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2022年03月11日 16:01 更新

【3.11】愛犬の防災グッズ準備してる? 災害のときの同行避難・同伴避難を知っておこう

犬の情報発信メディア「INUNAVI」が全国の犬の飼い主384人を対象に「愛犬と災害時」に関するアンケート調査を実施しました。その結果、愛犬と一緒に避難すると回答した飼い主は95.1%いましたが、同行避難や同伴避難の意味を理解している飼い主は28.9%にとどまりました。

PLAN-B(東京都品川区 代表取締役:⿃居本真徳)が運営する、犬の情報発信メディア「INUNAVI」が全国の犬の飼い主384人を対象に「愛犬と災害時」に関するアンケート調査を実施しました。

近年、日本では毎年のようにどこかで自然災害が発生しています。災害は地震や津波、豪雨といったものに限らず、戦争や原発事故、工場火災・爆発、伝染病などさまざまな種類があり、突然襲ってくるものです。避難を余儀なくされたときに慌てないためにも、愛犬との避難について考えておくことはとても重要です。

そこで「INUNAVI」では2021年に引き続き、2022年も全国の犬の飼い主384人を対象に「愛犬との災害時に関する意識調査」を行いました。

2021年度調査は400人

愛犬の防災グッズ・避難グッズを「準備している」と回答した飼い主は29.2%と、3割を切る結果となりました。準備をしていない飼い主がまだ多い結果ですが、前年(2021年2月)の調査より14.2%と大幅に上昇していることがわかります。

以下は「準備しようと思うけど何をすればいいかわからない」と回答した人のコメントです。

「家が倒壊しなければどうにかなると思っているから。普段から結構買いだめをしているので、どうにかなると思っているから。犬は3日くらい食べなくても大丈夫と聞いたから」(女性 / 20代 / 千葉)

「なかなか準備する気になれない」(女性 / 20代 / 大阪)

「災害が少ない地域というのもあるが、何を用意してよいのかわからない」(女性 / 30代 / 長崎)

単純に「何をどれだけ用意すればいいかわからない」というコメントが多く、また、「色々あり過ぎてどれを選んだらいいかわからない」、「人間用で何とかなる」といったコメントもありました。

愛犬の災害時の準備は自分から調べないと情報が入ってこないため、「準備しようと思うけど何をすればいいかわからない」と回答した飼い主は情報不足が大きな要因だと考えられます。

以下は「準備していない」と回答した人のコメントです。

「人間のためのものもまだ準備しておらず、ペットの防災グッズを準備するという考えが頭にありませんでした。今回初めて、必要性を感じました」(女性 / 50代 / 大阪)

「差し迫った危機を感じていないから」(男性 / 40代 / 愛知)

「準備したい気持ちはあるけど、お金がかかるから準備していない」(男性 / 30代 / 北海道)

「準備していない」と回答した飼い主からは、「考えたことがなかった」「その発想がなかった」というコメントが多く、「準備しようと思うけど何をすればいいかわからない」と回答した飼い主と同様に、情報不足が背景にあるようです。

また、「どうにかなる」、「災害は起こらない」、「お金がかかる」、「置き場所がない」といったコメントもあり、災害が自分とは関係のないものだと考えている飼い主も少なくはないようです。

一方、「準備している」と回答した人のコメントは以下のとおりです。

「自分が被災した際に周りの困っているペットたちを見て備えようと思ったから。実際に避難生活をしていると犬もストレスが溜まってしまうので緩和できるようにしたいと思ったから」(女性 / 20代 / 長野)

「東日本大震災の時にペットフードがすぐには買えなかったため」(女性 / 50代 / 宮城)

「災害が起きた際、逃げ遅れや、準備不足により孤立してしまうペットが多いというニュースを見て、自分のペットがそうならないよう準備をしてとこうと思ったからです」(女性 / 20代 / 神奈川)

準備している飼い主は「もしもに備えて」や、これまでの災害時の情報から準備する必要性を感じたようです。実際に避難して困った経験のある飼い主では、過去の教訓から準備を万全にしていることがわかりました。

また、今回準備している飼い主の割合の方が多かったのは「愛知」、「埼玉」、「千葉」、「長野」、「福島」、「福岡」で、ほかの都道府県ではあまり大きな違いはありませんでした。

一方、「準備している」と回答した飼い主112人のうち、109人が「フード」を準備していました。

人間と違い、愛犬のフードがすぐに配給されることは期待できません。また、配給があっても希望するフードが手に入るわけではないため、多くの飼い主が愛犬の食料の確保は大切だと感じているようです。

また、愛犬の防災グッズ・避難グッズに関するサイトを「見たことはない」と回答した飼い主が64.1%と最も多い結果でした。

近年は、ペット関連の情報サイトや市区町村のWEBサイトでは、何をどれだけ準備したらいいかを紹介していますが、自分から愛犬の災害時について調べない限り情報を得ることはないようです。

​2021年度調査は400人

「愛犬と避難できる避難先の場所について調べてある?」の質問で最も多い回答は「いいえ」68.0%でした。

災害時の避難先としては避難場所と避難所がありますが、その避難先が愛犬と一緒に避難できるか調べている飼い主は32.0%でした。前年度より3.0%の増加が見られるものの、災害が起きることを想定し避難先を調べるまでには至らないことがわかります。

「避難する時は愛犬も一緒に避難する?」の質問で最も多い回答は「はい」95.1%でした。

近年、愛犬は「ペット」ではなく「家族」として認識されつつあり、災害時においても一緒に避難するのが当然と考えている飼い主が多いことがわかる結果となりました。中には実際に震災にあって愛犬を失ったことがある人もいました。災害は愛犬の命を奪う可能性があることがよくわかります。

「はい」と回答した飼い主の実際のコメントは以下のとおりです。

「家族なので家に居られないなら一緒に避難するのは当たり前だと思っています」(女性 / 50代 / 東京 / 大型犬)

「家に危険が迫った時に避難するのですから、置いていくことはできません」(女性 / 40代 / 福岡 / 中型犬)

「色々と議論に上がっていますが、やっぱり見捨てることはできないと思います。一緒に連れていけないなら車中泊します」(女性 / 30代 / 岩手 / 小型犬)

「いいえ」と回答した飼い主の実際のコメントは以下のとおりです。

「柴犬で外にいつもいるので連れて行かないです。周りに迷惑がかかるといけないからです」(女性 / 30代 / 三重 / 中型犬)

「おそらく避難する時は自分の事で精一杯で犬にまで意識がいかないだろう」(女性 / 50代 / 愛知 / 超小型犬)

「住んでいるところが田舎なので、ペット同伴での避難に対する備えや、理解が十分でないと思います。避難する場所が近所なので毎日帰って世話します」(男性 / 40代 / 香川 / 小型犬)

「いいえ」と回答した飼い主では、「避難所での迷惑」や「理解が得られない」といった意見が多くみられました。また「避難所がペットOKかわからない」「TVで言っていた」など、曖昧な情報から「一緒に避難しない」という選択をするようです。

また、「自由に逃げるから」(男性 / 30代 / 栃木 / 小型犬)といったコメントも見られ、人間に飼われていた愛犬が外で生き延びることがどれだけ難しいか、実際の災害時に多くの愛犬が餓死したことなどを知らない飼い主もいることが浮き彫りになりました。

「避難所に入れない」「避難所で迷惑をかける」という思いから、自宅や車で愛犬と一緒に過ごすことを想定しているようで、「そもそも避難しない」という考え方から「いいえ」と回答した飼い主が多いようです。

愛犬との同行避難や同伴避難という言葉を「知っているし意味を理解している」と回答した飼い主は28.9%でした。

「知らない」41.1%と「言葉は聞いたことあるが意味はわからない」29.9%を合わせると、71.0%の飼い主は同行避難や同伴避難をわかっていないことになりました。

愛犬と避難できる避難所が近くにある?の質問で「はい」と回答した飼い主は21.6%でした。

「いいえ」と回答した飼い主が14.8%見られることから、国が同行避難を原則としていても、受け入れてくれる避難所は少ない現状が浮き彫りになったようです。

実際に愛犬と避難したことある?の質問で「はい」と回答した飼い主は2.3%でした。そこで、愛犬と避難するにあたって、または避難先で困ったことを教えてもらいました。

「人間用とペット用の荷物を持ちながら犬を抱っこして徒歩で移動するのは非常に大変でした」(女性 / 40代 / 愛知)

「ぺット可の避難所であってもやはり犬同伴を嫌がる人はいて肩身が狭く、犬同士吠えたりするので結局は車の中にずっといた。便の処理に困った」(女性 / 30代 / 熊本)

「やはり避難所には行きづらいので、車の中で過ごした」(男性 / 50代 / 埼玉)

避難をした飼い主さんの多くが「避難所に行きづらい」と考え、車の中で過ごしていたようです。

また、避難の経験のない飼い主からは「そもそも避難場に愛玩動物を連れて行く事自体が愛玩動物家のエゴであると共に迷惑なので、避難しなくて済む環境を整えるべきです」(女性 / 50代 / 愛知)といった意見もあり、改めて同行避難の必要性が飼い主に浸透していないことが浮き彫りになりました。

確かに、避難所にはさまざまな人が集まり難しい問題ですが、ペットがいる家庭専用の避難所を設置した自治体も僅かながらあるため、避難しなくて済む環境というよりも避難できる環境が望まれるようです。

動物愛護管理法では、飼い主はペットの健康及び安全を保持する義務があり、災害時にはペットの安全確保やストレス軽減することが基本とされています。また、飼い主自身の安全を守るためにも愛犬との同行避難が原則です。

災害は突然襲ってくるものでパニックになりがちですが、その時になって冷静に対応できるよう日頃から準備し、愛犬と一緒に避難できる避難所の場所や動物病院の対応などを事前に調べておきましょう。

【調査概要】
アンケート内容:愛犬との災害時に関するアンケート
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の10代~60代の犬の飼い主384人(男性98人 / 女性286人)
実施期間:3月4日~3月7日
(回答者の属性については本記事にて記載)

本記事URL
https://inunavi.plan-b.co.jp/saigai_enquete_2022/

(マイナビ子育て編集部)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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