【助産師解説】新生児の赤ちゃんのおもちゃ、何がいい?選び方のポイント
新生児期の赤ちゃんにおもちゃを与えるなら、どのようなものがいいのでしょうか? 我が子の誕生を楽しみにしているパパやママは「赤ちゃんのおもちゃ」も気になりますよね。今回は新生児期から使えるおもちゃについて、赤ちゃんの発達や安全面なども考慮して助産師が解説します。記事の最後で種類別編集部おすすめおもちゃもご紹介します!
新生児の赤ちゃんにおもちゃは買った? ~ママアンケート~
ママたちに、新生児の赤ちゃんのためにおもちゃを購入したかを質問してみると、買った人・買わなかった人はおおよそ半々といった結果でした。
◆おもちゃを買わなかったママの声
「出産準備や赤ちゃんのお世話で手一杯で、おもちゃにまで頭が回らなかった」
「既製品は購入せず、産休に入ってから手作りした」
「たくさんおもちゃをもらって、使い切れなくてもったいないほどだった」
◆おもちゃを買ったママの声
「デザインよりも安全なもの重視して選んだ」
「定番だけどガラガラを購入。音に反応して『耳が聞こえてるんだ』と夫婦で感動した」
「自立するメリーを買ったところ、新生児の頃は眺めているだけだったけれど、その後はつかんだり、つかまり立ちの支えにしたり、成長に伴って用途がどんどん変わっていった」
新生児期のおもちゃ選びのポイントと注意点
新生児に限らず、おもちゃは赤ちゃんや子供の月齢・年齢の発達に合ったものを与えるのがおすすめです。そこで、まずは新生児期の赤ちゃんの特徴から、どのようなおもちゃがいいかを見ていきましょう。選ぶ際に気をつけたいポイントもチェックしてくださいね。
発達から見る新生児のおもちゃ選びのポイント
赤ちゃんの五感はお腹にいるときからすでに発達が始まっており、生まれた直後からすでにある程度機能しています。新生児期の一般的な発達を見てみましょう。
<視覚>
生まれる前からすでに光を感じとることはできていますが、新生児の視力は0.02~0.05ほどで、目から25~30cmくらいの距離まで近づかないと、焦点が合わずぼんやりとしか見えません。ちなみに、30cmは抱っこしたときにちょうど目が合うくらいの距離です。
色に関しては、最初は白や黒、グレーなどの明暗の認識しかないので、白・黒・赤により反応しやすい特徴があります。また、物よりも人の顔などにより反応しやすいともいわれます。
<聴覚>
聴力はお腹の中にいる頃から発達が進んでおり、生まれる前から胎内音や外から聞こえる音を聞いています。特に、よく聞いていたママの声はよく覚えており、生まれた後も反応を見せやすいそうです。
<触覚>
皮膚の感覚も、聴覚と同じくお腹の中にいる頃からすでに発達しています。ママの肌の感触ややわらかさ、抱っこされたときの温もり、痛みやかゆみなども生まれた直後からしっかり感じられています。
この他、味覚や嗅覚も生まれたときからしっかりしており、いろんな味やにおいを識別できます。
このように、この時期の体の特徴と主な発達をまとめると、この時期に適したおもちゃはおおよそ以下のようになります。
・音色や音楽を楽しめるおもちゃ
・色鮮やかでコントラストがはっきりしたおもちゃ
・肌触りの良いおもちゃ
音や色、触感などの刺激はさらなる発達を促すとされており、赤ちゃんの成長に合わせたおもちゃを与えることは、今後の成長に良い影響を及ぼすことも期待できます。
助産師・保健師の佐々木先生からアドバイス①
赤ちゃんは人の顔が大好きです。視覚はぼんやりとしかないにも関わらず、ある程度、表情を判別することもできると言われています。また、話しかけてくれる人の声のトーンで、気持ちも分かっていると言われていますよ。赤ちゃんが起きているときに、赤ちゃんの顔をみつめて、優しい声で話しかけてみてくださいね。
おもちゃを選ぶときの注意
赤ちゃんの発達以外にも、おもちゃを購入する際にはチェックしたいポイントがあります。特に、月齢が低いほど安全面の考慮は忘れてはいけません。尖ったり鋭利な部分がないか、誤飲しやすい大きさではないか、細かいパーツがないかなど、赤ちゃんを傷つける危険性がないことをしっかりチェックしましょう。
<STマーク>
安全性を考えた場合、おもちゃ選びのひとつの目安として「STマーク」の表示の有無があります。STマークは、誤飲のリスクはないか、燃えやすい素材ではないか、有害な物質を材料にしていないかなど検査し、玩具安全(ST)基準に適合する「安全面について注意深くつくられたおもちゃ」に付けられる、日本玩具協会の認証マークです。
新生児や赤ちゃんを含めた子供(14歳までを想定)のおもちゃを選ぶ際には大いに参考になるでしょう。
STマークが付いていないからと言ってそのおもちゃが危険なわけではありませんが、自分で選ぶ際は、誤飲の可能性や使用されている材料など必ず確認し、慎重に吟味するようにしましょう。
<衛生面>
また、赤ちゃんの肌はとてもデリケート。成長にともない何でも口に入れて確かめたがりもします。素材や塗料は肌にやさしく、口に入れても安全なものを選ぶことはもちろんのこと、衛生面も考慮して、布製のものはできるだけ洗濯できるものを選びたいですね。
<握りやすい重さや形>
大きさや使い勝手までチェックしてあげれば、赤ちゃんがひとりでも遊びやすくなります。特に、手で握るおもちゃは赤ちゃんでも遊びやすい軽いものがおすすめ。新生児の頃はまだ上手に握ることはできませんが、月齢が上がっても遊ぶことを考えると、握りやすい形ならなおいいですね。
助産師・保健師の佐々木先生からアドバイス②
たくさんのおもちゃを、赤ちゃんの枕元に並べているご家庭を拝見することがありますが、これはとても危ないです。
赤ちゃんは、寝返りはしませんが、首をたくさん動かしますし、手もよく動かします。自分の足で床を蹴って、移動することもあります。ふいに、おもちゃが顔を覆ってしまうことのないよう注意し、枕元にはおもちゃを置かないようにしましょうね。
新生児の発達に合ったおもちゃは?
では、新生児期に適したおもちゃには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?特におすすめしたい3つの種類をご紹介します。
ラトル(がらがら)
この時期に一番におすすめしたいのが、ラトル(がらがら)のおもちゃ。軽やかな鈴の音、さらさらとしたビーズの音、カタカタと耳に心地よい音など、赤ちゃんが興味を示しやすい音で聴覚を刺激することができます。コントラストのはっきりしたカラーで、動物や人形など顔があるものなら、視力に働きかけることもできますね。肌触りの良い布製のものであれば、触感を楽しむこともできます。
なによりも、新生児期はまだひとり遊びができない時期。ママと一緒に遊びやすいおもちゃという点が、もっともおすすめしたい理由のひとつでもあります。赤ちゃんの顔の前でゆっくり振ってあげたり、音色を楽しませてあげたり、お顔や手などをちょんちょんとしてあげるなど、お話しながらいろんな遊びやスキンシップを楽しみましょう。この時期の赤ちゃんにとって一番の喜びはママなので、赤ちゃんとの時間やスキンシップをたくさんとれるおもちゃを選びたいですね。
メリーやモビールなどのぶら下がりおもちゃ
メリーやモビールなどのぶら下がりおもちゃも、この時期の発達段階に合ったおもちゃです。新生児から使う場合は、赤ちゃんが反応を示しやすい色鮮やかなものがいいですね。
メリーは、音楽が鳴るという点でもおすすめ。ラトル同様に聴覚にも刺激を与えることができます。最近は、胎内音やホワイトノイズを搭載しているものや、赤ちゃんの泣き声に反応して動き出す見守りセンサー付きのメリーもあるようです。
ただし、取りつける場所には工夫が必要です。
よく、おもちゃが寝ている顔の真上にくるよう設置しがちですが、赤ちゃんの目の発達段階は下を見る動きから始まり、次いで左右、最後に上を見る動きと進んでいきます。
そのため、新生児期は赤ちゃんの顔の真上ではなく、少し下(足側)、距離(おもちゃの高さ)も、できれば顔から30cmくらいに取りつけると、より見やすくなります。もちろん、落下や倒壊防止対策は十分に行いましょうね。
肌触りの良い握りおもちゃや歯固め
新生児期は、まだにぎにぎや歯固めとして使えるほど発達が進んではいませんが、ラトル同様ママと一緒に楽しめるおもちゃとしておすすめです。
ママが赤ちゃんの肌にやさしく触れてあげたり、動かしながらお話や歌を歌ってあげるなど、一緒に遊ぶときのおもちゃとして使うのにぴったり。成長にともない、にぎにぎや歯固めとしてひとり遊びができるようになるので、長く使えるおもちゃとしてもおすすめです。
助産師・保健師の佐々木先生からアドバイス③
生後すぐの赤ちゃんは一日のほとんどを眠って過ごします。生後すぐからたくさんおもちゃをそろえておく必要はないかもしれません。
個人差はありますが、生後1ヶ月に近くなるころから、授乳の後など、目を開けて静かに起きていることが少しずつ増えて来ます。
昼間、赤ちゃんが機嫌よく起きていたら、成長してきた証拠。いっぱい話しかけて、遊んであげてくださいね。
まとめ
赤ちゃんにとって、遊びは、おとなとコミュニケーションをとる、という経験や、「これはなんだろう?」と興味や想像力をわかせたり、体を動かすことの楽しみを覚えるといった役割があり、赤ちゃんの発達に大切です。
新生児期は赤ちゃんが起きている時間は少ないのですが、起きているわずかな時間にも、五感を働かせ、たくさん成長しています。顔を覗き込んで、話しかけてあげたり、赤ちゃんの身体にやさしくふれ、手や足など、身体をそっと動かしてあげるだけでも十分な遊びになります。
昼間、機嫌よく起きている時間が長くなってきたなと感じたら、おもちゃを使って遊んでみましょう。赤ちゃんはきっと、ちょっと不思議そうな顔をして、興味を示してくれると思いますよ。(佐々木)
(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:佐々木美香先生)
※画像はイメージです
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます
編集部おすすめ「新生児期のおもちゃ」9選
最後に、新生児期に適したおもちゃの種類別に、おすすめを3つずつご紹介。ぜひ、選ぶ際の参考にしてみてください。
おすすめラトル3選
はじめてフリフリ(コンビ)
ベビーグッズ専門店、コンビから発売されているかわいいうさぎのラトルです。
白いお顔と赤と白のボーダー柄の体、耳は、片方は赤地に白のドット、もう片方は黒と白のボーダーと、生まれたばかりの赤ちゃんが見やすい黒、白、赤のみで色とりどりに仕上げた優れた作りに。振ると、りんりんと軽やかな鈴の音がします。
体の部分は輪っかになっているので、赤ちゃんの手首につけて使えるのが嬉しいポイント。まだ物を持てない赤ちゃんでも一人遊びができますね。素材には赤ちゃんが口に入れても害のないものを使用しており、手洗いも可能です。
価格:700円(税抜)
商品リンク:https://shop.combi.co.jp/shop/g/g116719/
魔法のパペットラトル(ピープル)
「お米のおもちゃ」で有名な玩具ブランド、ピープルが手掛けるラトルです。
かわいらしいテディベアのラトルは、振るとりんりんと軽やかな音がします。真っ赤な愛らしいハートが視覚も刺激。ベアとハートをつなぐ握りやすい紐、お口でかみかみしやすい薄いサイズなど、発達に合わせた工夫で一人遊びができる頃にも使い勝手の良いおもちゃです。
中でも一番のポイントは、高い抗菌効果を持つ特別な布を使用しているという点。化学処理や薬剤は一切使用せず、天然成分のみを使った抗菌を実現したため、赤ちゃんにやさしく、衛生面の心配もほとんどありません。丸洗いができ、何度洗っても抗菌効果に変化なし!というのも嬉しいですね。
価格:2,800円(税抜)
商品リンク: https://www.people-kk.co.jp/toys/baby/kinblock-puppet.html
天衣無縫のがらがらシリーズ
「天女の衣には縫い目がない」という意味を持つ「天衣無縫」を名前に持つ日本のオーガニックブランド。ここのラトルのポイントは、やはりオーガニックコットン素材でできたなめらかな肌触りと安心感ではないでしょうか。生まれた直後の赤ちゃんにも安心して与えらえられ、お口に入れても心配ありません。もちろん、洗濯もできますよ。
デザインは、うさぎとぞうの2種類。振るとやわらかい鈴の音が鳴ります。
おすすめメリー2選
6WAYジムにへんしんメリー(タカラトミー)
アマゾンや楽天市場で常に上位をキープしている、不動の人気を誇るメリーです。
ベッドとフロアのどちらでも使え、成長にともないベビージム、お座りジム、つかまり立ちジムとしても使える優れもの。長く使える6way使用とあれば、絶大な人気を得るのも納得ですね。使わないときは解体してコンパクトにしまうことができるのも、ママにとってはとっても魅力的。
プーさんとその仲間たちがかわいく、鮮やかな色使いも赤ちゃんにぴったりです。20曲のメロディに胎内音も搭載。20分と長めの連続時間も嬉しいですね。
価格:8,859円(税込)~
商品リンク:https://www.takaratomy.co.jp/products/babyonline/lineup/merry/003.html
赤ちゃん泣きやませサウンド付きアンパンマンメリー(アガツマ)
カラフルなキャラクターたちがかわいい、子どもに大人気なアンパンマンキャラクターのメリーです。アンパンマンの歌をはじめ、19曲のメロディとホワイトノイズを搭載。ベッドとフロアの2wayで使え、2種類のライトも付いています。連続時間は15分と少し短めですが、子どもが一度は通るといわれる最強キャラクターのメリーは魅力的ですね。
価格:6,362円(税込)~
商品リンク: https://www.agatsuma.co.jp/product/anpanman/636.php
おすすめ握りおもちゃ・歯固め3
歯固めラトル バンブル・バイツ(サッシー)
日本でもっとも有名な歯固めといっても過言ではない、サッシーのバンブル・バイツ。
生まれた直後の赤ちゃんでも認識しやすい白や黒、赤、黄色などの原色をカラフルに組み合わせ、興味を引きやすい作りになっています。4つの羽は、それぞれに水やビーズが入っていたり、ぽこぽこした感触を楽しめるなど、赤ちゃんが1人でも遊びやすいさまざまな工夫がなされています。成長しても長く使える、おすすめの歯固めです。
純国産お米のなめかみ(ピープル)
ピープルの「お米のおもちゃ」シリーズから出ている歯固めです。
素材がお米なので、なにより口に入れても体に害がなく、安全面の心配がほとんどないのが嬉しいポイント。小さな赤ちゃんも握りやすく、かみかみもしやすい輪っかデザインなのも魅力です。指遊びリングがついているので、新生児の頃はママがリングを揺らしてあげたり、からから鳴らしながら一緒に遊んであげるのにも使えますね。新生児期から長く使えるおもちゃです。
価格:1,600円(税抜)
商品リンク:https://www.people-kk.co.jp/toys/okome/namekami.html
オーガニックコットンバスケット【にこにこ動物】(アモローサマンマ)
ベビー服デザイナーの、いそみきよさんと、日本オーガニックコットン流通機構とのコラボレーションにり生まれたブランド「アモローサマンマ」のにぎにぎです。
オーガニックコットン素材でできたうさぎ、くま、ひつじのかわいらしいにぎにぎが、これまたかわいらしいオーガニックコットンのバケツに入った一品。小さいサイズ感が、赤ちゃんの小さなお手々にもぴったりです。やわらかく安全な素材なので、安心して赤ちゃんに持たせることができますね。かわいい動物たちが、ママと赤ちゃんのお遊びタイムにも色を添えてくれるでしょう。
価格:5,724円(税込)
商品リンク:https://www.harmonature.com/fs/cotton/43-281-01-os