【助産師解説】新生児訪問・赤ちゃん訪問はなにをする?準備は必要?<ママ体験談>
新生児のいる家庭が対象となる「新生児訪問」、また生後4ヶ月以下の赤ちゃんがいる家庭が対象となる「赤ちゃん訪問(乳児家庭全戸訪問事業「こんにちは赤ちゃん事業」)」。これらはどの時期に、どのような目的で実施されるのでしょうか。
新生児・赤ちゃん訪問、どうだった? ~ママ体験談
※マイナビ子育て調べ 調査日時:2019年3月1日~3月7日
新生児訪問とは? 目的と時期、やること
新生児訪問は、赤ちゃんの生まれたご家庭に対する公共サービスの1つです。
新生児訪問とは?
新生児訪問(新生児訪問指導)とは生後28日以内に、助産師や保健師が訪問する保健サービスです。 母子保健法第11条で定められた事業で、費用は無料となっています。 なお、里帰り出産のご家庭の場合は、60日以内の訪問となります。
区市町村によっては訪問時期がもっと後になる場合もあります。
新生児訪問では何をするの?
新生児訪問では、体重測定などによる新生児の発育状況ほか、栄養状態・生活環境のチェックが実施されます。また、育児において大切な疾病予防の指導ほか、育児相談やアドバイスを受けることも可能です。
新生児訪問を受けるには? 断ることはできる?
出生通知票(出生連絡票)に基づいて、新生児訪問の連絡がきます。出生通知票は、母子健康手帳が交付されるタイミングで配布されますので、忘れずに郵送してください。
なお、新生児訪問は強制ではありませんので、断ることも可能です。ただし、赤ちゃんの発育状態を知る大切な機会でもあるので、受けることが望ましいでしょう。
「赤ちゃん訪問」「乳児家庭全戸訪問事業」とは? 目的と時期、やること
「乳児家庭全戸訪問事業」(こんにちは赤ちゃん事業)は、すでにご紹介した新生児訪問と似ていますが、どのように異なるのでしょうか。
赤ちゃん訪問とは?
乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)とは生後4ヶ月以内の赤ちゃんがいる家庭に、助産師や保健師、看護婦、保育士、母子保健推進員、子育て経験者などが訪問する保健サービスです。 こちらは、児童福祉法第6条の3第4項で定められた事業で、費用は無料です。
なお、この事業の呼び方は地域によって異なることもあるようです。
具体的には何をするの?
乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)では、子育て支援に必要な情報提供ほか、子育ての悩みや不安の相談なども実施されます。また、乳児と保護者の様子や養育環境を把握することも、実施内容のひとつです。さらに、サポートの必要と考えられる場合は、適切なサービス提供へと結びつけることも事業の目的となっています。
断ることはできる?
強制力はないため、訪問を断ることも可能です。ただし、訪問できなかった家庭については、支援の必要性が検討され、その後の対応が協議されるケースもあります。
新生児訪問と赤ちゃん訪問、何が違うの?
新生児訪問と赤ちゃん訪問の違いについて、東京都福祉保健局少子社会対策部の方にお聞きしました。
「2つの事業について、大きな違いは元となっている法律です。内容について、東京都の場合は各区市町村にゆだねられていますが、産後のお母さんと赤ちゃんの心身の健康状態や育児を取り巻く環境を確認するという上では大きな違いはありません。新生児訪問と赤ちゃん訪問両方を行っているところもあれば、新生児訪問と赤ちゃん訪問をまとめて新生児期から4ヶ月頃までの間で訪問するようにしているところもあります。」
つまり、いずれの訪問もママや赤ちゃんの相談をできるということは一緒のようです。区市町村によっては行われる内容に違いがあるようなので、何かわからないことがあれば、住んでいる地域の保健福祉センターなどに問い合わせるといいでしょう。
まとめ
新生児訪問は、生後28日までの赤ちゃんを対象※、赤ちゃん訪問(乳児家庭全戸訪問事業「こんにちは赤ちゃん事業」)は、生後4ヶ月までの赤ちゃんが対象となります。2回の訪問があるのか、あるいはどちらか1回の訪問かについては、区市町村ごとに異なります。詳しくは、お住まいの区市町村のホームページなどでご確認ください。
いずれにせよ、赤ちゃんの発育状態を知ることができ、子育てに必要な保健指導なども受けられる機会なので、ぜひ訪問を受けておきましょう。特に、初産のママは、不安も多いはず。この機会にいろいろと相談し、アドバイスをもらうとよいですね。
※区市町村によっては新生児期の訪問ではない場合があります。
(文・構成:マイナビウーマン編集部、監修・解説:佐藤裕子先生)
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※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます