキャリア形成につながり、自分自身の人生にもプラスになったケースがあるといいます。
子どものために始めた学びが、家族で学ぶきっかけになり、自分自身の新たな可能性にもつながっていく。東京未来大学 通信教育課程の「こども心理学部」は、子育てや仕事と両立しながら、家族と自分の未来について考えたい方にとって、選択肢のひとつとなりそうです。
子どもを理解する学びを、子育てとこれからのキャリアに
子どもへの関わり方に悩んだときこそ、その行動の背景に目を向けてみる。心理学や教育の知識は、子どもとのよりよい関係を築くだけでなく、自分自身の可能性を広げる力にもなるはずです。東京未来大学 通信教育課程で、新たな学びを始めてみませんか?