
出産直後にパパスイッチをONにするコツ『パパのトリセツ2.0』Vol.2
「パパが家事・育児に取り組んでくれない!」とお嘆きのママは、パパを「全自動子育てロボット」と考えて接するとうまくいくかも!? ママたちの共感の嵐を呼んだ『パパのトリセツ』がアップデートして登場。本連載ではおおたとしまさ・著『パパのトリセツ2.0』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、一部内容を抜粋してお届けします。
スイッチONのタイミングとコツ
【出産直後】頼りなくても頼る

出産直後は、ママが心身ともにヘトヘトになりやすい時期です。悪条件が重なると、「マタニティブルー」や「産後うつ」なんてものが起こり得ます。
赤ちゃんのお世話はまだ不慣れで毎日てんてこ舞いだし、出産で消耗した体力が完全に戻るまでにはまだ時間はかかるし、「猫の手も借りたいくらい!」と言いたくなる状況でしょう。でも、猫の手を借りる前に、まずパパをあてにしてみましょう!
人間って不思議なもので、テンパっているときこそ、人にお願いすることができず、なんでも自分でやっちゃおうとすることってありませんか? 他人とコミュニケーションをとるだけの心の余裕がないもんだから、そうなっちゃうんです。仕事でもよくある話ですよね。こんなふうに、せっかくすぐ隣にパパがいるのに、うまく活用できてないことも多いんじゃないかと思います。それどころか、パパが手出しをしようとするなり、「違う! 余計なことしないでよ!」なんて怒鳴ってしまったり……。それでは、パパスイッチを入れるどころか、スイッチを壊してしまいます。
たしかに自分でやっちゃったほうが、その瞬間は早いんでしょうけれど、いつまでもそれを続けていて苦しくなるのは自分です。だから、どこかで心を落ち着かせて、パパにまかせてみましょう。頼りないと思う気持ちはお察しします。しかし、そこで一歩引いて見守れるかどうかが、パパスイッチを入れられるかどうかの分かれ目なのです。
誰だって頼られて悪い気はしません。「アナタだけが頼りなの」なんて言われてしまったら、「そっ、そうか」なんて、まんざらでもない気になって、力量以上のことにも挑戦してくれます。ダメ出しの一つもしたくなるでしょうが、グッとこらえ、かわりに「さすが! ありがとう!」なんてひと言を添えてみましょう。こっそりお教えしますと、このとき心を込める必要はありません。
「赤ん坊もママも、やっぱりオレがいなきゃダメなんだな……」なんて錯覚させれば、パパスイッチは入ったも同然。家族が増えた新しい家庭の中に、自分の居場所を見つけたパパは、積極的に子育てや家事に取り組むようになってくれるはずです。
次回の内容は……?
次回は「乳児期」と「幼児期」にパパスイッチをONにするコツについてお届けします。
書籍『パパのトリセツ2.0』について

「夫婦で協力して子育てしようって話だったはずなのに、ちょっとイメージと違った」みたいなかすかなストレスを感じているママや、そうなることを未然に防ぎたいママたちに、だまされたと思って試してほしい方便をまとめました。
・パパとしての自覚を促す「パパスイッチ」の入れ方
・家事や育児のやり方を覚えてもらう方法
・上手な夫婦ゲンカのためのルール
・パパの暴走や問題行動への対処法 ……など。
本書で紹介する方法は、心理学の「交流分析」や「アサーション」といった理論の応用で、家庭内に限らず、世間一般の人間関係にも十分使えるものばかりです。世界的名著D・カーネギーの『人を動かす』の子育て夫婦バージョンといってもいいでしょう。
パパの行動や言葉に「なんで?」と感じていたママだって、「そうか!」と納得できるはず。パパのやる気が最大化し、家族みんなが笑顔になれること請け合いの1冊です。
(文:おおたとしまさ、イラスト:モチコ『パパのトリセツ2.0』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋/加筆修正:マイナビ子育て編集部)