
離乳食のトマトピューレはいつから?初期・中期・後期レシピ【管理栄養士監修】
トマトのおいしさが詰まった便利な加工食品のトマトピューレ。あらかじめトマトがつぶされているので離乳食に向いていそうですが、一方で「濃さ」も気になりますよね。今回はトマトピューレを離乳食に取り入れるときのポイントとレシピをご紹介します。
トマトピューレ、赤ちゃんは離乳食でいつから食べていいの?

・初期の調理:少量を薄めて使う
・中期の調理:少量を薄めて使う
・後期の調理:薄めて使う
・完了期の調理:薄めて使う
トマトピューレはどんな食材?


トマトピューレ はトマトを煮詰めて、裏ごして濃縮したトマトの加工品です。皮や種を取る手間も省けて、ペースト状になっているので、離乳初期から使えます。ただし、食塩や添加物が入っているものもあるので、無添加のものを選びましょう。
含まれる栄養素は?
抗酸化物質であるリコピンのほか、ビタミン・ミネラルなどを含みます。ミネラルの中では特にカリウムが豊富な食材です。
うま味成分であるグルタミン酸も豊富に含まれています。鰹節などに含まれるイノシン酸との相性がよく、お互いのうまみを引き立てて、よりおいしく食べることができます。
トマトピューレ、調理と保存の注意点
そんな栄養豊富なトマトピューレですが、離乳食で使うときにはちょっと気をつけたいことがあります。
必ず薄めて使う

トマトピューレは、トマトを煮詰めて裏ごして濃縮されています。そのままだと濃すぎて、赤ちゃんの未熟な消化器には負担がかかります。そのまま使用せず、お湯やだし汁、スープ等で濃さや量を調節して使いましょう。
保存方法
無添加のトマトピューレは、ふたを開けたら早めに使い切りましょう。余った場合は、フリーザーバッグや製氷皿で冷凍保存し、1ヶ月を目途に使い切りましょう。
トマトピューレの離乳食、よくある疑問
では次に、離乳食にトマトピューレを使う際によくある疑問について解説します。
トマトとトマトピューレ、栄養は違うの?

トマトピューレは加熱処理をしているので、熱に弱い栄養素は生のトマトよりも減ってしまいます。しかし、トマトの赤色の色素で抗酸化作用の強いリコピンは熱に強いので、生のトマトより多く摂取できます。
トマトピューレとトマトペーストの違いは?
製品にもよりますが、トマトピューレはトマトを約3倍、トマトペーストは約6倍に濃縮しています。
トマトピューレは生のトマトを煮るよりも素早く調理できるので、時短になります。トマトペーストはピューレよりも水分が少ないので、料理のコクを出すために使うことが多いです。
どんなトマトピューレを選んだらいいの?
市販品には、食塩や香辛料を加えたものもあります。無添加のものを選びましょう。無添加以外のものを使用する場合は、生後9ヶ月以降に、お湯などで薄めたり大人からの取り分け料理で使用しましょう。
トマトピューレの離乳食レシピ! 初期・中期・後期
最後にトマトピューレを使った離乳食レシピをご紹介します。時短でおいしく仕上がり、オススメですよ。
<離乳初期のレシピ>しらすのトマト粥

材料(1回量)
・しらす干し 小さじ1
・つぶしがゆ 30g
・トマトピューレ 小さじ1/4
作り方
① 小鍋に水(分量外)を入れ、しらす干しを2分ほどゆでてからザルなどに上げ、すりつぶす
② つぶしがゆにトマトピューレと①を入れて混ぜる
<離乳中期のレシピ>ささみとキャベツのトマト煮

材料(1回量)
・ささみ 15g
・キャベツ 10g
・ゆで汁 大さじ2
・トマトピューレ 小さじ1/2
・片栗粉 小さじ1/4
作り方
① 鍋に湯を沸かし、ささみとキャベツをやわらかくゆでる(ゆで汁は残しておく)
② ささみはすりつぶし、キャベツは細かく刻む
③ ゆで汁に、②・トマトピューレ・片栗粉を加えて、とろみがつくまで加熱する
<離乳後期のレシピ>和風ミネストローネ

材料(約3回量)
・じゃがいも 30g
・にんじん 30g
・玉ねぎ 30g
・トマトピューレ 大さじ1
・だし汁 120cc
・しょうゆ 5滴
作り方
① じゃがいも・にんじん・玉ねぎは1cm角に切る
② 鍋に①とトマトピューレ・だし汁を入れ、にんじんがやわらかくなるまで煮る
③ ②にしょうゆを加えて火を止める
まとめ

トマトピューレは、トマトを煮詰めて裏ごしてあるため、手間なく短時間でトマトベースの料理が作れます。肉や昆布などのうま味の出る食材とともに料理することで、味に深みが出て、他に調味料がなくてもおいしくなります。開封した場合は長期保存ができないので、大人の料理からの取り分けに活用するなど、早めに使い切りましょう。
(文:三浦真由美 先生、監修:川口由美子 先生)
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