
玄米を食べられるのは何歳から?離乳食ではNG?【管理栄養士監修】
栄養豊富なイメージの強い玄米。「子供には体にいいものを食べさせたい!」と思う保護者の方にとっては、とても気になる食材ですよね。とくに離乳食を食べている時期は使う材料選びに迷うものです。では、玄米は赤ちゃんに食べさせてもいいものなのでしょうか。玄米が食べられる時期の目安とともに解説します。
玄米、赤ちゃんは離乳食で食べていいの?

大人でもしっかり噛むことは大変な玄米。あごの力が弱い離乳期の赤ちゃんには向きません。
玄米は食物繊維を多く含みます。離乳初期(5〜6ヶ月)の赤ちゃんが飲み込みやすいような “なめらかなペースト” にしにくく、離乳中期(7〜8ヶ月)の子も “舌でつぶせるやわらかさ” になりません。離乳後期(9〜11ヶ月)以降も噛みつぶすのが難しいので、離乳期は使わない食材の一つです。
玄米とは?
玄米は、稲のもみから“もみ殻”を除いたもので、糠(ぬか)と胚芽が残った状態のお米です。かたい表皮に覆われています。

通常よく食べられている白米では、精米によって糠層や胚芽が除去されています。白米にすることで栄養価は落ちますが、消化吸収はよくなります。
離乳期は食べる練習の時期

離乳食は、母乳などでは足りない栄養素を補う役割も担っていますが、何より舌や歯ぐきで食べ物をつぶしたり飲み込んだりといった「食べる練習」のためのものでもあります。赤ちゃんの咀しゃくや消化能力に合わせた材料、かたさや形状・味付けにすることが大切なのです。
離乳期に使うお米は玄米を避け、白米などの消化吸収のよいものにしましょう。
玄米はいつから食べられる?

玄米はかたい層に覆われており、炊飯してもなかなかやわらかくなりません。歯が生えそろい、噛み合わせができるまではしっかり噛んで食べることは難しいでしょう。
噛み合わせの完成は3歳〜3歳半ごろと言われていますので、そのころが玄米を食べられるようになる一つの目安となります。
離乳食での玄米、よくある疑問
それでは離乳食を作る上での玄米にまつわる疑問について見ていきましょう。
玄米粉は使ってもいい?

玄米粉は、粉になっているので「噛みつぶせない」という課題はクリアできますが、表皮や糠の部分はヒ素の心配があり、消化吸収機能が未熟な赤ちゃんが積極的に摂取するメリットはありません。あえて使わなくていいでしょう。
米のヒ素について
通常の食生活を送る上では問題になることはありませんが、ヒ素は自然環境の中に広くあるもので、微量ながら様々な食品に含まれています。
米に含まれるヒ素(無機ヒ素)は糠部分に多く含まれているので、玄米を白米に加工したり、白米に精米した後も米をよく研いだりすることで、無機ヒ素濃度を低くすることができます。
参考:農林水産省「お米を調理、食べる際に家庭でできる工夫はありますか。」
雑穀米は食べられる?

精白米に混ぜて炊飯することが多い雑穀米ですが、玄米ほどかたくないため離乳期でも食べることはできますが、食物繊維は多いので消化吸収がいいとは言えません。雑穀米を入れて炊飯し炊き上がると、雑穀米は上の方に集まっていますので、赤ちゃんには混ぜる前に底の方からすくった精白米の部分を分けてあげるといいでしょう。
まとめ

ダイエットや健康を意識した食事に取り入れやすい玄米ですが、離乳期の赤ちゃんには少し早いです。もう少し大きくなってから、たくさん噛んで食べてお口の力も強くしたいですね。
(文:奥野由 先生、監修:川口由美子 先生)
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