
【医師監修】赤ちゃんが泣く理由がわからない…原因は?どう対応すればいい?
泣いている赤ちゃんは、上手にあやせば泣き止むと思っている人が少なくありません。でも順調に育っていて問題もなさそうのに、どんなにあやしても泣き止まない時期もあるのです。今回は赤ちゃんが泣く理由と対応についてお話します。
赤ちゃんは理由もないのに泣くことがある


泣きのピークは生後2ヶ月
ママ・パパになりたてでよく悩むのが、「赤ちゃんが泣いているのに理由がわからない」、しかも「あやしても泣き止まない」ことです。
実は、健康に育っていても「低月齢のころには特に原因が見当たらないのに泣き続けて、なだめても何をやっても泣き止まないことがある」とわかっています。こうした泣きは生後2週間くらいから始まり、生後2ヶ月ころにピークを迎えて、生後5ヶ月くらいまで続く傾向があります。

もちろん個人差はあり、生後3週間で泣きのピークを迎える赤ちゃんや1日でわずかの時間しか泣かない赤ちゃんもいます。個人差がある理由もわかっていませんが、いずれにしてもこうした泣きはピークを迎えてやがて落ち着いていきます。
この泣きには6つの特徴があって、その英語の頭文字から「パープル(PURPLE)クライング」と名づけられています[*1]。
P:泣きのピーク(Peak of Crying)
赤ちゃんは週数が増えるにつれてさらに泣くようになります。生後2ヶ月目でもっともよく泣き、生後3~5ヶ月くらいにはこうした泣きは減っていきます。
U:予想外(Unexpected)
泣いたり泣き止んだりはするものの、その原因はわかりません。
R:なだめても抗う(Resists soothing)
どんなふうになだめても泣き止まないかもしれません。
P:痛そうな表情(Pain-like face)
泣いている時は、痛みがなくても痛みを感じているように見えることがあります。
L:長く続く(Long lasting)
泣きは1日に5時間、またはそれ以上続きます。
E:夕方から晩(Evening)
午後遅くや夕方~夜の初めくらいによく泣きます。

初めての育児は不安もいっぱいですが、
「小さい赤ちゃんは理由もなく泣くことがあるし、なだめても泣き止まないことがある」
「でもそういう泣き方はいつか落ち着いていく」
とわかっていると、少し安心できますね。
泣いた時の対処は?


パープルクライングで赤ちゃんが泣いている場合は、大人が何をやっても泣き止みません。でも赤ちゃんはパープルクライングではなく何か理由があって泣いている場合もあるので、ただ放っておくのも心配ですね。
赤ちゃんが泣いているから何かしたい、でもどうしたらいいかわからない――そんな時にできる対処方法をお伝えします。
泣いたらやってみよう
まずは以下の原因がないかを確認しましょう。
・授乳の必要はないか
お腹がすいて泣いているのであれば、母乳やミルクをあげれば落ち着きます。
・おむつ・おしりかぶれはどうか


おしっこやうんちの不快感で泣いていることもあります。おむつが汚れていれば速やかに替えましょう。
また、おむつかぶれなどの皮膚トラブルと起こし、痛くて泣くこともあります。かぶれが見られたら、清潔にしてワセリンなどで保湿・保護を。ひどい・長引くようであれば、小児科や皮膚科を受診しましょう。
・着せている服や室温はどうか
服がきつかったり、暑い・寒いなどの理由がないか、部屋の温度を含めて確認しましょう。
・歯の状態はどうか
個人差はありますが、生後6ヶ月前後で乳歯が生えてきます。乳歯の生え始めは痛みやむずがゆさで不機嫌になりやすくなりますが、歯が生えきればおさまります 。
その他、具体的な問題が見当たらない時には、以下のようなことを試してみましょう。
・抱っこしてトントンする
抱っこしてもらうことで落ち着くこともあります。トントンと優しく叩く、ゆ~らゆ~ら抱っこで体をゆらす、背中をさするなども試してみましょう。
・胎内の状態を再現する
小さく「シー」と言ったり、ビニールをクシャクシャさせる音をお聞かせると落ち着くことがあります。
・ベビーカーで散歩する・ドライブに連れていく


心地よい振動で泣き止むことがあります。
そのほか、思いつくことをいろいろ試してみましょう。
どうしても泣き止まない時は?
「赤ちゃんは泣くのが仕事」という言葉もあります。赤ちゃんがよく泣くのは当たり前なのです。
パープルクライングのように、あやしても抱っこしても、色々な音を聞かせてみても、どんなことをしても泣き止まないこともあります。
あやしても泣き止まず、おむつの状態や空腹かどうかも確認して、体の状態も問題ないのであれば、ママやパパのせいではありません。育て方や関わり方に関係なく、赤ちゃんは泣くことがあるのです。
なかなか赤ちゃんが泣き止まないと、イライラするのも当然です。
しかし、ついカッとなって赤ちゃんを前後に強く揺さぶるなどすると、脳に損傷を負わせ(揺さぶられっ子症候群)、言語障害や学習障害などの後遺症が残ることもあり、場合によっては命を落とす頃もあります。
イライラしたりつらくなったら、赤ちゃんを安全な場所に寝かせて、少しだけその場を離れましょう。少し落ち着いたら、赤ちゃんのところに戻って様子を確認すれば大丈夫です。
原因は追究しないで大丈夫
パパやママの中には、「理由がなければ泣くはずがない」「何か泣き止ませる方法はあるはずだ」とつい一生懸命になってしまう人もいるかもしれません。
でも、世界中の研究者が研究していても、まだパープルクライングが起こる理由はわかっていません。
泣く原因を探し続けたり、泣き止ませようと一生懸命になってしまうと、ママやパパが精神的に追い詰められてしまうことがあります。
何をやっても泣き止まない時は、「大声で泣けるほど元気に育っている」と考えることもできます。泣く赤ちゃんを見守るのも子育てのうちです。焦らずできるだけ落ち着いてくださいね。
こんな時は病院へ


赤ちゃんは理由もなく泣くことがありますが、具合が悪くても泣きます。
泣き続ける赤ちゃんに次の症状も見られたら、病院で診てもらいましょう。
至急病院へ!
次のような症状があったら、急患としてすぐに病院で診てもらいましょう。
泣いていたのに、急に泣き止みぐったりした。
38度以上の発熱がある(生後3ヶ月未満)
おまた(陰のう、股のつけね)がふくらんでいる。
顔色が悪く、不機嫌にしている。 [*2]
血便や頻回の嘔吐がある。
様子を見守り診療時間に小児科へ
次の症状が見られたら、おうちで様子を見て診療時間に小児科で診てもらいましょう。
ただし、症状が変わったり悪化したら、急患として診察してもらいましょう。
2~3日前からうんちが出ていない。
おしりが赤い。 [*2]
そのほかにも、赤ちゃんの様子に違和感を感じたり、気になることがあったら、かかりつけの小児科で相談しておきたいですね。
まとめ


赤ちゃんは生後2週間ごろから5ヶ月ごろまで、何をやっても泣き止まず、何時間も泣き続けることがあります。これはパープルクライングといって、誰にでも起こることがある泣きです。
病気や怪我などはないか、おむつ汚れや空腹ではないかなどを確認して、色々な方法であやしても赤ちゃんが泣き続けてしまう時には、赤ちゃんを見守ることも大切。わけのわからない泣きはつらいものですが、試行錯誤するうちにママやパパと赤ちゃんとの間に愛着関係が育っていきます。
赤ちゃんにとっては泣くのが仕事。いつか必ず泣き止むようになるので、自分を責めないで赤ちゃんを気長に見守っていきましょう。
(文:大崎典子/監修:大越陽一先生)
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※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます