授乳中のカフェインはどれぐらいまでOK?コーヒー、緑茶の量は?摂取基準と注意点【助産師解説】
母乳育児中、赤ちゃんへの影響が気になるカフェイン問題。ここでは、授乳中のカフェイン摂取について助産師が解説しています。授乳中もカフェイン摂取は控えた方がいいのか? コーヒー、緑茶、紅茶はどのぐらい飲んでいい? 1日の摂取量の目安は? など、気になる疑問をチェック!
授乳中のカフェイン摂取によるママと赤ちゃんへの影響
授乳中のカフェイン摂取は、母乳を通して赤ちゃんに何かしらの影響をもたらすのでしょうか? 授乳中のカフェイン摂取によるリスクと、注意点についてお伝えします。
授乳中のカフェイン摂取は1日200〜300mgまで
授乳中のカフェイン摂取は、海外の各機関で妊娠中と同じく1日200~300mgを超えないよう勧告されています[*1]。
つまり、授乳中のカフェイン摂取は厳禁ではありませんが、妊娠中と同じくらいには摂取量に注意する必要があるということ。やはり赤ちゃんへの影響を考慮し、普段より少なく摂ることが望ましいということでしょう。
摂りすぎると、赤ちゃんが眠らなくなったり興奮するリスクも
妊娠中は血液からカフェインが消失するまでの時間が通常より遅くなるため、少量でも普段よりその影響が大きくなることが懸念されています。その点、授乳中は妊娠時の体とは違うので、このような問題はありません。
しかし、授乳中にカフェインを摂りすぎると、微量ながらも母乳を通して赤ちゃんが摂取することになり、赤ちゃんへ悪い影響を及ぼす可能性があることが示唆されています[*2]。子供が多くカフェインを摂取すると、不眠や興奮などが増える可能性があります。
妊娠中は食生活に特に気をつけなければならないため、いろいろと我慢していたママも多いでしょう。出産後はやっと解放された! との喜びもあると思いますが、上記の懸念点を考えても、授乳期間は妊娠中同様にカフェインの摂取量に注意し、1日の上限を超えないよう心がけましょう。
妊娠中や授乳中は、カフェインの摂取量を少なくする工夫をしてみるといいですね。デカフェのものを選んだり、普段多く飲むのは麦茶やたんぽぽ茶(たんぽぽコーヒー)などのノンカフェインの飲料にするのがおすすめです。
飲料・食べ物別、カフェイン含有量と授乳中の摂取目安
カフェインは、適量であれば頭が冴えて眠気も覚ます効果が期待できます。過剰に摂取すると、健康な成人であっても、心拍数の増加やめまい、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気などの症状が引き起こされる可能性があることがわかっています。そのため、授乳中いかんにかかわらず、カフェインの過剰摂取には日ごろから注意が必要です。そのうえで、授乳中は前述のとおり赤ちゃんへの影響も懸念されるので、なるべく少なく摂るよう心がけることが大切です。
では、各飲料にどのぐらいのカフェインが含まれるのかを見てみましょう。
飲料のカフェイン含有量と授乳中の1日上限量<表>
授乳中に摂取できる1日あたりのカフェイン上限を飲料に当てはめると、どのくらいの量になるのでしょうか。主なカフェイン入り飲料別に、カフェイン濃度[*1][*4]とその上限目安をまとめました。参考にしてください。
飲料名 | カフェイン濃度 | 上限目安 |
---|---|---|
コーヒー | 60mg/100ml | 200mlのカップ1~2杯程度 |
紅茶 | 30mg/100ml | 200mlのカップ3杯程度 |
緑茶(煎茶) | 20mg/100ml | 200mlのカップ5杯程度。500mlペットボトル2本程度 |
ウーロン茶 | 20mg/100ml | 200mlのカップ5杯程度。500mlペットボトル2本程度 |
ほうじ茶 | 20mg/100ml | 200mlのカップ5杯程度。500mlペットボトル2本程度 |
玄米茶 | 10mg/100ml | 200mlのカップ10杯程度。500mlペットボトル4本程度 |
番茶 | 10mg/100ml | 200mlのカップ10杯程度。500mlペットボトル4本程度 |
抹茶 | 48mg/70ml | 70mlの湯飲み4杯程度 |
玉露 | 160mg/100ml | 100mlを1杯程度 |
※上限目安:授乳中の1日あたりのカフェイン摂取上限を200mgで計算した場合
上記の上限目安は、あくまでも製品単体での値です。他のカフェイン入り食品・飲料を合わせて摂る場合は、それに合わせて量を調整してください。
まとめ
授乳中のカフェインの影響については、まだはっきりしたことがわかっていませんが、摂りすぎると赤ちゃんに不眠や興奮などの影響をもたらす可能性があるといわれています。カフェインの感受性には個人差があるようなので、1日に200~300mgを上限に、より少なく摂るよう努めたいですね。麦茶やたんぽぽ茶(たんぽぽコーヒー)、ノンカフェインコーヒーなど、カフェインを含まないものも上手に活用し、ストレスをためないよう工夫してください。
(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:坂田陽子先生)
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※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます