やさしくしてもらったら、要望を受け入れるべき？ 子どもの安全を最優先に考えてみたら『ふうふう子育て ＃59』

見知らぬ人から突然「赤ちゃんを抱っこさせて」と言われても、思わぬ事故や感染症の危険性もあるし、困りますよね。かと言って、せっかく子どもをかわいいと思ってくれた人を傷つけたくもない。

そこで、穏便に断るためのセリフをツイッターで聞いてみたところ、以下のようなことを言うといいのでは、というアドバイスをいただきました！

・「うちの子、今はちょうど人見知りがすごくて無理なんです」
・「今は他の人が抱くと、かわいそうなほど泣いちゃうんですよ」
・「赤ちゃんが急に動いて、ご迷惑をおかけする可能性があるので」
・「うんち、よだれ、吐き戻しで服を汚してしまうと心苦しいので」

そこで今度もしも見知らぬ人に「抱っこさせて」と言われた時には、どれかを言って断ろうと思ったのですが、さらに以下の意見をいただきました。

「たまに”私は抱っこが上手だから泣かせないし、気にもしないから大丈夫”と言う人もいますよ」

確かに「私は気にしないので大丈夫ですよ」と強気に返されてしまったら、もう何も言えません。どうすれば、すべてのパターンに対応できるのだろうかと新たに悩み始めたところ、夫がこう言いました。

「強引な人には、こちらも強引に断ってもいいんじゃない？　それも”お互い様”でしょ？」

私はちょっとビックリしてしまいました。そういう発想がなかったんです。なぜなら赤ちゃんを連れて歩くことに対して、周りに迷惑をかけてはいないかと緊張することが多かったから。だけど夫は「周りや社会にやさしくしてもらうのは嬉しいけど、だからといってなんでも受け入れなければならないというわけではない」と言いました。

赤ちゃんを産んでから、驚くほど他人から声をかけてもらったり、やさしくしてもらったりすることが多々あり、嬉しい反面、タイミングや距離感が合わず、どう受け止めたらいいのかとまどうこともありました。子連れというだけで、私とは関係のない親子の不満をぶつけられたり、急にダメ出しされることも。無言で突然赤ちゃんに触られることもありました。

そのたびに「嫌だな」と思うのですが、よかれと思ってやさしくしてくれているのだから、それに応えなければならないと思い、できる限りニコニコするようにしていました。「嫌だな」と思うこと自体にもどこか罪悪感を感じていました。

でも、優しさを人質みたいに扱うのは違います。それは相手にも自分にも失礼だと気づきました。

好意だけはありがたく受け取り、応えられないものは丁寧に断ったらいい。社会のやさしさは一方的なものではないのだから。もちろん断り方というものがあるのが大前提だけど、ちゃんと誠意をこめて断ればそれでよい。

何かをしてもらったら全部ありがたく受け入れたほうがいいのではと思いながらも、全部は受け入れられずに苦しんでいた私にとって、この出来事はとても学びになりました。

子どもが生まれてから、周囲のやさしさに気づくことが多くなりました。みなさんが子育て中にもらった優しさについて以下のハッシュタグをつけてツイートしていただけたら。

＃子育て中にもらったやさしさ　＃ふうふう子育て

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（編集協力：大西まお）