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2021年09月07日 16:05 更新

妊婦がタイを食べるときは種類をチェック!胎児に影響を与えるタイはどれ?【管理栄養士監修】

タイ(鯛)は淡白な味で食べやすく、たんぱく質やEPA、DHAなど妊娠中にうれしい良質な栄養が摂れる食材ですが、お魚といえば気になるのが水銀ですね。タイは水銀の心配があるのかなど、妊娠中に気を付けたい種類からおいしく食べるレシピまでご紹介します。

妊婦に注意が必要なタイはどんな種類?

妊娠中は魚に含まれる水銀に注意が必要です。そして、その水銀量は魚の種類によって異なります。では、タイに関してはどうなのでしょうか。

妊婦が注意すべきなのは「キダイ」と「キンメダイ」

妊婦が注意すべきタイの種類

ひとことでタイ(鯛)といっても、いろいろな種類があります。
タイの中でも特に気を付けたいのは「キダイ」と「キンメダイ」です。

水銀が多く含まれる魚は主にマグロ類やサメ類、深海魚類、鯨類といわれています。
タイは関係ないように思われますが、実はタイという名前がついているもののうち、キダイとキンメダイは深海魚類に分類されます。マダイなどの他のタイに比べて水銀の量が多いとされています。

水銀は胎盤を通じて胎児に移行しやすく、胎児は水銀を排出することができないため、胎児への影響が懸念されます。食べてはいけないというわけではなく、偏って食べなければ大丈夫です。食べる量や種類を確認しましょう。

妊娠中の「水銀が多い魚」について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎妊婦が気をつけたいのは「水銀が多い魚」

水銀を多く含む魚はほかにも

水銀は自然界に存在する物質で、食物連鎖(プランクトンを小さい魚が食べ、小さい魚を大きい魚が食べていくことで徐々に蓄積されていくもの)によって魚の体内に取り込まれていきます。なので、なんとなく「大きな魚は注意が必要かな」という認識でもいいかもしれません。

注意が必要な魚はキダイ、キンメダイの他にメカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチ(メバチマグロ)、マカジキ、ミナミマグロ(インドマグロ)などがあります。

妊婦が1週間に食べていい量はどのくらい?

キンメの煮付け

では、妊娠中にこれらのタイを食べるとしたら、どのぐらいにしておくべきなのでしょうか。

キダイは2切れ、キンメダイなら1切れまで

日本人が平均1食に食べるお魚の量は切り身1切れ約80gです。キダイ、キンメダイそれぞれ水銀の含まれる量が違うので、キダイなら1週間に2切れ(約160g)まで。キンメダイなら1切れ(約80g)が目安です。

これは、毎週同じものを食べ続ける前提での話ですから、たとえ食べ過ぎたとしても、1週間のうちにキダイ1切れ、キンメダイ1切れを食べた場合には翌週食べるのを控えれば、2週間の間でおおよその目安量におさまるので、過度に心配しなくても大丈夫です。

その他魚の組み合わせによって1週間の目安量を超えないように配慮できるといいですね。

下記サイトにおおよその目安量が解説されているので参考にしてみてください。
▶︎厚生労働省「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」

妊婦におすすめのタイは?

妊婦も食べられるマダイ

注意が必要なタイがある一方で、妊婦でも安心して食べられるタイがあります。

マダイ(真鯛)ならば妊婦でも安心

タイの中でもマダイは水銀量が少なく、安心して食べることができます。

マダイに含まれる水銀の平均量は総水銀量で0.116㎍/g、メチル水銀量で0.133㎍/gです。厚生労働省のHP上に公開されている「特に注意が必要でないレベル」の中でも低い数値です[*1]。

たんぱく質や不飽和脂肪酸など、栄養面でもGood

マダイは良質なたんぱく質を多く含んでいます。また、マダイに含まれる脂質は不飽和脂肪酸が多く、DHAやEPAなどの栄養素も含まれています。妊娠中にDHAなどのオメガ3脂肪酸は、意識して摂取できるといいでしょう。

妊娠中はできるだけ火を通して食べよう

マダイの焼き魚

妊娠中は食中毒などを起こしやすくなります。生食での摂取はできるだけ控えます。タイは煮たり焼いたりしてもおいしいので、加熱して食べましょう。

妊娠中の生魚のリスクについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎妊婦は寿司や刺身を食べても良い? 妊娠中の生魚リスクと注意点

妊婦におすすめ! マダイを使ったレシピ

良質なたんぱく質を手軽に摂れる、簡単なレシピをご紹介します。

炊飯器に入れて炊くだけ!鯛めし

鯛めし

■材料
・米 2合
・水 400ml
・マダイ 2切れ
・醤油 大さじ1/2
・酒 大さじ1/2
・塩 小さじ1/4
・昆布 5cm×5cm 1枚
・飾り用 木の芽や三つ葉など 少々

■作り方
① マダイに塩(分量外)を両面軽く振り、魚焼きグリルで焼き色がつくまで焼く
② 炊飯器に米、水、昆布、調味料を入れ、①を入れたら炊飯
③ 炊きあがったら身を取り出し、骨を除いてからご飯と軽く混ぜ合わせて出来上がり

香ばしく焼けた鯛の香りが食欲をそそる一品です。おもてなしにもピッタリ。

マダイの煮つけ

マダイの煮付け

■材料
・マダイ 2切
・薄口醤油 大さじ2
・酒 大さじ2
・砂糖 大さじ1強
・みりん 大さじ2
・水 200ml
・飾り用 白髪ねぎやカイワレ大根など 少々

■作り方
① ザルにマダイを並べ、たっぷりのお湯(分量外)を回しかけ、臭みを取る
② フライパンに水と調味料を加え、沸騰させる
③ マダイを加え、煮汁を回しかけながら強火で煮る
④ アクを取り、落し蓋をして煮汁が3分の1くらいになるまで煮詰めたら出来上がり

甘辛い味付けが食欲をそそる一品!

ちょっとおしゃれにマダイのポワレ

マダイのポワレ

■材料
・マダイ 2切
・塩 少々
・オリーブオイル 大さじ3
・お好みで付け合わせ しめじやマッシュルームなどのきのこ類、ブロッコリーやにんじんなど

■作り方
① マダイに塩を振り、キッチンペーパーで余分な水分を取る
② フライパンにオリーブオイルをひき、皮目から焼き始める。全体に焼き目がつくようフライ返しなどで押さえながら焼く
③ フライパンに残ったオイルを回しかける
④ 皮目に焼き色がついたら余分なオイルをキッチンペーパーでふき取り、裏返して弱火でふっくら火を通したら出来上がり

皮目をパリッと焼き上げることで、塩焼きとは一味違う食感を楽しめますよ。

まとめ

キダイやキンメダイなど、水銀の含有量が多く1週間で食べる量に注意が必要なものは、ほかの魚との組み合わせも考えて食べ過ぎなどに注意しましょう。しかし、タイなどの魚に含まれる栄養にはDHAやEPAなどほかの食材から摂りにくい栄養も含まれているので、種類や摂取量に気を付けて積極的に摂りたいですね。

(文:宗政祥子 先生、監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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