前例がない中、後ろめたい気持ちで上司に育休を相談。すると返ってきた言葉は……
仕事をしている女性にとって、育児休業からの復職は大きなターニングポイント。自分自身にも子どもの生活にもさまざまな変化が訪れ、これから職場復帰を控えている人は不安を抱えているかもしれません。そこで先輩ママの体験談をお届け。
今回は、中小企業の総務部で働く女性のエピソードをご紹介します。
(41歳、子ども5歳、情報・IT/事務系専門職)
育休の前例がない職場。後ろめたい気持ちで上司に相談すると……
妊娠が判明した時、私は中小企業の総務部で働いていました。
当時、職場でこれまで育休を取得した人がおらず、少し後ろめたい気持ちで上司に育休の相談をすることに……。
しかし上司は、「会社のことは心配せずに、しっかり休んで育児に専念してください。あなたにはこれから育休を取りたい社員の、手本になってもらいたいんです」と力強く応援してくれました。
育休は労働者の権利ではありますが、この言葉には感激しました。感謝の気持ちを持って、しっかりと仕事で返さなければと決心したのを覚えています。
子育てを終えた人生の大先輩から、色々と教わることが多い日々
しかし、実際に育休を取るまでは課題が山積み。
会社が制度の仕組みすら熟知しておらず、顧問社労士の先生に聞きながら、当事者である私が自ら申請を行わざるを得ませんでした。
そんな苦労もありましたが、子どもが生まれると会社からオムツケーキとベビー服のセットが届き、またまた大感激。
復職後に、保育園からの呼び出しで早退しなくてはいけない時も、一番理解してくれたのは子どもや孫がいる上司たちでした。
現役の子育て中の人は少ない職場ですが、お子さんが大きくなってから入社した年上の女性社員から「専業主婦でも子育て大変だったんだから、仕事しながらなんてほんと感心するよ!」と言ってもらえたり、「困っていることがあったら、いつでも相談して」など温かなお声がけをいただいたり。
人生の大先輩から子育てのことを教わることもしばしばあり、とても良くしてもらっています。
私の後に続いて、後輩女性が育休を取得!
育休を取得して会社を休むことで、職場で嫌われてしまうケースをよく耳にします。実際、今の職場の中にも私のことをよく思っていない人がいるかもしれません。
ですが自分の仕事はきちんとこなすことと、同僚や上司の話をよく聞くことを徹底すれば、応援してくれる優しい人はたくさんいるはずです。
たまたまこの会社では私が初めての育休取得者となりましたが、その後、後輩の社員が妊娠して、産休・育休を経て無事に復帰。私の時の情報をシェアすることで、スムーズに事が運んだようです。
会社にとっても妊娠や出産で女性社員に退職されることは、大きなマイナスに。育休取得のパイオニアになれてよかったと思っています。
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※本記事は、編集部に寄せられた実際のエピソードを元に再構成しています。