習い事を面倒くさがる子には「自分が言い出したんだから……」よりもこの一言!『「親のひとこと」言い換え辞典』vol.2
3~6歳児の現役パパママ300人が太鼓判を押した「親のひとこと」ベスト50が一冊に!『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典』(三笠書房)から、つい子どもに言いがちな言葉のベストな言い換えを紹介。今日からぜひ使ってみてくださいね。
習い事を面倒くさがる
子どもが好きで「やりたい!」と始めた習い事であっても、ほかに楽しみができてしまうと、面倒くさがるもの。強制したくはありませんが、チャレンジはしてほしいものですね。
ヒナタちゃんはピアノを習っています。ヒナタちゃんがやりたくて始めたことですが、思ったよりも早く上達しないからか、最近はあまり行きたがらなくなりました。
「ヒナタ~、ピアノの時間だよ。お教室に行こうよ」
「今日はやだ。ユキちゃん家で遊びたい」
「ピアノ上手くなりたいんでしょ。やらないと上手くならないよ」
「う~ん……」
そう返事をしながらも、ヒナタちゃんは立ち上がろうとしません。
「習い事をしている姿がかっこいい」と具体的にほめる
人間には、「人に命令されたくない欲求」があります。これは「ネガティブ・フェイス」と呼ばれます。
この欲求を脅かす行動をFTA(Face Threatening Act フェイス阻害行為)といいます。
子どもとのコミュニケーションにおいても、できるだけFTAにならないように配慮をした言い方、つまり、「ほめられたい、好かれたい」という「ポジティブ・フェイス」を満たす言い方が大切なのです。
ポジティブ・フェイスを満たすには、「ほめる」ことが最も効果的です。心理学者のハーロック博士が行なった実験によると、人前でほめられ続けた子ども達の計算テストで71%もパフォーマンスが上がり、叱られた子ども達は19%しか上がりませんでした。
おすすめフレーズのように「かっこよかったよ」と具体的にほめてあげると、子どものやる気を引き出すことができます。
また、結果だけでなく、努力している「プロセスをほめる」ことも重要です。結果だけほめると、結果だけ取り繕うことに重点を置き、努力を怠ったり、結果をごまかしたりすることにつながります。
叱り方同様、ほめ方にも気をつけたいものです。
お母さん、お父さんへのアドバイス
習い事をしている先で何かトラブルが起きている可能性もあるので、まずは子どもに聞いてみること。重大な問題でないようであれば、習い事をしている姿を客観的に見た時のかっこよさや、(習い事が)できるようになることのうらやましさを言葉にしてあげて。
完璧主義な子やプライドのある子は、うまくできないことで自信を失っていることがあります。無理にやらせずに、まずは通えただけ、数分だけでもできたらよしとするなど、親がハードルを下げてあげるといいかも。親が完璧にやってほしいなどと期待しすぎないことです。
もっとやる気にさせる応用フレーズ
●今日はレッスンで、右手だけできればいいことにしようか
●ママ、ヒナタちゃんの曲聞きたいな。帰ってきたら聞かせて
(子どもの声かけ検討委員会・著、堀田秀吾・監修『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典 』(三笠書房)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)
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書籍『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典』について
3~6歳までの子どものパパ、ママ300人にアンケートを行い、「どのような声かけをすれば、子どもがやる気になるのか」を徹底調査。
現役のパパ&ママが太鼓判を押したベスト50の声かけが掲載されています。
「ありがとうが、言えない」「嫌いな野菜が、食べられない」「できるのに、やりたがらない」……など、誰もが経験する育児シーンで、言いがちな言葉を効果的な言葉に言い換えて、お悩みを解決。親子のコミュニケーションを楽しめるようになります。
言いがち 「早く起きないと、遅れちゃうでしょ!」
おすすめ 「10数えるうちに起きないと、くすぐっちゃうぞ」
言いがち 「静かにしなさい!」
おすすめ 「ママにだけお話聞かせて?」
言いがち 「ほら、眠いんでしょ」
おすすめ 「じゃあ1分、とりあえず目をつぶってみよう?」
などなど、具体的な声がけの例と先輩パパ&ママのアドバイスが満載です。
堀田秀吾先生のプロフィール
明治大学法学部教授。法と言語科学研究所代表。
専門は社会言語学、理論言語学、心理言語学、神経言語学、法言語学、コミュニケーション論。研究においては、特に法というコンテキストにおけるコミュニケーションに関して、言語学、心理学、法学、脳科学など様々な学術分野の知見を融合したアプローチで分析を展開している。執筆活動においては、専門書に加えて、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書・語学書を多数刊行している。アイドルのプロデュースから全国放送のワイドショーのレギュラー・コメンテーターなど、研究以外においても多岐に渡る活動を見せている。