【医師監修】着床出血が起こる期間はいつからいつまで? 生理とどちらが早いの?
妊娠したとき起こることがあるという「着床出血」。起こるとすればいつごろあるのか、どのくらい続くのか……気になりますよね。ここでは、生理との違いも含め、着床出血の期間について考えてみます。
まずは「着床」についておさらい
「着床出血」の期間について考える前に、まずは「着床」とは何なのかについて、おさらいしておきましょう。
「着床」=「妊娠が成立した」ということ
「着床」とは、受精卵が子宮内膜にくっつき、潜り込んでいくことです。そして、着床が起こってはじめて、「妊娠が成立した」ことになります。以下に、着床が起こるまでの流れと、それらがだいたいいつごろ起こるものなのかを簡単に説明します。
1)排卵(卵巣から卵子が飛び出すこと):生理開始から2週間後ごろ(生理周期が28日の人の場合)
2)受精(卵子と精子が卵管の中で出会う):排卵から1日以内
3)着床(受精卵が子宮内膜に潜り込むこと):受精の5、6日後には子宮に到着し子宮内膜にくっつく。着床が完了するのは、受精から12日後ごろ
「着床出血」が起こる期間はいつ?
さて、着床がどんな流れで起こるものなのかはわかりましたが、「着床出血」はいつごろ起こるのでしょうか?
生理予定日か、それより少し早いころに始まる
「着床出血は」は、受精卵が子宮に着床する際、潜り込んだところから少量出血することで起こります。ただし、着床出血がみられるのは、妊娠した女性のうち8~25%[*1]とされています。着床しても出血に気づかない女性のほうが多いことは覚えておきましょう。
さて、時期について話を戻すと、さきほど「③着床」は、受精から5、6日後ごろに始まり、12日後ごろに完了すると説明しました。つまり、次の生理開始予定日の1週間前くらい~数日前までの間に起こっているということです。
実際、「着床出血」は、「生理開始予定日ごろ」または「その少し前」に起こることが多いと言われています。
「着床出血」はどのくらい続くの?
さきほど説明したように、「着床出血」が起こるのはもともと生理が始まるころか、それより数日前です。では、出血が続く期間に生理との違いはあるのでしょうか?
数時間~長くても3日間程度
「着床出血」が続く期間は、普通、生理より短く、数時間~長くても3日間程度とされています[*2]。ただ、正常な生理の期間も、3~7日間[*3]とされているので、もともと生理の量や日数が少ない人では、生理との違いがあまりわからない場合もあるかもしれません。
ただし、「着床出血」は、“出血”と名がついていても出血量はごくわずかで、トイレで拭いた時や下着などに「少量の鮮血、あるいはピンク色や茶色のおりもの」が付く程度のことが多いようです。
まとめ
「着床出血」がいつ起こるのか、どの程度続くものなのかについて説明しました。もし、妊娠の可能性があって、生理なのか着床出血なのかが気になる場合は、妊娠検査薬を使ってみるとよいですね。使用の際は説明書の確認を忘れずに。陽性が出たら産婦人科を受診して妊娠を確定してもらいましょう。なお、生理か着床出血かにかかわらず、出血量がいつもよりとても多かったり腹痛がひどかったりしたら、すぐに受診するようにしましょう。
(文:マイナビ子育て編集部/監修:窪 麻由美先生)
※画像はイメージです
[*1]池ノ上克ほか「NEWエッセンシャル産科学・婦人科学」(医歯薬出版)p.327
[*2]American Pregnancy Association: What is Implantation Bleeding?
[*3]日本産科婦人科学会編 :産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第4版, p.59.
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます