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2023年01月12日 16:36 更新

【医師監修】1歳7ヶ月はイヤイヤ期の始まり? 身長体重の目安や成長の特徴、育児のコツを紹介

ますます活発に遊ぶようになりおしゃべりも増えていく1歳7ヶ月。この時期に見られる特徴と、この時期ならではのお世話のコツとともに、このころ見られるようになってくるイヤイヤ期についてもお話します。

1歳7ヶ月ってこんな時期

1歳7ヶ月の子供のイメージ
Lazy dummy

1歳7ヶ月の身長・体重

まずはますます大きく育ってきた、1歳7ヶ月の子供たちの体重と身長の目安を見てみましょう。

体重

・男の子 8.86~12.71kg
・女の子 8.20~11.99kg

身長

・男の子 76.5~86.9cm
・女の子 74.8~85.3cm

※ともに3~97パーセンタイル値[*1]

おもちゃを使った遊びがますます上手に

目と手を使って遊ぶのがさらに上手になってきます。
2つの積み木を積み重ねることができますし、中には4つの積み木をバランスを取りながら、高く積み上げられる子もいることでしょう。

この時期になると、指先で小さなものをつまんで、ビンから出したり入れたりするのもスムーズにできるようになってきます。そのため、中には幼児向けの簡単な型はめ遊びやパズルに喜ぶ子もいるかもしれません。ただし、誤飲しそうな小さいおもちゃは避けてくださいね。

言葉や身振りでコミュニケーションします

厚生労働省の調査によると、1歳6ヶ月の子供の94.7%は単語を言うことができます[*1]。パパ、ママ以外に3語しゃべる子は過半数となり、絵を見て何の絵か答えられる子も出てきます。

言葉とともに身ぶりも使ってコミュニケーションを取ろうとするようになります。
自分が気になったものがあると、指差してママやパパに反応してもらおうとするようになるのです。1人でいても興味があると指差したり、取ってほしいものを指差していた以前よりも一歩進んだ指差しと言えます。

また、1歳6ヶ月ごろになると、2つの絵を見せられて「犬はどっち?」などと聞かれると正しい方を指差して答えられるようにもなります。
相手の視線や振り向く動作、指差しを見て、相手が何に注目しているのかわかって一緒に反応できるようになるのもこのころです。

だんだん増えていく言葉と仕草で、子供が伝えたいことを理解したり、子供に伝えたりしながらやり取りを楽しみたいですね。

来月、1歳8ヶ月については以下の記事を参考にしてください。

イヤイヤ期もスタート

イヤイヤ期がスタートして泣きじゃくる子供のイメージ
Lazy dummy

なぜイヤイヤ期が来るの?

遊びやコミュニケーションが豊かになっていく一方で、このころから「もしかしてイヤイヤ期!?」という状況になる子もいることでしょう。
自我が育って自分でやりたい気持ちが強くなったために、自己主張をしたり言うことを聞かずにイヤイヤをするようになるのです。

0~5歳の子供がいるママやパパを対象とした調査でも、1歳後半の子供を持つママやパパの56.8%が「現在イヤイヤ期だと思う」と回答しています[*2]。
最近「子供が言うことを聞かない」「反抗的」と感じたとしたら、それは順調に成長しているということ。同じ年頃の子供がいる過半数の親が同じように感じているのです。

いつまで続くの?

上であげた調査では、2歳代になると7割以上の親が「今イヤイヤ期だ」と答えています。2歳台をピークに、3歳後半になるとイヤイヤ期だという回答は40%台となって、だんだんと減っていきます。ただし、5歳に入っても23.7%の親は「現在、イヤイヤ期」と答えていて、子供によっては5歳ごろまでイヤイヤ期が続くこともあることがわかります[*2]。

イヤイヤ期はある日突然始まり、突然終わるものではありません。
調査結果をふまえると、イヤイヤ期は1歳後半から始まって2歳代でピークを迎え、だんだん落ち着いていくことが多いようです。年齢とともにイヤイヤ期は終わっていくもの。5歳になってもまだイヤイヤ期のように感じても、気づけばイヤイヤ期から抜け出していることもあります。

そのうち終わるものなので、できるだけ焦らずのんびりと構え、子供に対応していきたいですね。

どうやって対処する?

