
桜(サクラ)の花言葉|八重桜やソメイヨシノなど種類別にも解説
日本人にとって馴染み深い花のひとつ、桜。毎年多くの人が桜の開花を心待ちにし、春になると開花予想もニュースで話題になるほど。そんな身近な花である桜ですが、どのような花言葉がつけられているか知らない人も多いのではないでしょうか。ここでは、桜の概要や特徴、花言葉、名前の由来などを詳しく解説します。
桜の花言葉

日本人が特に毎年開花を楽しみにしている花といえばやはり桜でしょう。桜が満開になると、「今年もきれいに咲いたね」なんて会話も飛び交います。
そんな美しい花姿の桜につけられている花言葉は「精神の美」「純潔」「優美な女性」。
「純潔」は、一斉に咲いて一斉に散る、そんな潔い姿からつけられた花言葉。
「優美な女性」は、桜のしなやかな美しさを女性にたとえてつけられています。
花言葉の由来にもなったジョージ・ワシントンの話

桜の花言葉のひとつ、「精神の美」は有名なジョージ・ワシントンのエピソードが由来。
ジョージ・ワシントンは、米国の初代大統領となった人物。彼の少年時代のエピソードで、桜にまつわる有名な話があります。
ある日、ジョージ少年は、庭に植えられていた桜の木を、誤って斧で切ってしまいます。それは、ジョージの父親が大切にしていた桜の木。ジョージは正直に父にそのことを話して謝ったところ、父は怒ることなく、正直に話したジョージの行動を称えました。
この話から、「精神の美」の花言葉がつけられたといわれています。
桜の種類別の花言葉
桜は種類が豊富でその数は300種以上。中でもよく知られる種類の桜には、種類別の花言葉もつけられています。
ソメイヨシノ(染井吉野)の花言葉

ソメイヨシノ(染井吉野)は日本でも特によく見られる桜。江戸時代末期から明治初期にかけ、「染井村」でつくられた品種であるため、この名前がつけられています。
ソメイヨシノの花言葉は「高貴」「優れた美人」。
華やかに咲くソメイヨシノにぴったりの花言葉です。
シダレザクラ(枝垂桜)の花言葉

シダレザクラ(枝垂桜)は枝がやわらかで、垂れて咲く桜の総称。シダレザクラの中でも品種は豊富です。
シダレザクラの花言葉は「優美」「ごまかし」「円熟した美人」。
「ごまかし」は、垂れた桜の陰になにか隠しているような妖艶な雰囲気からつけられたもの。
「円熟した美人」は、歳をとり頭が垂れていく女性の姿のイメージからつけられています。
ヤマザクラ(山桜)の花言葉

ヤマザクラの花言葉には、「あなたに微笑む」「純潔」「高尚」「淡白」「美麗」。
「あなたに微笑む」は、山々の木が芽吹くのに先駆けて咲くヤマザクラを見るとつい微笑んでしまうことからつけられたといわれています。
ヤエザクラ(八重桜)の花言葉

その名の通り、八重咲きで咲く八重桜は、花びらが多くゴージャスな花を咲かせます。
そんな八重桜の花言葉は「理知に富んだ教育」「豊かな教養」。
「教育」や「教養」の言葉は、入学や卒業の時期に咲くことからつけられたといわれています。
また、「理知に富んだ」や「豊か」は、通常よりも豊富な枚数の花びらをもつことにちなんでいると考えられます。
シバザクラ(芝桜)の花言葉

まるで芝のように地面に広がり、一面にかわいらしい花を咲かせるシバザクラ(芝桜)。
シバザクラの花言葉は「合意」「一致」「臆病な心」。
「合意」「一致」は、花が密集して咲くことからつけられた花言葉。
「臆病な心」は、その密集している様子が群れて身を寄せ合っているように見えることからつけられています。
チョウジザクラ(丁字桜)の花言葉

横から見ると「丁」の字に見えることからその名前がつけられたチョウジザクラ。
チョウジザクラの花言葉は「心の美」「優れた美」「美麗」。
その花言葉どおり、淡い紫色の美しい花を咲かせます。ただ、一般的な桜よりも咲き方が控えめであるために、観賞用として植えられることは少ないようです。
桜の基礎知識
・分類…バラ科サクラ属
・原産地…北半球の温帯
・別名…-
・開花期…2~4月
・出回り期…10月~4月
桜の名前の由来

「サクラ」という名前は、日本神話からつけられたという説があります。
古くからある日本の書物「古事記」や「日本書紀」には、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)という女神が登場します。コノハナサクヤヒメが富士山から桜の種を蒔き、日本中に桜を広めたとあり、コノハナサクヤヒメの「サクヤ」が「サクラ」の語源になったというのがこの説。
一方で、サクラの「サ」は神を意味し、「クラ」は神が座る椅子を示しているという説も。
いずれにしろ、桜は神に関係の深い花と考えられているようです。
桜の誕生花
誕生花とは、生年月日にちなんだ花のこと。ギリシア・ローマの神話に由来するとされています。
桜が誕生花となる生年月日は以下のとおりです。
桜の花見の意外な歴史

お花見といえば桜。そして桜のお花見といえば、日本では定番の春のイベントですよね。
日本人であれば誰もが一度はしたことがあるであろうお花見ですが、実は平安時代の頃までは、貴族や知識人など限られた人のみが桜を愛でていました。
その頃は桜というと山桜でしたが、江戸時代に入り植木職人らが桜の品種改良を始めたことでソメイヨシノが生まれ、庶民も川沿いなどでお花見を楽しめるようになったのです。
桜にまつわる悲しい歌

古くから日本人に親しまれてきた桜。桜を詠んだ歌も数多く残されています。中には、悲しいエピソードをもつ桜の歌も。
万葉集に記載されている短歌「春さらば かざしにせむと 我が思ひし桜の花は 散りにけるかも よみ人しらず」には悲しい思いがこめられています。
この歌は、桜児(さくらこ)という美しい娘に恋をしたふたりの若者の物語から生まれた歌。ふたりの若者は桜児をめぐり決闘を決めたのですが、これを悲しんだ桜児は、桜の木に帯をかけ自ら命を絶ってしまいます。
それを見たふたりは血の涙を流し、うちのひとりがこの歌を詠んだとされています。
まとめ
桜ひとつとっても、さまざまな花言葉やエピソードをもっていることがわかりました。花言葉や名前の由来、古くからの桜にまつわる物語などを知ったうえでお花見を楽しむと、より感慨深いものになりそうですね。