
熱中症は子供の方が危ないって本当?【ママ女医と娘の○○な日常 vol.3】
暑さも本格的になり、すっかり夏バテしてしまっていませんか? 大人も子供もかかりやすい、「熱中症」について紹介していきましょう。
いくつまで数えられる?


最近、毎日百まで数えながらごしごしと歯磨きをしていたら、娘3歳、徐々に大きな数字を数えられるようになってきました。以前から10までは数えられていたのですが、最近は39まで数えられるように。医学部で小児科の勉強をした時には、「3歳で3つまで数えられる」が発達の基準の一つと習っていたので、やっぱり子供の発達にはバリエーションがあるなあと感心しています。(その分、うちの子は、運動の方の発達はのんびりさんです)
39まで、というのは、「さーんじゅう! さんじゅいっち、さんじゅにー」と30越えても数えられるのですが、「さんじゅはっち、さんじゅくー……はーちじゅう!」、突然80になります。そりゃ十の位は難しいよね、わかるわかる。ちなみに、いろんな数から80になります。
なぜ80……? 100にたどり着くには(いろんな意味で)まだまだ時間がかかりそうです。
子供の熱中症は大人よりもリスクが高い!?


さて。随分暑くなってきました。蒸し暑い日に一緒に外遊びをしていると、大人も汗だくに……。これから更に暑くなります。そうなると怖いのは「熱中症」です。大人も当然危険な熱中症なのですが、子供は更に熱中症を起こしやすいので注意が必要です。それはなぜでしょう?
1.体が小さい
子供は体が小さいですね。すると、体全体が、太陽でじりじり焼けた地面に近くなります。子供は、大人より2〜3℃は暑い中で活動しているのだと思っていてください。ベビーカーも同様です。
2.体温調節が苦手
「子供は汗っかき」と言われますが、実は汗をかくのが上手ではありません。大人と比べて汗をたくさんかけないので、汗で体温を十分下げることができないのです。その代わりに皮膚の血流を増やして、熱を体外に放散しています。しかし、外の気温があまりに高いと、体外に熱を逃がしにくくなります。そのため、暑い日はそれだけで体温が上昇して、熱中症を起こしやすくなります。
3.自己管理ができない
子供は何かに熱中するのが得意。元気に遊んでいると、水を飲むのを忘れてしまいます。暑いこと自体に気づいておらず、気分が悪いかどうかもよくわからず、水も飲まず、休憩もとらず……、、そのまま遊び続けているうちに、突然目の前が真っ白に……と熱中症になってしまいます。
このように、子供は大人よりも熱中症を起こしやすい条件が揃っていますので、一緒にいる大人ができるだけ注意をしてあげる必要があります。
では、具体的にはどんな対策が必要でしょうか。
「熱中症対策」3つのケア


無理をさせない
基本は「無理をさせないこと」です。
熱中症は、命に関わります。いろいろな対策がありますが、先ほどの子供が熱中症を起こしやすい条件を思い出してください。夏場は「子供は大人とは違って元気だから、きっと大丈夫」という気持ちを、グッとおさえましょう。暑さに慣れさせたい親心はもちろんあると思いますが、無理をさせて熱中症を起こしては意味がありません。
いわゆる暑さに慣れることを「暑熱順化」と言います。環境省の出しているマニュアルから引用すると、“暑熱順化は、「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度の運動(ウォーキング など)を継続することで獲得できます。実験的には暑熱順化は運動開始数日後から起こり、2週間程度で完成するといわれています。”と書かれています。公園までおでかけすれば、30分なんてあっという間ですね。暑さは徐々にならしていきましょう。
また、外遊びをする時には、日陰を上手に利用したり、遊びに熱中していても休憩する時間をとってあげましょう。水筒を持参して、水を飲みたい時にはすぐに飲めるようにしてあげることも大切です。こまめに休憩をとりつつ、水を飲むよう促してあげてください。もちろん、服装も大切です。熱の籠らない涼しい服装や、日をよける帽子も工夫してあげましょう。
環境省「熱中症環境保健マニュアル」(http://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php)
車には絶対に放置しない
一番危険なのは、車の中です。命に関わる熱中症を引き起こします。車に乗っていると、子供がベビーシート・チャイルドシートで寝てしまうことはよくありますよね。「起こすのはかわいそうだから、ほんの少しの買い物の間だし、そのまま車で寝かせておこう……」などと考えるのは、絶対にやめてください。
車の中は短時間でも温度は急上昇します。外気温が27℃程度でも、閉め切った車内では50℃の灼熱地獄にもなります。いくら寝ている赤ちゃんがかわいそうでも、車の中にそのまま寝かせておくのは絶対にやめましょう。
家の中や寝る時も注意
家の中なら安心ということはありません。汗をかくのが苦手な子供が、汗をダラダラかいている時は要注意! すでに熱中症になりえる条件が揃っています。実は家庭内でも、そして夜寝ている時でも、熱中症は多く起こっているのです。
クーラーを使うと汗をかけない子供になるというのは都市伝説。あせもの原因にもなりますし、扇風機だけでなく、クーラーも上手に利用してあげてください。もちろん、水分も積極的にとらせましょう。
熱中症は、誰もが起こす可能性のあるものです。大人も含めて、家族みんなで夏を楽しめるように、熱中症対策、少し気をつけてみてくださいね。
まま、すっごく大きくなったねぇ!


そんな暑い夏のきざしが見え始めたある日、私の誕生日がありました。
「ままはなんさいになったの?」と娘が聞くので、「37歳になったよ」と答えたら、数字を理解したらしい娘、目をまんまるにして、「さんじゅうなな! まま、すっごくおおきくなったねえ!」と両手をあげて驚きました。
この歳になると、自分が大きくなったなんて考えた事もなかったのですが、そうか、すごく大きくなったんだなあ。娘が大きくなるのを楽しむだけじゃなくて、一緒に大きくなる自分の事も楽しんでいけたらな。娘のちょっと調子っぱずれのハッピーバースディの歌を聴きながら、そんな事を思った37回目の誕生日でした。
(HAL)
※記事内の画像はすべてイメージです