【トイレ先進県はどこ?】トイレTOP3ランキング「洋式化率」「女性個室比率」の2部門で、“京都府”が1位に!
社会課題解決型トイレマップ「TOIMAP」を運営するKICKsはこのほど、全国2万件以上のトイレデータを基盤に、各自治体が公開する「公衆トイレオープンデータ」の分析を実施しました(※1)。
(※1)公衆トイレオープンデータとして100ヶ所以上の施設が公開されている14都道府県(合計4,383ヶ所)を対象に分析
女性トイレの行列問題、原因は「地域格差」だった?
今回は、TOIMAPが掲げる「EBPM(証拠に基づく政策立案)の支援」および「トイレを「コスト」から「資産」へ」というミッションを具現化する第一弾の調査レポートです。
分析の結果、インバウンド対応度を示す「洋式化率」では、トップの京都府(96.6%)とワーストの香川県(28.2%)で3.4倍の格差が、快適性を示す「女性個室比率」では、トップの京都府(2.20)とワーストの愛知県(1.27)で1.7倍の格差が存在し、「トイレ不安」を生む可能性のある深刻な地域差がデータで裏付けられました。
【発見(1)】インバウンド対応の影響?「洋式化率」に3.4倍の衝撃的な格差
訪日外国人観光客が「もう訪れたくなくなる」要素の第1位とも言われるトイレの快適性。その重要な指標となる「洋式化率」に著しい地域差が見られました。
<トイレ洋式化率 TOP3>
1位: 京都府 (96.6%) 2位: 宮城県 (74.9%) 3位: 和歌山県 (74.4%)
<トイレ洋式化率 BOTTOM3>
1位: 香川県 (28.2%) 2位: 青森県 (45.6%) 3位: 山口県 (45.8%)
トップの京都府はほぼ100%に近い洋式化を達成している一方、香川県、青森県、山口県では未だに半数以上が和式トイレという結果になりました。
また、東京都(66.5%)、大阪府(69.0%)といった大都市圏でも洋式化率は7割に満たず、多くの観光客が訪れるにもかかわらず、和式トイレに遭遇する可能性が残されていることが示唆されます。
【発見(2)】「トイレ不安」の格差:女性個室比率 1.7倍の差
高齢者や子連れ層の外出を抑制する「トイレ不安」は、年間3,000億円以上の経済機会損失(同社試算)を生んでいます。特に「女性トイレの行列」は、女性用個室数の不足が一因です。
同調査で、男性個室1つに対する女性個室の比率を算出したところ、大都市圏で低い傾向が見られました。
<女性個室比率(対男性個室) TOP3>
1位: 京都府 (2.20) 2位: 山口県 (1.88) 3位: 福井県 (1.85)
<女性個室比率(対男性個室) BOTTOM3>
1位: 愛知県 (1.27) 2位: 岩手県 (1.29) 3位: 香川県 (1.52)
(ワースト4位: 大阪府 1.59, ワースト5位: 東京都 1.60)
TOIMAPが提言する「データに基づくトイレの資産化」
「トイレはコストである」という旧来の認識が、今回の分析で明らかになった「地域格差」を生んでいる一因であるとTOIMAPは考えています。
今回の分析で「洋式化率」「女性比率」が低いと示された地域は、見方を変えれば、「トイレという"資産"に投資することで、インバウンド需要や潜在的な国内消費を掘り起こせる、最も伸びしろのある地域」であると言えます。
TOIMAPは、EBPM(証拠に基づく政策立案)を支援するプラットフォーム。同社では、 「今回の分析のような『マクロな課題の可視化』から、八王子まつりで実証した『ミクロな検索データ分析(いつ・どこで・どんなトイレが求められているか)』まで、自治体様や民間事業者様と連携し、トイレを『コスト』から『まちの資産』へと変革する『デジタル・ホスピタリティ』の社会実装を推進します」とコメントしています。
調査の背景と留意点
1. TOIMAPの2万件データとオープンデータ
トイレ検索サービス「TOIMAP」は、全国2万ヶ所以上のトイレデータを保有するプラットフォームです。今回、TOIMAPが持つデータ知見を活かし、各自治体が公開する「公衆トイレオープンデータ」に着目し、その分析を行いました。
2. オープンデータ公開の遅れ
同調査の最大の課題は、そもそも公衆トイレのオープンデータを公開していない地方自治体が多い点にあります。今回分析対象となった14都道府県を始め、現時点で公衆トイレのオープンデータを公開している自治体は、情報公開に取り組む「先進的な自治体」を含む地域です。
3. サンプリングの偏り(限界)
同分析は、都道府県内の自治体を満遍なく調査できているわけではありません。例えば「京都府」のデータは、実質的に「京都市」が公開するオープンデータに強く依存しています。同様に「愛知県」がワースト1位となっていますが、これは名古屋市のデータは含まれておらず、公開状況を反映したものであり、県全体の状況を示すものではありません。TOIMAPは、今後もより多くの自治体がデータを公開し、地域間の「トイレ格差」が解消されることを目指します。
【調査概要】
調査主体:KICKs(TOIMAP運営)
調査対象:各自治体が公開する「公衆トイレオープンデータ」
分析基準:オープンデータとして公開されている施設箇所が100ヶ所以上確認できた14都道府県(合計4,383施設)を抽出して比較。
調査基盤:トイレ検索サービス「TOIMAP」(保有データ2万ヶ所以上)
集計期間:2025年11月14日時点
集計方法:
・洋式化率: 全洋式個室数 ÷ 全個室数
・女性個室比率: 全女性個室数 ÷ 全男性個室数
KICKs
https://kanko-innovation.com/
(マイナビ子育て編集部)
