【医師監修】シャワーだけでも大丈夫? 赤ちゃんのお風呂マニュアル
時間がないときや体調がよくないときなど、赤ちゃんのお風呂をシャワーでさっと済ませたいときもありますね。そこで赤ちゃんはいつからシャワーだけでよくなるのか、お風呂の基本やシャワーの注意点とともにまとめました。
赤ちゃんのお風呂…シャワーだけでも大丈夫?
赤ちゃんのお風呂をシャワーだけにする前に知っておきたいポイントを紹介します。
新生児期は沐浴のほうが安心
赤ちゃんをお風呂に入れる一番の目的はスキンケアです。赤ちゃんは汗っかきなうえ、肌は薄くて乾燥しやすい状態です。汗や汚れを放置するとそれが刺激となって湿疹などの皮膚トラブルにつながります。1日に1度はお風呂で清潔にしてあげることが必要です。
汚れが落とせればシャワーだけでも構わないのですが、新生児のようなまだ首がすわらない赤ちゃんをしっかり支えながらシャワーをあてるのは大変です。特に汚れが溜まりやすい首や脇の下、体のしわやくびれは、お湯につけた方が汚れを落としやすくなります。
新生児に直接シャワーをあてるとびっくりして泣いてしまうこともありますし、赤ちゃんにあった水温や水圧に調整するのはなかなか難しいものです。新生児期は沐浴にした方が安心でしょう。
湯船にもたまに浸かれると◎
生後1ヶ月を過ぎたら、首をしっかり支えることに注意すれば、シャワーだけの日があってもOKです。ただし突然シャワーをあてるのではなく、赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ慣れてもらうようにしましょう。シャワーをあてるとびっくりしてしまうときは、体にガーゼをのせてその上からあてるようにするのもいいですね。下で紹介する注意点も参考にしてください。
赤ちゃんが慣れればシャワーのみでも特に問題はないと思われますが、お湯につかった方が汚れを落としやすくなります。一緒に湯船につかることは赤ちゃんとのコミュニケーションになりますし、全身の皮膚の状態をチェックする機会にもなります。長時間つかる必要は全くないので、可能であればたまには湯船に入る日を設けるといいでしょう。
知っておきたい赤ちゃんのお風呂の基本
ここで赤ちゃんと一緒にお風呂に入るときの基本のやり方を見直しておきましょう。
用意するもの
お風呂に入る前にお風呂上りの準備をしておきます。次のものを脱衣所に用意し、お風呂から出たらすぐに体を拭いて保湿をし、衣服を着せられるようにしておきましょう。
・バスタオル
・オムツ
・着替え
・保湿剤
赤ちゃんを受け取る人がおらず、大人1人で赤ちゃんとお風呂に入るときは、大人の体を洗っている間は赤ちゃんに待っていてもらうことになります。
浴室のドアの外に寝かせる場合は、マットやバウンサーを用意しておきましょう。1人にすると泣いてしまうときや動き回るようになったら、浴室内の安全な場所にバスチェアを置いて座らせるのもいいでしょう(危険なので、くれぐれも浴槽の蓋の上などに置かないように!)。バスチェアがあると赤ちゃんの体を洗うのにも便利です。
湯温は38〜40℃、入浴時間は10分程度に
お湯の温度はぬるめに38~40℃にしましょう。熱いお湯は皮膚の乾燥やかゆみを起こすことがあります。42℃以上のお湯は大人の体にも負担になるといわれています[*1]。寒いときでもお湯の温度は上げず、浴室や脱衣所を暖房器具などで暖かくしましょう。
赤ちゃんと湯船に入る時間は3分程度を目安に。長湯は避けてのぼせないようにしてください。洗う時間も含めて10~15分くらいで入浴をすませましょう。
洗う順番は頭・顔→体
赤ちゃんを洗うときは大人の膝にタオルをかけ、その上に赤ちゃんを載せると滑りにくくなります。まず頭と顔を洗い、体を洗います。
頭はできればベビー用シャンプーを使い、顔もベビー用の洗浄剤やせっけんを使ってしっかり洗いましょう。体も同様に洗浄料やせっけんを使い優しく洗います。体を洗うときのポイントは沐浴と同じです。汚れがたまる首や脇の下、耳の後ろ、うなじ、おしり、股の間は特にていねいに洗ってください。
以下の記事も参考にしてください。
▶︎沐浴のやり方とは?安心してできる7つのポイント
▶︎赤ちゃんとお風呂! いつからOK?事前準備・入浴中の手順は?
大人と同じ浴槽にはいつから入れる?
大人と同じ浴槽に入る時期について、医学的には特に決まりはありません。湯船が清潔であれば、新生児でも大人と同じお風呂に入れます。
一般的には慣例として新生児期は沐浴にすると言われています。産後のママが湯船に入るのも1ヶ月健診でOKが出てからとされることが多くなっています。お風呂デビューは誰が赤ちゃんをお風呂に入れるのかなど、各家庭の状況にあわせて決めましょう。
産後のお風呂について、詳しくは以下の記事も参考にしてください。
▶︎産後のお風呂、湯船はいつから?赤ちゃんとは?上の子は?
赤ちゃんのシャワーの注意点・ポイント
赤ちゃんをシャワーで洗うときは次のことに気をつけてください。
暑い日はシャワーでこまめに汗を流す
たくさん汗をかいたら着替えをするのはもちろん、シャワーで汗を流すのもおすすめです。特に夏場はあせも予防のためにも、入浴時間以外にもシャワーをして皮膚を清潔に保ってあげましょう。
ただし、1日に何度も洗浄剤を使って洗うと肌が乾燥してしまうので、洗浄剤の使用は1日1回にしてください。
なお、赤ちゃんが下痢のときやお尻かぶれあるときなども、シャワーや座浴※がおすすめです。
※座浴:お尻だけお湯を入れた洗面器などにつからせて洗う
シャワーの水圧や温度に注意
赤ちゃんの肌はデリケートなので、シャワーの水圧はあまり強くならないように気をつけましょう。お湯の温度は37〜38℃くらいにして、突然熱いお湯や冷たい水がかかることがないように、大人が温度を確かめてからシャワーをあてます。
泡や洗浄剤はしっかり流す
赤ちゃんをお湯だけで洗うのではなく、洗浄剤やせっけんをよく泡立てて洗い、しっかり流し落とすことが大切です。シャワーのみの場合でも、泡や洗浄剤が肌に残ってしまうことがないようによく洗い流してください。
入浴後は速やかに「保湿」する
赤ちゃんのスキンケアのために肌を清潔にする入浴と保湿をセットで行いましょう。保湿剤を塗るのは入浴のあと5分くらいの間が効果的と言われています。お風呂からあがったら吸水性のよい柔らかいタオルで、こすらず押し当てるようにして水気を拭き取ります。その後なるべく早めに保湿剤を塗ってあげましょう。
湿疹がある場合のお風呂・シャワーはどうするの?
湿疹があってもきれいに洗うことが基本になりますが、症状によって対処は異なります。湿疹が気になるときは皮膚科を受診し、お風呂やシャワーについて医師に相談しましょう。
乳児脂漏性湿疹のケア方法について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎新生児の湿疹の原因は? どうやってケアすればいいの?
まとめ
赤ちゃんの肌を安全に清潔にすることができれば、沐浴でもお風呂でもシャワーだけでも、医学的には問題ありません。ただ赤ちゃんはしわやくびれに汚れが溜まりやすいので、可能であればお湯にもつかるようにするのがおすすめです。赤ちゃんはお湯で遊んで楽しめるので、無理のない範囲で湯船にも入るようにしましょう。
(文:佐藤華奈子/監修:梁尚弘 先生)
※画像はイメージです
※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます