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2021年11月21日 07:05 更新

お昼寝は何歳まで必要? ママ医師が教える赤ちゃん・2~3歳の昼寝時間

早く寝てほしいといろいろ頑張っているのに、夜なかなか寝ついてくれないこともよくあります。そんなとき「昼寝のせいで夜眠れないのでは?」と疑問に思う人も多いのでは。赤ちゃんの睡眠にくわしい森田麻里子先生に、子供の昼寝についてくわしく聞きました。

お昼寝は何歳まで必要?

ぬいぐるみを抱えて眠る赤ちゃん
Lazy dummy

新生児のころは昼夜問わずこま切れで眠る赤ちゃんも、徐々に夜まとまって寝るようになり昼寝の時間やタイミングは減っていきます。昼寝はだいたいいつごろまでさせたほうが良いのでしょうか。

「2歳になるまで」は必要なことが多い

昼寝は、少なくとも2歳になるまでは必要なことが多いでしょう。

1歳になるまでは「1日に複数回」、その後、2歳になるまでには「朝と午後早めで2回」とっていた昼寝が「午後1回」に減ってきます。2歳を過ぎると、昼寝をしなくなる赤ちゃんも出てきます[*1]。

ただし、これはあくまで目安。

2歳以降は昼寝がまったく必要なくなるというわけではありません。

昼と夜のトータルで、その「月齢・年齢に適した1日の睡眠時間」を満たしているか、そして夜の睡眠時間がおよそ10時間以上とれているかが重要です。

月齢・年齢別|理想のお昼寝時間の目安

ベビーベッドで眠る赤ちゃん
Lazy dummy

月齢や年齢別に理想的な昼寝時間の目安を紹介します[*1]。

新生児~生後2ヶ月ごろ

このころの赤ちゃんは昼夜の区別がまだついていないので、最初は時間帯に関係なく「1~2時間起きていて」「1~4時間眠る」を繰り返すのが特徴です。

成長とともに、だんだんとお昼寝や夜の睡眠がまとまってきます。

生後3~8ヶ月ごろ

このころは、1日に2~4回の昼寝をとるのが理想的

よくあるのは、「午前中に1時間ほど」「午後は15時くらいまでに2時間ほど」「17時くらいまでに30分~1時間ほど」、計3回の昼寝をするパターンです。

そのうち、徐々に回数と時間は減っていきます。0歳代の後半になると、とくに「午後遅めのお昼寝の時間」は少なくなってきます。

生後9~11ヶ月ごろ

このころのお昼寝は、午前中と午後早い時間帯の2回に減ってきます。

1歳・2歳

1歳を過ぎると、昼寝は1日に1、2回になってきます。「午前中に30分程度」「午後早い時間に2時間程度」の昼寝をとります。

しだいに午後のお昼寝1回だけに減り、2歳を過ぎてからは、お昼寝をしなくなる子も出てきます。

3歳以上

3歳になっても半分以上多くの子供は昼寝をまだしていますが、その割合は徐々に減っていきます。

5、6歳になると昼寝をする子は少なくなり、7歳になるころにはほとんどの子が昼寝をしなくなります[*2]。

昼寝し過ぎると夜寝なくなる?

泣いている赤ちゃん
Lazy dummy

昼寝の必要性や時間・回数が適切かどうか気になるのは、「夜なかなか寝てくれない」ときではないでしょうか。

昼寝が少なすぎて夜寝付きにくくなることも!

たしかに、昼寝が多すぎて夜寝つきが悪くなり、就寝時間が遅くなることもあります。ただ、逆に「昼寝が少なすぎて、夜の寝つきが悪くなる」ことも実はあります。

「眠気はあるのに自分でまだうまく寝付けない」
⇒「機嫌が悪くなって泣く」
⇒「興奮してさらに眠れなくなる」

という悪循環に陥ってしまうのです。これは低月齢の赤ちゃんで、とくによく起こるようです。

「ちょうどいい量」の昼寝が大事

ですから、月齢やその子に合った長さとタイミングで昼寝をとるのが大切です。

でも、いまの昼寝時間が適切かどうか知るにはどうすればいいのでしょうか。具体的な調整方法をこのあと解説します。

昼寝が多すぎる?少なすぎる?調整のポイント

眠る赤ちゃん
Lazy dummy

昼寝の時間が適切かどうか知るために、まずは月齢・年齢ごとに理想的な1日の睡眠時間をチェックしてみましょう。

まずは合計睡眠時間の目安をチェック

子供の月齢・年齢ごとに推奨されている、1日の睡眠時間は以下の通りです[*3]。

子供の睡眠時間

月齢/年齢 推奨される1日の合計睡眠時間
新生児~生後3ヶ月 14~17時間
生後4~11ヶ月 12~15時間
1~2歳 11~14時間
3~5歳 10~13時間

ここにあげた睡眠時間は、昼夜合わせた1日トータルの睡眠時間です。

生後3ヶ月ごろ~5歳までの「夜間の理想的な睡眠時間は10~12時間」[*1]とされているので、上記からこれを差し引いたものが昼寝時間の目安となります。

子供の様子も観察

とはいえ、お昼寝のとり方にも個人差があるので、さきほど紹介した時間数はあくまで目安です。昼寝の時間が適切かどうかは知りたいときは下記についても確認し、その子に合った昼寝になるよう調整してみてください。

昼寝時間が適切かどうか確認するポイント

・機嫌よく過ごせているか
・眠そうにぐずったり、ギャン泣きしたりすることは多くないか
・夜の寝つきは悪くないか

「生活リズムと環境」も見直してみる

昼寝の回数やタイミング、時間が合っているか心配なときは、その子の様子とともに起床や食事の時間など「1日の生活リズム」や「寝るときの環境」ももう一度チェックしてみましょう。

月齢ごとにおすすめの生活リズムや寝るときの環境などについて、くわしくは下記の記事を参照してください。

教えてもりたま先生!赤ちゃんの昼寝の疑問Q&A

ここからは、赤ちゃんや子供の昼寝でよくある悩みに対して、森田先生にアドバイスをいただきます。昼寝の時間や回数は赤ちゃんによってさまざま。その子に合ったお昼寝の仕方を親子で探すときの参考にしてください。

なかなか昼寝をしません。成長に影響はありますか?

まずは寝かしつけのタイミングが適切か、生活リズムが全体に整っているかを確認してみてください。

その上で、夜の睡眠時間が十分とれていて、昼夜トータルの時間としても問題なければ、お昼寝が少ないのはその子の個性という場合もありますよ。

上手に昼寝させるコツはありますか?

保育園だと寝てくれるのに、家ではなかなか寝てくれない、というのはよくあることです。

お昼寝も、寝る前のルーティーンを決めて、家全体に寝るムードを演出してみてください。

例)絵本→マッサージや抱っこ→寝室にいきカーテンを閉める→子守唄一曲

保育園での昼寝が多すぎるときはどうすれば良いですか?

お昼寝が多すぎて就寝が非常に遅くなるなど、支障が出ている場合には、園によっては、お昼寝を途中で切り上げてもらうなどの相談が可能なこともあります。

難しい場合は、昼夜トータルの睡眠時間が足りていればひとまず大丈夫と考えて良いと思います。

まとめ

三輪車で遊ぶ赤ちゃん
Lazy dummy

子供は「何歳まで昼寝させればよいのか」「月齢・年齢ごとの昼寝の目安」「なかなかお昼寝してくれないときの対処法」などについて解説しました。子供の睡眠の成長は千差万別なので、同じ月齢や年齢であっても、昼寝の回数や時間は一律には決められません。

ただ、「夜なかなか寝ない」、低月齢でもないのに「こま切れの睡眠を繰り返す」などの場合は、それまでの昼寝の仕方が合っていない可能性もあります。その子に合った昼寝のとり方を親子で見つけるために、ここで紹介した方法を参考にしてみてくださいね。

(文・構成:マイナビ子育て編集部/監修・コメント:森田麻里子先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]森田麻里子・星野恭子:医者が教える赤ちゃん快眠メソッド, ダイヤモンド社, 2020
[*2]Weissbluth M: Naps in Children: 6 Months– 7 Years, Sleep. 1995 Feb;18(2):82-7.
[*3]森田麻里子・伊田瞳:子育てで眠れないあなたに, KADOKAWA, 2021

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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