
串刺し、吸血、猛毒まで!? 実在する「ゾクッと怖くなる鳥」3選|クセがすごすぎる鳥#1
スズメやカラス、ハトなど日本で日常的に見かける鳥は多くいますが、一方で、世界には不思議な生態を持つ鳥もいます。中にはなんと「カエルを串刺しにする鳥」や「海鳥の血を吸う鳥」、そしてなんと「1mgで20人を殺してしまう猛毒を持つ鳥」まで……。
今回は、子どもに思わず話したくなる「ちょっとゾッとする鳥」について、『クセがすごすぎる 世界の鳥図鑑』(宝島社)よりお届けします。
カエルを串刺しにする かわいい顔してやることがエグい「モズ」

■分類:スズメ目モズ科
■大きさ:全長20cm
■分布:東アジア、九州以北
■生息環境:林、草地、農耕地など
「ひぇー」と目をそむけたくなる行為をするのがモズ。虫やカエル、爬虫類などの捕らえた獲物を、木の小枝に突き刺しておくハヤニエの習性があります。ハヤニエとは供え物のこと。理由は明らかになっていません。一般的な説は「保存食、あるいはさえずりのための栄養源など」というもの。
他の説は、モズの足は細くて弱くタカのように獲物を押さえつけられないので、獲物を小枝に刺し、ちぎって食べるというもの。獲物が刺しっぱなしになるのは、食べているとき天敵や人間などが来て、逃げてしまったからというものです。それにしても、かわいいのに、やることはクセ強すぎ!
あのガラパゴスに吸血鳥がいた! 「ハシボソガラパゴスフィンチ」

■分類:スズメ目フウキンチョウ科
■大きさ:全長11〜13cm
■分布:ガラパゴス諸島
■生息環境:林、海沿など
吸血鳥です。尖ったくちばしで海鳥を突いて出血させ血を吸います。といっても、海鳥たちは、ほとんど気にしていません。それで死ぬことは滅多にないからです。
一方このフィンチにしても主食は種子や昆虫。血を吸うのは他の食べ物がないときだけ。常に血が必要なのではありません。
アメリカの大学が調べたところによれば、このフィンチには鉄とナトリウム(血の成分)を消化する腸内細菌がいたそうです。それは吸血コウモリのチスイコウモリが持っている腸内細菌と同じだったそうです。もしその腸内細菌があれば、あなたも吸血鬼になれるかも!?
触るだけで超危険! 羽に毒を持つ「ズグロモリモズ」

■分類:スズメ目コウライウグイス科
■大きさ:全長23cm
■分布:ニューギニア島
■生息環境:森林
人間を羽一枚で殺してしまうほどの猛毒を持つ鳥がいます。ズグロモリモズです。これはクセどころではありません。激ヤバです。
1990年、この鳥を博物館に飾ろうとし羽を触っていた科学者に、突然体のしびれが起き、皮膚に火傷症状が出ました。もともと、この鳥が生息するニューギニアの現地の人たちも不快臭から避けていた鳥です。
調べたところ、羽毛や筋肉にバトラコトキシンと呼ばれる猛毒が含まれていたのです。この毒は神経毒で、1mgで人間なら20人を殺せます。ちなみに、ニューギニア島にはカワリモリモズなどの毒鳥もいますから、もし行く機会があったら、十分注意してください。
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画像は『クセがすごすぎる 世界の鳥図鑑』(監修:今泉忠明、イラスト:森松輝夫、発行:宝島社)より


本書では、見た目・生態・得意ワザ・求愛・巣作りなどが一風変わった「クセ強」な鳥が紹介されています。見開き=1種類の解説だから、子どもがどこから読み始めてもいいのが嬉しいですね。夏休みの自由研究や読書感想文にもオススメです!