紫色(むらさきいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~
【紫色(むらさき色)】とは、赤と青の中間色です。日本の伝統色である【紫】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。
【紫色】とは?
紫色は、赤と青、正反対の色を混ぜるとできて、色の使い方で印象が変わる不思議な色です。
色の名前 | 紫 |
読み方 | むらさき Murasaki |
英語 | purple, violet |
WEBカラーコード | #68258a |
CMYK | C=71/M=95/Y=0/K=0 |
RGB | R=104/G=37/B=138 |
【紫色】の意味と由来は?
【紫色(むらさきいろ)】とは、赤色と青色を混ぜた色をいいます。
色名の由来は、紫草(むらさき)という古くからある植物の名前から。この植物の根(紫根)が染料として使われたため、その色に染めた生地を「紫」と呼ぶようになったと言われています。紫色に染めることのできる染料・顔料はほかにも蘇芳(すおう)や紫紺末(しこんまつ)などがありますが、紫草の根から染めた紫は、【本紫(ほんむらさき)】とも呼ばれて、尊ばれました。
古代日本では、紫色は高貴な色として尊ばれました。603年に聖徳太子が初めて制定した位階制度「冠位十二階(かんいじゅうにかい)」では、朝廷に仕える臣下を12の階級に分け、それぞれに違う色の冠を与えました。その中で最も位が高いとされた「大徳」に与えられた色が「紫」だったのです。
なぜ紫が最も高貴な色とされていたのかは所説ありますが、濃い紫の色を抽出するには大変な手間がかかったため、紫が濃ければ濃ければ富貴な印象を与えることができたからともいわれています。紫は日本だけではなく、ほかの国々でも人気のある色だったようです。
【紫色】に合う色は?
紫 むらさき |
紅 くれない |
着物の配色を現す「襲(かさね)」には、「夏の襲」として表地に紅、裏地に紫を用いた「薔薇」という襲があります。華やかで美しい紅と紫という配色は、夏の強い日差しの下で人々の目を楽しませていたのでしょう。
A traditional Japanese color "紫 murasaki" is...
A traditional Japanese color "紫 Mu-ra-sa-ki -means purple-" is a color that is a mixture of red and blue. The color name comes from the Japanese name of an ancient plant called purple grass. It is said that the roots of this plant (purple roots) were used as a dye, and fabrics dyed in this color were called "purple".
In ancient Japan, the color purple was revered as a noble color, and in 603, Prince Shotoku instituted the "Twelve Ranks of the Crown," a system of hierarchical rank that divided the subjects of the Imperial Court into twelve ranks, each of which was given a crown of a different color. It is said that the color purple was given to the "Daitoku," the most highly ranked among them.
There are many theories as to why purple was considered the most noble color, but it is said that it took a lot of time and effort to extract a deep purple color, so the darker the purple, the more noble the impression. Purple was a popular color not only in Japan, but in other countries as well.
まとめ
高貴な色とされ、色で階級を表していた時代には、その階級以外の人が紫色の着衣を着ることが禁止されていたこともある【紫色】。
上で紹介した「冠位十二階」もそうですが、僧侶の最高位を表す紫袈裟(むらさきけさ)も、天皇からの勅許(ちょっきょ=天皇からの許し)がなければ、着用することができなかったそう。好きな色を好きなときに身に着けることができる現在からはなかなか想像するのが難しいですね。
(マイナビ子育て編集部)
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)