イヤイヤ期はいつかは終わるものとわかっていても、できれば早く落ち着いてほしいものですね。

海外の研究では、イライラしたり激しい自己主張をするような不安定な心の状態は、言葉と象徴遊びが豊かになるにつれておさまっていくと報告されています[*3]。

「言葉と象徴遊びが豊かになる」と言うと難しそうですが、具体的には次のような遊びがおすすめです。
・親やほかの子とたくさん遊ぶ
・言葉でたくさんやり取りする
・ごっこ遊びを楽しむ

無理やりしゃべらそうとしたり、気が乗らないのにごっこ遊びをさせても子供は嫌がります。子供とお話したり好きな遊びをたくさんしながら、ママとパパ自身も楽しんでくださいね。

1歳7ヶ月のお世話のコツ

ひと手間かけて食べやすく

1歳7ヶ月の離乳食を食べる子供のイメージ
Lazy dummy

1歳7ヶ月になると、約98.3%の子供たちは離乳が完了して幼児食を食べるようになっています[*1]。

1歳6ヶ月ごろまでには一番奥に第一乳臼歯が生えて、上下で噛み合うようになるため、固形物をある程度噛みつぶせるようになります。ただし、第一乳臼歯は噛む面が小さいので、すり潰すのはまだあまりうまくできません。 そのため、まだまだ食べにくいものはたくさんあります。

表1 1~2歳児の食べにくい(処理しにくい)食品例

食品の特徴 主な食品 調理の留意点
弾力性の強いもの かまぼこ、こんにゃく、いか、たこ この時期には与えない
皮が口に残るもの 豆、トマト 皮をむく
口中でまとまりにくいもの ひき肉、ブロッコリー とろみをつける
ペラペラしたもの わかめ、レタス 加熱して刻む
唾液を吸うもの パン、ゆで卵、さつまいも 水分を加える
誤嚥しやすいもの 餅、こんにゃくゼリー この時期には与えない
噛み潰せないで、
口にいつまでも残るもの
薄切り(スライス)肉
しゃぶしゃぶ用の肉は食べやすい
たたいたり切ったりする

[*4]堤ちはる:乳幼児栄養の基本と栄養指導, 小児科臨床, 62巻12号, 2571-2583, 2009.より引用

偏食だと思っていても、調理方法を変えれば食べられることも珍しくありません。

子供が楽しく食べられるように、上の表を参考にして、食材に合わせて調理を変えたり、この時期はまだ食べさせないなど工夫してくださいね。

叱らずやる気を見守ろう

1歳7ヶ月ごろはイヤイヤ期が始まるほど自己主張が強くなる時期です。言葉で自分の要求を伝えようとしたり、色々なことを自分の力でやりたがるようになります。

やらせてみても上手にできなかったり、時間がかかってしまいますが、子供のやる気を育てるために、できるだけ自分でやらせてあげましょう。

早く早くとせかしたり、失敗したからと叱るのはNG。子供が安心して自分の力を試せるように、寄り添い、見守ってあげてください。そして最後には、がんばったねとほめてあげましょう。子供もきっと満たされた気持ちでうれしくなると思いますよ。

遊んで楽しく触れ合おう

子供は新しくできるようになった動きや言葉などを使った遊びが大好きです。
1歳7ヶ月ならではの発達に合わせた、おすすめの遊び方を紹介します。

体を使った遊び

ボールを落としたり、子供に転がしてあげて遊ぶ。
子供をシーツなどに乗せ、ママとパパで両端を持って、落ちないように気をつけながら左右に揺らす。

ごっこ遊び

人形にご飯をあげるふりをする。
細長いものを耳に当てて、親子で「もしもし」と電話ごっこをする。

指を使う遊び

積み木を積み上げて遊ぶ。
小さな穴を開けた容器に円柱などのおもちゃを入れて遊ぶ。

ことば、関わり

絵本を読み聞かせる。
公園や道路で見つけた植物や動物を教え合ったり、見たものについてお話する。

遊びはわくわくする気持ちやママとパパへの信頼感を育て、子供の成長を促してくれます。
上の遊び以外にも、子供が大好きな遊びがあれば一緒にたっぷり楽しんでくださいね。

まとめ

パパと絵本を読んでいる子供のイメージ
Lazy dummy

1歳7ヶ月は体を動かしたり言葉や指先を使ったりと、できることが増えて遊びの幅も広がっていく時期です。その一方で自我が育って自己主張が激しくなり、イヤイヤ期が始まる子もいます。イヤイヤ期は成長の過程でたくさん遊んで言葉を交わすうちに落ち着いていく傾向があります。イヤイヤ期も発達の1つなので、できるだけ叱りつけないで温かく見守っていきましょう。

食べやすいように食べ物にひと手間加えたり、生活習慣に気を配ったりとまだまだ手がかかることは多いですが、今も、これからも子供がいることで楽しいことがたくさん起こります。人生で一度だけの幼児期を優しく見守っていきましょう。

(文:大崎典子/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省 平成22年乳幼児身体発育調査
[*2]博報堂 報道発表『乳幼児のイヤイヤ期を研究する「イヤイヤ研」、「イヤイヤ実態調査」第一弾の結果を発表』(2019-6-3)
[*3]矢野のり子:1歳6ヵ月健診における親と子への発達援助と子育て支援, 神戸山手大学紀要 (17), 41-48, 2015.
[*4]堤ちはる:乳幼児栄養の基本と栄養指導, 小児科臨床, 62巻12号, 2571-2583, 2009.

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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