
妊婦はバナナで便秘対策!うれしい効果と注意点【管理栄養士監修】
バナナは皮が剥きやすく、手軽に食べられる果物です。体が思い通りに動かないことも多い妊娠中でも、手に取りやすい食材ですよね。今回は妊婦さんがバナナを食べることについてお伝えします。
妊婦にうれしいバナナの栄養と効果


バナナには妊婦さんに嬉しい栄養素が豊富に含まれています。調理の必要もないので、簡単に食べられるのもいいですね。
赤ちゃんの成長を助ける「葉酸」
葉酸はお腹の赤ちゃんの神経管の形成に関係していると考えられていて、妊婦さんは妊娠していない時よりも葉酸を多く摂取するように推奨されています。
バナナは果物の中でも比較的葉酸が豊富に含まれています。
妊娠後期のむくみ・高血圧対策に役立つ「カリウム」
妊娠後期はホルモンバランスや、大きくなったお腹で足の付け根が圧迫されることでむくみが起こりやすくなります。また、塩分もむくみの原因となります。
むくみの予防には食事からの塩分を控えることに加えて、塩分を尿中へ排出するカリウムの摂取も重要となります。バナナはカリウムを豊富に含む果物の一つです。
妊娠中の便秘対策に役立つ「食物繊維」


妊娠中に便秘がちになる女性は少なくありません。
バナナは食物繊維を多く含む果物です。ヨーグルトにバナナを入れたものをおやつにしてみると良いかもしれませんね。
つわり時にもバナナがおすすめ
バナナには辛いつわり症状を軽減させる成分が含まれていると言われています。食べられそうであればバナナを取り入れてみても良いかもしれません。
ビタミンB6がつわり症状緩和に役立つ

神経の機能を正常に保つ働きがあるビタミンB6は、不足することでつわり症状が悪化する可能性があります。また、つわり症状を引き起こす原因物質が、ビタミンB6不足によって生じると言われているため、ビタミンB6の摂取はつわり症状緩和が期待できると言われています[*1]。
バナナはビタミンB6を豊富に含む果物です。
食欲がないときはバナナで手軽に栄養補給
食欲がない時に料理をすることはとても億劫ですよね。バナナなら皮を剥くだけで食べられますよ。
また、つわりの時期はひんやりした口当たりの食べ物を好む人も多いようです。薄く切って冷凍庫にストックしておけば、食べたい時にすぐ食べられるのでおすすめです。
バナナの食べ過ぎには注意が必要
手軽に様々な栄養が補給できるバナナですが、バナナばかり食べ過ぎてしまうとデメリットもあります。
食べ過ぎで高血糖、体重増加のリスク


バナナは果物の一種ですが、他の多くの果物に比べると糖質が多く、エネルギー量(カロリー)が多いことが特徴です。バナナ1本で白飯1/2杯分のエネルギー量になるため、栄養価が高いからと頻繁に食べ過ぎると体重が増えてしまうかもしれません。また、食後の血糖値も上がりやすくなります。
どんな食べ物でも “適度な量” が大事ですね。
妊婦がバナナを食べるときの目安量
「バナナだけで1食済ませる」などとせず、果物の1つとして食事に取り入れるようにし、1日1本程度にできると良いでしょう。
そのまま食べるのもいいですが、野菜などと合わせてスムージーにしたり、牛乳と合わせてジュースにすることで色々な食材と一緒に摂ることができますよ。
まとめ


栄養価が高く手軽に食べられるバナナ。カリウムや食物繊維に加えて、葉酸やビタミンB6も含まれており、妊婦さんの強い味方です。上手く取り入れることで妊娠中の栄養バランスの底上げに貢献してくれますよ。甘味があるのでおやつの代わりにすると、より食生活が整いそうですね。是非目安量を参考に取り入れてみてください。
(文:奥野由 先生、監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
[*1]第2回 妊娠初期のつわりに効果的な介入(対処)には何があるだろうか!?,江藤宏美他,ペリネイタルケア 26(2): 206-209, 2007
「日本人の食事摂取基準 2020年版」. 厚生労働省, 2020年2月
「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)」. 文部科学省
妊産婦のための食事バランスガイド,厚生労働省