離乳食の卵焼き人気レシピ!卵を使用する際の注意点や調理時のポイントも【管理栄養士監修】
卵は栄養豊富なので積極的摂取したい食物です。でも、アレルギーが心配でなかなか進めることができなかったり、わざわざ少量を毎回つくることは面倒だったりしますね。今回は時短できる調理方法や少しだけ注意するポイント、オススメの卵焼きレシピなどをお話していきます。
離乳食で卵はいつから大丈夫?
乳児期にみられる食物アレルギーで第1位の卵。いつから始めたらいいのかとドキドキしてしまいますが、必要な栄養もあるのでしっかり食べていきましょう。
基本的には1歳以降が安心?
「卵は1歳以降に」という説が流れていた時代もありましたが、現在では必要以上に除去をせず少量より与えることが望ましいとされています。
6ヶ月ぐらいに卵黄から始める
卵の摂取時期の目安は、生後6ヶ月ぐらいに卵黄から始めるとされています。
1歳以降はいろんな卵料理がOKに
離乳完了期(1歳〜1歳半)になったら、ゆで卵だけではなく卵焼きなどいろいろな卵料理が食べられるようになりますが、中まで火がしっかり通っていることを確認して食べるようにしましょう。茶碗蒸しやプリンなどは、離乳期ではまだまだ注意が必要です。
離乳期には生卵はNG
生卵は離乳期には与えません。アレルゲンが強いためという点もありますが、サルモネラ菌による食中毒にも注意が必要です。離乳食では、アレルゲンと衛生面の両方に注意できるといいでしょう。
離乳食の卵の保存方法はどうすればいいの?
離乳食は1回ずつの量が少ないので、卵料理を作ったら保存しておきたいですよね。おすすめの保存方法とポイントをお伝えします。
冷凍保存がおすすめ!
卵は、冷凍保存がおすすめです。卵料理に慣れていない時期は、固ゆでのゆで卵を冷凍します。
卵黄はそのままくずして冷凍できますが、卵白は冷凍すると噛みにくい食感になってしまうため、こし網などでしっかりこしてから冷凍し、解凍時には食べにくいのでおかゆなどに混ぜることをおすすめします。
・ゆで卵の黄身(卵黄):そのまま崩して冷凍
・ゆで卵の白身(卵白):裏ごししてから冷凍
ゆで卵の冷凍後の食感が食べにくそうであれば、両面をしっかり焼いた薄焼き卵で冷凍してもいいでしょう。薄い状態や千切りにして冷凍しておくと少量ずつ使えます。
卵焼きが食べられるようになったら、卵焼きを薄く切って1つずつラップをして冷凍します。
冷凍保存するメリット
卵料理は火の通り具合などの配慮が必要なので、大人の料理からの取り分けは難しいものです。離乳食用の卵のストックがあれば、赤ちゃんの様子をみながら手軽に少しずつ増やしていけるので、その点は冷凍保存のメリットでしょう。
1週間以内で食べきれる量を作りましょう
冷凍庫内の環境や冷却までの温度などによって状態は異なりますので、なるべく1週間以内で食べきれる量を作りましょう。多めにストックしたいのでついつい作りすぎてしまいがちですが、余った分は大人の料理の彩りに使うなど、早めに使い切る工夫も良いですね。
覚えておきたい!離乳食で卵を使うときの注意点、ポイント
「赤ちゃんに卵をあげるのがなんとなく不安」という人もいるようですが、いくつかのポイントを知っておけば安心して離乳食に卵を使うことができますよ。
アレルギーには細心の注意を
卵は、乳幼児期に食物アレルギーの原因としてもっとも多い食材です。アレルギーと聞くと少し不安になってしまい、後回しにしてしまうかもしれませんが、必要以上に避けず、生後6ヵ月ごろからしっかり加熱された固ゆで卵の卵黄から始めていきましょう。発症予防を目的にその食物の食べる開始を遅らせることは推奨されていません。
また、皮膚から卵のアレルゲンが入らないように肌の保湿などをしておくことも大切です。
初めて食べさせる際には、医療機関があいている時間に食べさせてあげると何か異常が見られても対応できるので安心ですね。
時期によって卵の量を調整しよう
最初は全卵の固ゆで卵から卵黄だけを取り出します。こし網などでなめらかにして少量ずつ与えます。卵黄でもアレルギーが出る赤ちゃんもいるので最初はよく観察しましょう。気になる症状がなければ倍量ずつ増やしても大丈夫です。
卵黄1個分位食べられるようになったら全卵に進みます。卵白もこしあみなどを使いなめらかに仕上げ卵黄と一緒にしたり、慣れてきたらゆで卵だけではなく、よく加熱した卵焼きなども試してみてもいいですね。
中までしっかり加熱しよう!!
卵のアレルゲンは加熱によって力が弱まるため、しっかり加熱をしましょう。卵焼きなどは中まで火が通りにくいこともあります。1回1回薄焼き卵のようにして、巻き込むようにするといいでしょう。
1歳からOK!離乳食の卵焼きおすすめレシピ
それでは最後に、離乳完了期(1歳〜1歳半)から食べられる卵焼きレシピをご紹介します。
レンジで簡単!ふわふわ卵焼き
材料(作りやすい分量)
・卵 1個
・だし汁(かつおだしなど) 大1
作り方
① ボウルに卵を割り入れ、よく混ぜ、だし汁を加えてさらに混ぜる
② 耐熱容器に①を入れ、ラップをかけずに電子レンジ(600W)で1分ほど加熱
③ 加熱ムラを防ぐため、全体を混ぜてから再度電子レンジ(600W)で40秒加熱し、中まで火が通るまで足りない場合は20秒ずつ追加加熱してできあがり
栄養満点!野菜たっぷりキッシュ風卵焼き
材料(作りやすい分量)
・卵 1個
・玉ねぎ 10g
・ほうれん草 10g
・ミニトマト 1個
・バター 小さじ1
作り方
① 玉ねぎはみじんぎりにし、耐熱皿にのせてラップをして電子レンジ(600W)で約1分加熱する
② ほうれん草はゆでてみじん切りに、ミニトマトは粗みじんに切る
③ ボウルに卵を割り入れ、白身がしっかり切れるまでよくかき混ぜ、①と②の野菜を入れる
④ 熱したフライパンにバターを入れ、③を入れて最初は中火で加熱する
⑤ 裏返して落し蓋をしたら弱火でじっくり焼き、火がしっかり通ったらできあがり
※落し蓋がなければ、アルミホイルでも代用できます
手づかみOK!はんぺん入り卵焼き
材料(大人2人、赤ちゃん1人分程度)
・卵 1個
・はんぺん 20g(大判1/6)
・水 大さじ1
・青のり 少々
・油 小さじ1
作り方
① ボウルに卵を入れてよく混ぜ、青のりを加えてさらに混ぜる
② はんぺんと水をビニール袋などに入れ、形がなくなるまでつぶす
③ ①と②を合わせ、熱したフライパンに油を入れ、加熱されているか竹串をさして確認して火を通っていたらできあがり
まとめ
アレルギーが心配になってしまうかもしれませんが、卵は赤ちゃんにとって必要な栄養であるたんぱく質や鉄を摂取できる万能な食材です。しっかり加熱されているかどうか確認しながら進めていきましょう。
卵焼きは入れる具材を変えるだけでメニューのバリエーションが増えます。葉物などの少し食べにくい野菜や赤ちゃんの苦手な食材などを卵に入れて焼くと、ぐんと食べやすくなるのでおすすめです。手づかみもしやすくなるのもいいですね。
(文:シライカヨコ 先生、監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです