生理予定日2日後に妊娠検査薬を使っても陽性になる? フライング検査で【医師監修】
妊娠しているかどうか早く知りたくて、検査薬の使用推奨時期より早い「フライング検査」を考えたり、実際にやってみた人もいるでしょう。その結果が陽性・陰性、両方のケースで考えられることや、検査薬を使う際の注意などについてまとめました。
妊娠検査薬で生理予定日2日後に「陽性」になることは?
受精卵が着床して妊娠が成立すると、妊娠を維持するために「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンが分泌され、その一部が尿の中に排出されます。このhCGを検出することで、妊娠しているかどうか検査できるのが妊娠検査薬です。
可能性アリ!
一般的な妊娠検査薬は、「生理開始予定日の1週間後以降」の使用が推奨されています。生理開始予定日2日後に検査をするのは、推奨時期より早めの「フライング検査」になりますが、この場合でも結果が「陽性」の反応を示すことはあります。
これは、尿の中に含まれるhCGの濃度と関係しています。hCGは、妊娠してはじめて分泌されるホルモンで受精卵が子宮に着床するとすぐ分泌が始まり、妊娠4週ごろからは尿中で検出されるようになります。その後、分泌量は急激に上がっていって妊娠8~10週ごろにピークとなるのが一般的です。
通常の妊娠検査薬は、尿中のhCG濃度が「50IU/L(尿1L中にhCGが50IU)以上」で陽性反応が出るようになっています。使用目安が「生理開始予定日の1週間後以降」とされているのは、そのころになると尿中のhCG濃度が普通50IU/Lを超えるからです。
ただ、hCGの分泌量や増加するスピードには個人差があります。また、予想より排卵日が早まったりすると、尿中のhCG濃度が早めに高くなることがあります。フライング検査をしたにもかかわらず陽性反応が出ることもあるのは、こうした理由が考えられます。
<体験談>妊娠検査薬はいつ陽性になりましたか?
生理予定日より前に陽性になった!
生理予定日ごろ!
生理予定日の数日後!
◆アンケート情報 2021年9月23日~2021年9月30日 調査対象:マイナビニュース会員、既婚女性 調査数:381名の結果から抜粋
調査方法:インターネットログイン式アンケート
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※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。
妊娠検査薬で生理予定日2日後に「陰性」になったら?
妊娠検査薬を生理予定日の1週間後より早く使用して陽性になることもあると解説しましたが、もちろん「陰性」が出ることもあります。とはいえ、フライング検査の場合は陰性だからといって妊娠していないとは言い切れません。
数日後に再検査して
生理予定日2日後に妊娠検査薬を使って「陰性」となった時には、大きく分けて
(1) 妊娠していない
(2) 妊娠しているのにhCGがまだ少なすぎて陰性になっている
という2つの可能性が考えられます。
(2)の場合は、前述したように妊娠しているのに検査時期が早すぎるために尿中のhCG濃度が不十分で、薬剤が検知できなかったことが考えられます。
フライング検査の場合は、「陰性=妊娠の可能性はゼロ」ではないので、改めて妊娠検査薬の使用推奨時期とされる「生理開始後1週間後以降」に再検査をしてみましょう。
陰性から陽性に変わることも!
フライング検査の結果が陰性でも、妊娠検査薬の使用目安と推奨される「生理開始予定日の1週間後以降」に再検査をしてみたら、判定が「陽性」に変わることもありえます。妊娠している場合はそのころには、検査薬の薬剤が反応するのに十分なhCG濃度になっていることが多いからです。
<体験談>最初「陰性」で後で「陽性」になった?
◆アンケート情報 2021年9月23日~2021年9月30日 調査対象:マイナビニュース会員、既婚女性 調査数:381名の結果から抜粋
調査方法:インターネットログイン式アンケート
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※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。
妊娠検査薬が反応するタイミングはいつ?
市販の妊娠検査薬の精度は非常に高く、妊娠している場合には99%以上の確率で陽性反応が出ると言われています。ただそれは、「検査薬の注意事項を正しく守って使う」ことが大前提です。まずは検査薬の説明書をよく読んで、適切な使用時期を確認してから使いましょう。
通常は早くても生理予定日以降
一般的な妊娠検査薬のほとんどが、使用するタイミングとして「生理開始予定日の1週間後以降」を推奨しています。そのころになれば、妊娠している場合は尿中のhCGを薬剤が検出できるからです。
「早期妊娠検査薬」は生理予定日からOK
また、妊娠の有無をもっと早く知りたい場合には、チェックワン(R)ファストのような「早期妊娠検査薬」も市販されています。
早期妊娠検査薬はhCGの検出感度が高く、尿中のhCG濃度は通常の半分の25lU/L以上で検出できます。そのため、「生理開始予定日の当日」から使用することができるのです。
妊娠検査薬の正しい使い方まとめ
妊娠検査薬に使われている薬剤はデリケートで、扱い方や保管場所などによっては変化・劣化していることもあるので、正確な判定結果を得るためには何より正しく使うことが重要です。使用する際のポイントを確認しておきましょう。
・使用前に「説明書」をよく読んで、正しい使用方法を確認してから使う
・適切な状態で保管され、「直前まで未開封」の検査薬を使う
・パッケージに記載されている「使用期限内」のものを使う
・使用する製品が推奨している「使用時期」に使う
・検査の時間帯は基本的にいつでもOKだが「朝一番の尿」がおすすめ
妊娠検査薬をフライングで使うとどうなる?
市販の妊娠検査薬が推奨している使用時期より早く、フライング検査をしてもいいのでしょうか。その場合、結果はどうなるのかも知っておきたいですね。
正確性が下がる
市販の妊娠検査薬は、たいてい検査薬の薬剤の部分を尿に浸すか尿をかけて使います。そのため、各検査薬が推奨している時期より早く使ってみること自体は可能です。
ただ、フライング検査の時期によっては、妊娠していても尿中のhCG濃度がまだ低いため、陰性になることがあります。正しい判定結果を得るためには、やはり妊娠検査薬は推奨されている時期に使用することが大切なのです。
早期妊娠検査薬も生理予定日から
hCGは、たいてい妊娠4週ごろから尿中に検出されるようになりますが、これはちょうど次回の生理開始予定日ごろにあたります。
このころはまだ、hCGの分泌量は少ないのですが、早期妊娠検査薬なら尿中のhCG濃度が通常の半分量で検出できるため、「生理開始予定日の当日から」使用できるというわけです。
ただ、早期妊娠検査薬もその製品が推奨している時期より早く使用すると、正しい結果が得られないことがあります。
妊娠検査薬の線が「薄い」場合はどんな可能性がある?
妊娠検査薬を使ったら、判定窓に出た線が「薄かった」ということがあります。その場合には、次のような原因が考えられます。
hCGの量が少なかった
検査薬の判定窓に出た線が薄かったとき、まず考えられるのは尿中のhCGの量が少なかったケースです。検査をする時期が早すぎ、hCG濃度が十分でないと、判定線が薄くなったり陰性になったりすることがあります。
また、適切な時期に検査をした場合でも、生理不順の人や、体調やストレスなどの影響でたまたま排卵がズレてしまうとhCGの分泌量が少ないために判定線が薄くなることがあります。
尿が薄かった
検査に使った尿が薄いときにも、判定線が薄くなりやすいでしょう。尿が薄いと尿中のhCG濃度も薄くなるので、検査直後には反応が出ず、少し時間が経ってから判定線が出てきたり、薄い色の線が出たりしますし、時には陰性になることもあります。
尿が薄くなる一番の原因は、妊娠検査薬を使う前にたくさんの水分を飲んだことです。まず妊娠検査薬を使う前には、飲み物をたくさん飲み過ぎないようにしましょう。
「妊娠検査薬の正しい使い方のポイント」で解説したように、朝に使うのもおすすめです。一般的に朝起きてすぐの尿は一日の中で一番濃くてhCG濃度も比較的高いので、正確な判定が出やすいのです。
「蒸発線」の可能性も
市販の妊娠検査薬は、判定が出るまでの時間の目安を「10分以内」としているものがほとんどです。ところが、薬剤に尿をかけてしばらくは反応がなかったのに、10分以上経ってからごく薄い線が出てきた、というケースもあります。
この線が、陽性の時に出てくるはずの色とは判別しにくく、薄いグレーか透明に近いものなら「蒸発線」と考えられます。
蒸発線は、尿をかけた薬剤の部分から水分が蒸発し、尿中の成分が残ってしまい周囲より色が濃くなった状態です。この場合は、検査薬がhCGに反応して出た線ではないので、「陰性」と判定します。
受診はいつ?フライング検査で陽性の場合・陰性の場合
フライング検査の結果が陽性と陰性、それぞれのケースについて、受診はいつどうすればいいのかを知っておくことも大切です。
陽性|通常は「生理予定日の翌週」でOK
フライング検査の結果が明らかな陽性だった場合は、生理開始予定日から1週間経ったころ産婦人科を受診すると良いでしょう。検査薬で陽性の判定が出たなら妊娠している可能性が高いのですが、フライング検査の場合は陽性が出てすぐに受診すると、赤ちゃんがまだ小さすぎて、超音波検査で確認できない場合があるからです。
ただし、初めての妊娠で不安なことがあったり、出血や腹痛など他の症状があって心配なときは、すぐに受診してください。
陰性|生理が来ない場合などは受診
前述したように、フライング検査をして結果が陰性でも、妊娠していないとは言い切れません。まずは、推奨される適切な時期に再検査をしてみてください。再検査で陽性が出たら、産婦人科を受診しましょう。
再検査の結果がまた陰性でも、生理がなかなか来ない時には早めに産婦人科で相談しましょう。妊娠していないのに生理が遅れたり来なかったりするのは、ストレスや過度なダイエットのほか、婦人科系をはじめとするさまざまな病気が原因で無月経になっていることがあるからです。妊活中ならとくに、体に気になる点がないかよく調べてもらってください。
まとめ
妊活に励んでいたり、「もしかして……」という予感がすると、1日でも早く妊娠の有無を確認したくなりますね。市販の妊娠検査薬は、高い精度で妊娠の有無がわかりますが、それは「正しい時期」に「正しい使い方」をした場合です。
フライング検査をして陰性でも、正しい時期に再検査をすると陽性の判定が出ることもあります。妊娠検査薬は説明書をまずよく読んで、適切な時期や使用方法を守って使い、正しい結果を得たいものですね。
(文:村田弥生/監修:窪麻由美 先生)
※画像はイメージです
※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます