苔色(こけいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~
【苔色(こけいろ)】とは、苔を思わせるくすんだ黄緑色のこと。日本の伝統色である【苔色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。
【苔色】とは?
苔色とは、くすんだ渋い黄緑色のことです。
色の名前 | 苔 色 |
読み方 | こけいろ Koke-iro |
英語 | Moss green |
WEBカラーコード | #757a08 |
CMYK | C=43/M=25/Y=100/K=39 |
RGB | R=117/G=122/B=8 |
【苔色】の意味と由来は?
【苔色】とは、くすんだ渋い黄緑色のこと。名前の由来は、その名前の通り、岩や庭に生える「苔」からきています。遠くから見ると、ビロードのようなつやがあり、見る角度や光・含まれる水分によって色の変化も感じられる苔。日本人には、そんな苔を庭園や盆栽にあしらい、風情を感じる独特の美意識が備わっています。
【苔色】が誕生したのは平安時代のことですが、とくにその色が注目されるようになったのは、室町時代中期の「東山文化」のころから。「わび・さび」が特徴の東山文化では、煌びやかさではなく、しみじみとした深い味わいがある色が求められていたのです。その時代を象徴するような【苔色】は、現在でも落ち着きのある色として、衣服やインテリアに多く取り入れられています。
【苔色】に合う色は?
苔 色 こけ いろ |
象牙色 ぞうげいろ |
くすみ色のひとつでもある【苔色】は、白系の【象牙色(ぞうげいろ)】【蒸栗色(むしくりいろ)】などと組み合わせると、軽やかで明るい色合いに、同系色の【萌黄色(もえぎいろ)】【若菜色(わかないろ)】との組み合わせは、まとまりある色合いになります。
【苔色】とは、貴族社会の衣装などで使われる配色パターン「襲(かさね)の色目」としては、表裏ともに濃い【萌葱色(もえぎいろ)】を重ねる組み合わせの名前でもありました。落ち着きがある中にもさわやかさが感じられる色目ですね。
A traditional Japanese color "苔 Koke" is...
A traditional Japanese color "苔 Koke -means moss-" is a dull, austere yellow-green color. As the name suggests, it comes from the "moss" that grows on rocks and in gardens. When seen from a distance, moss has a velvety sheen, and its color changes depending on the angle of view, light, and moisture content. The Japanese people have a unique sense of beauty that makes them appreciate the beauty of moss in gardens and bonsai trees.
"苔 Koke" color was born in the Heian period (794-1185), but it became especially prized during the Higashiyama culture in the mid-Muromachi period (1336-1573). The Higashiyama culture, which was characterized by "wabi-sabi," required colors that were not glamorous, but had a deep and sincere flavor. "苔 Koke" color, which symbolizes this era, is still used in many clothing and interior decorations as a color of calmness.
まとめ
日本で古くから愛されてきた【苔色】。日本庭園を眺めたり、苔むした石畳などを歩いたりして、お子さんといっしょに、【苔色】とともにある日本のわび・さび文化を体感してみてくださいね。
(マイナビ子育て編集部)
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)