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2024年09月27日 10:00 更新

いま、子育て世代の移住がアツい!? 「日本一の公教育」を目指す北海道・安平町がすごいらしい

PR:安平町

子どもにとって多くの経験や成長ができる土地で暮らしたいけれど、どこが良いのかわからない…そんな教育移住で悩んでいるママ・パパにおすすめなのが、北海道・安平町(あびらちょう)。札幌市から車で約1時間の場所にある緑豊かな美しい町が今、教育に特化したまちづくりで全国から注目を集めています。安平町で大切にしていることは、子どもも大人も自分の人生を豊かに生きるために挑戦すること。今回は、そんな安平町の教育長である井内聖さんにインタビューしてみました。

安平町ってこんな町!

安平町(あびらちょう)は北海道南西部に位置し、2006年に早来町と追分町が合併して誕生しました。自然豊かで、春には菜の花畑が美しく競走馬生産やチーズで有名です。新千歳空港から車で約20分、札幌市から約1時間の便利な場所にあり、教育環境も充実しています。

子どもから大人まで生涯を通して取り組む「あびら教育プラン」とは?

子育て世帯の移住者が増えている町・安平町で取り組んでいるのが、2019年よりスタートした独自の教育パッケージ「あびら教育プラン」。子供から大人まで自分の人生を豊かに生きるために挑戦する人を応援することを目的とした取組を実施しています。

―安平町が取り組んでいる教育が、今全国から注目されていると聞きました。「日本一の公教育の町」をめざしているそうですが、大切にされているポイントは何ですか?

井内さん(以下、井内)今の学校教育は学びの面白さよりも偏差値学力がどうしても重視される傾向にあります。勉強することはもちろん必要ですが、学力以前に、「自分が知りたい」「社会を良くしたい」「人を助けたい」といった本人の意思が大事だと思うんです。安平町では、作られた社会の中に入っていくような教育ではなく、まずは自分の「やりたい」という気持ちがあって、そこから自分の意思で人生を歩んでいけるような教育をめざしています。

―受け身ではなく、本人主体の教育ということですね。おもしろそうです!

井内 はい、誰もが自分の人生の主人公であり、年齢に関わらず有能な学び手です。そこで、0歳から大人まで、あらゆる人たちの学ぶきっかけを作るには、まず最初に“遊び”が重要だと考え、そこから「あびら教育プラン」が生まれました。

―「あびら教育プラン」には「遊育」「あびらぼ」「ワクワク研究所」「ABIRA Talks」4つの事業があるそうですね。具体的にどのような内容でしょうか?

井内 世代に合わせた内容で遊びやプログラムを提供しています。

まず、乳幼児から小学生が対象「遊育」では、自然環境を活用した遊び場を開発し、子どもたちに遊びを通して成長してもらう機会をつくっています。たとえば、園庭の真ん中に小さな山があるこども園があるのですが、そこでは夏は山にブルーシートを敷いて、井戸水を流しっぱなしにして、ウォータースライダーにしています。子どもたちはもうとにかく楽しそうです。そんな感じで、ルールで縛るのではなく、子どもたちが自由に遊べる環境をつくっています。

こども園の手作りウォータースライダー

続いて、小学5年生から中学3年生までを対象にした放課後教室「あびらぼ」では、安平町ならではの探究型学習を提供しています。これまでに、本格的なビジネスを学んで販売したり、動画制作でバラエティ番組をつくってみたり、たくさんのチャレンジが生まれています。そのチャレンジの中には、たとえば、ポスターデザインやイベントの企画などのスキルが含まれていて、それらが自然と身につくようなプログラムになっています。

自分のやりたいことが見つかったら、それに熱中できる場所も必要になってきます。そこで、用意されているのが、小学5年生から中学生が対象「ワクワク研究所」。子どもたちが自分自身の “やりたい”に向き合い、自ら「プロジェクト」を企画し、実践する、子どもの探究活動をサポートする教室です。

やりたいことやアイデアは、「ABIRA Talks」というクラウドファンディングイベントの場で発表できます。ここでは、賛同したサポーターから出資を募ることができますが、普通のクラウドファンディングと違い、目標金額は上限5万円。数千円という目標額の人も多く、その分かなりハードルが低く、小学生でも挑戦しやすくなっています。さまざまなチャレンジが実際に達成されていて、自分の夢がカタチになる体験ができるんです。

―想像するだけでワクワクします。実際に体験した親御さんからはどんな声が寄せられていますか?

井内 僕は幼児教育出身なので、幼児を見ることが多いのですが、「遊育」を体験している幼児はとにかく楽しそうです。親御さんは、「子どもがお腹を空かして帰って来る」「とにかく園に行くのが楽しそう」「クタクタになるまで遊び、夜は速攻寝て、朝まで起きない」という話を、本当に嬉しそうな表情で話してくださいます。やっぱり、我が子が楽しい毎日を送れているのが、親にとってはいちばんの願いなんだと思いますね。

―遊びつくせる毎日って、とても充実感がありそうですね。「ABIRA Talks」のクラウドファンディングイベントでは過去にどんなものが達成しましたか?

井内 いろいろあります。例えば、チアダンスの10周年イベントで、支えてくれた人たちにトートバッグをプレゼントしたいと言って参加した子どもたちもいました。プレゼントにはお金が必要だということで、その想いをデザインやストーリーにのせてプレゼンし、見事に成功させました。「ABIRA Talks」では、チャレンジした子どもたちだけでなく、サポートした周りの大人たちがそこから得られる気付きが多く、学ぶことは子どもも大人も関係ないということを実感することができます。

ユニセフ推進の子どもにやさしいまちづくり事業

―安平町は日本で初めて日本ユニセフ協会による「子どもにやさしいまちづくり事業(CFCI)」の実践自治体として承認を受けたそうですね。

井内 はい、2021年12月に承認されました。承認された自治体は、CFCIの実践に本格的に取り組むことになります。また、認められた範囲内でCFCIのロゴの使用ができます。

承認のきっかけは、当時の小学校6年生がこども園の園庭に自分たちで遊具をつくったことです。さらに翌年の小学校6年生が「自分たちの校庭にも楽しい遊具を作りたい!」と言い、地域団体がサポートして、子どもたちが遊具をつくりました。この一連の取り組みをユニセフが知り、「今やっていること自体がまさにCFCIです」と言われ、承認に至りました。そもそもCFCIの“子どもにやさしいまち”の定義に遊びと意見表明があります。安平町の取り組みが、CFCIのめざすものと直結したんだと思います

遊具を作るこどもたち

―CFCIの承認を受けて、町に変化はありましたか?

井内 ええ、「子どもの意見を大切にしよう」とか「子どもの遊び場を大切にしよう」という子どもを尊重する考えが、学校や子ども園という枠の中だけではなく、町全体での大きな取り組みに変わってきました。学校や自治体で何かする時に「子どもはどう考えているんだろう?」と、子どもの意見を聞こうというスタンスになったのも大きな変化ですね。子どもを子ども扱いするのではなく、ひとりの人間として尊重するという考えがどんどん広がっています。

未来の学校づくり、町づくりへの夢が膨らむ「追分地区」

―早来地区には、2023年4月に「早来学園(はやきたがくえん)」が開校しましたね。話題になっていますが、どんな学校なのでしょうか。

井内 1年生から9年生まである、小中一貫の義務教育学校です。日本で唯一チームラボが空間設計したことでも話題になりました。校舎は地域住民が自由に利用できるのが特徴です。図書室も開放していて、オフィスとして利用している方もいます。休み時間には、そこに子どもたちがやって来て、大人と子どもでわちゃわちゃするんです(笑)。

―楽しそうですね。地域の大人と子どもたちがつながりを持つよい環境ですね。

井内 はい。もうひとつは、教科専用教室と言って、「国語室」「外国語室」「社会科室」のように、教科専用の教室を設けています。小学生から教科専任の先生がいて、専用教室を使えるので、掲示物や教室の設えの工夫への自由度が高く、教科に興味を引く仕掛けが盛り込みやすいんです。

―そんな教室だと、子どもたちが探求心を突き詰められそうです。安平町には早来地区のほか、追分地区がありますが、ふたつの地区の違いを教えてください。

井内 安平町として受けられる行政サービスは同じですが、早来地区と追分地区は特色が異なります。わかりやすい特徴としては、早来はスポーツ地区、追分は文化地区と言われています。また、早来地区は、やはり早来学園に非常にトピックがあり、施設の魅力にあふれているため、早来学園に通いたい移住者が増えています。追分地区もいずれ義務教育学校をつくろうという構想が上がっています。追分地区は未来の学校づくりに参加できるというおもしろさがあります。

―追分地区はこれから新しいものを生み出せる場所なんですね!

井内 そうなんです。子どもが通う学校づくりに携われる人は、世界に何人もいないと思いますよ。追分地区は今いろいろ動きがあって、これからみんなの意見を集めながらつくられていくので、自分がまちづくりの一員になれると思います。自分たちの手でつくるということを楽しみたい方は追分地区がおすすめですね。

―どちらの地区もすごく魅力的ですね。最後に移住検討者へ向けてメッセージをお願いします。

井内 安平町が目指しているのは、子ども大人に限らず人が豊かに生きれる町。ここでは、ひとりひとりの意思が尊重されます。サービスを消費する側になるのではなく、住みやすい町を一緒につくりながら、好奇心の赴くままに暮らしてほしい。子どものために移住するというのもひとつかもしれませんが、ぜひ保護者の方もワクワクしながら検討していただければ嬉しいです。

<おわりに>
子育てと教育に力を入れる安平町は、子どもも大人も生き生きと自分らしく暮らせる町。町としての取り組みを聞くと、子育て世帯の移住先として人気というのも納得です。移住者のために交流会プログラムも用意されているそうなので、知れば知るほどおもしろい安平町をぜひチェックしてみてください!