
母子が乗った自転車事故で乳児死亡 「前抱っこ」での悲劇を防ぐために知っておきたいこと
11月11日午前11時前、東京都世田谷区で37歳の母親と生後8ヶ月の男の子が乗った自転車がトラックにはねられる事故があり、男の子は搬送先の病院で死亡しました。悲劇的な事故をなくすために、子どもと一緒に自転車に乗るときに気をつけたいことを、今一度考えてみましょう。
母子が乗った自転車事故で乳児死亡 「前抱っこ」での悲劇を防ぐために知っておきたいこと


事故が発生したのは信号機のないT字路で、トラックが丁字路を左折する際に37歳の女性が乗る自転車を巻き込んだと報じられています。母親は抱っこ紐で生後8ヶ月の男の子を抱いて、自転車を運転していました。
母親は軽傷でしたが、男の子は心肺停止の重体で病院に運ばれ、亡くなりました。
このような事故を防ぐためにも、あらためて子どもと一緒に自転車に乗るときの注意点を知っておいてもらいたいと思います。
まず、親子で自転車に乗る場合、各都道府県はおんぶ紐を使ってのおんぶはOKとされていますが、前抱っこで自転車に乗ることを禁止しています。
自転車に乗ると前傾姿勢になりやすいので、前抱っこではママと赤ちゃんの体に隙間ができ、急ブレーキをかけたり段差に乗り上げたときなどに、衝撃で赤ちゃんが抱っこひもから飛び出してしまう危険があります。また、赤ちゃんが急に反り返るなどしてバランスが崩れ、ハンドルがグラついてしまったり、赤ちゃんの頭でママの視界がさえぎられてしまうことも考えられます。
警視庁の交通安全情報では、「子どもを前抱っこして電動アシスト自転車を運転し、転倒して抱っこしていた子どもが頭を強く打ち付け、亡くなってしまうという悲しい事故が起きています」として、前抱っこでの乗車や、前後一人ずつの子をチャイルドシートに乗せたうえさらにおんぶで3人を乗せる方法はNGであると警鐘を鳴らしています。
チャイルドシートに乗せる場合


赤ちゃんを自転車に乗せて良い年齢は法律ではっきり決められているわけではありませんが、自転車用チャイルドシート(幼児用座席)に乗せる場合は、その使用可能年齢や赤ちゃんの発育状態などから、おおよそ1歳以降が目安とされています。
自転車(電動アシスト自転車を含む)は、道路交通法で「軽車両(原動機を持たない車両)」と位置づけられており、乗る際のルールも道路交通法で定められています。原則として運転者1人しか乗ることができませんが、運転者が16歳以上で自転車用のチャイルドシートをつけていれば、小学校に入るまでの幼児1人を乗せることができる、という規定があります。
子どもを乗せるのに必要な自転車用のチャイルドシートには、ハンドルの手前に取りつける前乗せタイプと、サドルの後ろにつける後ろ乗せタイプがあり、どちらも安全に使用できる対象年齢は1歳以上とされています。自転車に子どもを乗せるときは、必ずヘルメットを被せ、座席のシートベルトを着用しなければなりません。